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(韓国語)連結語尾と助詞の組み合わせ 【条件を表すとき】 #28

 これまで連結語尾と -는/은 が組み合わさるときに、条件(〜たら)を表すことがありました。一般的には「仮定」とか「仮定条件」という用語の方が浸透しているとは思いますが(なので今まで(仮定)条件のように曖昧に表記してきました)、条件にもいろいろあるので、とりあえず条件という用語を使います。
 さて、-는/은 が付いて条件を表す連結語尾には , -(아/어)서, -고, -고서, -다가 があります。-고서 については #12 でちょこっと言及しただけですが、-고서 も -는/은 が付き条件を表すことができますので、一緒にまとめてみたいと思います。

 ちなみに、-고서 については以前論文を書いたことがあるので、こちらの解説も参考になるかもしれません。

-(아/어)서는

 前にも例を挙げましたが、-(아/어)서는 は主に안되다(ダメだ)などの否定的な意味を持つ述語が続いて条件を表します。
 (1) の例では直前の文に -면 안되다 があることからもわかるとおり、この -(아/어)서는 が条件を表していることが理解できると思います。ここで -(아/어)서는 は -면 と置き換えが可能です。

(1)
나는‎ 그러면 안 되는 줄 알았어요.‎ 내가 날 용서해서는 안 된다고.
ぼくはそれじゃ(幸せになっちゃ)ダメなんだと思ったんです。自分が自分を許しちゃダメなんだって。

(사내 맞선 ep. 11)

 -(아/어)서는 は、一般的に「〜てはいけない」と述べる以外に、例としてはあまり多くないですが、(2) のように、相手に対して「〜するな」というニュアンスで「〜てはいけない」と述べることもできます。この区別は -고, -고서 の場合に有効になります。

(2)
여러분, 절대로 물러나서는 안 됩니다!
みなさん、絶対に退いてはいけません!

[2CE00004]

-고는, -고서는

 -고 と -고서 に -는/은 が付いたときの振る舞いは非常に似ていて、どちらも「〜でなければ…できない」という文で用いられます。
 -고는 について、後が「…できない」となる例は以前挙げたので、単に否定形になる例も挙げておきます。

(3)
저는 신문기자이기 때문에 취재를 전제로 하지 않고는 사람들을 만나지 않습니다.
わたしは新聞記者なので、取材を前提にしなければ人に会いません。

[BREO0085]

 次に -고서는 の例ですが、割と多いのは述語が 아니다 である場合です。

(4)
하, 정말 귀신이 아니고서는 설명이 안 되는 사람이야.
はぁ、本当に神じゃないとしたら説明がつかないような人だよ。

(슬기로운 의사생활 ep. 2)

 -고는, -고서는 条件文の場合は、-(아/어)서는 の例 (2) のように、相手に対して「〜じゃなかったら…できないよ!(だからしちゃダメだよ!)」みたいに使われることはありません。一般的な条件として「〜でなければ…できない」と述べるだけです。

-다가는

  -다가는 の例については #24 でも挙げましたが、後半に否定的なニュアンスを持つ文が続くのが特徴でした。-다가는 の場合も -(아/어)서는 と同様、一般的な条件として「〜したらこういうよくないことになる」と述べることもできるし、相手に対して「〜したらこういうよくないことになるよ!(だからしちゃダメ!)」と述べることもできます。

(5)[二日酔いのハリに対して]
하리: 아니, 나 상 받은 거…아휴, 상 받은 거 축하한다고 회식하다가…
미모: 아이고, 상 두 번만 받았다가는 사람 골로 보내겠네.
ハリ:いや、わたしが賞をもらったのを…賞をもらったお祝いだって飲み会して…
ミモ:まったく、賞2回でももらったらあの世行きね。

※ 골로 보내다 は「殺す」の俗語。골로 가다 で「死ぬ、くたばる」の意。

(사내 맞선 ep. 5)

 (6) では「こんなものつまんでたら、その無病長寿の夢とやらもおじゃんだぞ(だからつまんで食べるなよ!)」と言っているわけですね。

(6)
이런 거 다 주워 먹었다가는‎ 그 무병장수 꿈 박살 난다.
こんなものつまんでたら、その無病長寿の夢とやらもおじゃんだぞ。

(갯마을 차차차 ep. 8)

-는/은 なしで条件を表すとき

 #24 で -다가 になにも付かずとも条件を表す例があることについては言及しました。基本的には -다가 の例が多いのですが、-고서 も単独で条件を表すことがあります。

(7)
아, 일어나! 이러다 또 지각해!
もう、起きなさい!これじゃまた遅刻よ!

(사내 맞선 ep. 5)

(8)
그가 바보가 아니고서 그렇게 할 수 없다.
彼がばかでなければ、そのようにできない。

(韓国・国立国語院 (2012)『標準韓国語文法辞典』p. 48)


 さて、#21から長きに渡って「連結語尾 + 助詞」の組み合わせについて見てきました。今回のようにもっと助詞の側からも観察できるとよいですし、これまでの記事でも取り上げられていない組み合わせは非常に多いのですが、おもしろいポイントや注意すべきポイントについてはある程度解説したと思うので、どんどん実例にあたりながら韓国語の表現を豊かにしていっていただければと思います。
 次回からはこの連載の最後のテーマ、連結語尾で文が終わる例について解説していきます。

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