(韓国語)連結語尾がたくさん! #1
韓国語の連結語尾は、日本語の接続助詞(〜から、〜ので)のように文と文をつなぐ役割をします。この連結語尾はとにかく数が多く、似た意味を表す連結語尾の使い分けも難しいところです。わたしは博士論文でこの連結語尾に取り組みました。
博士論文は公開されていますが、論文を研究者以外に読んでもらう機会はなかなかありません。また、韓国語の教材はたくさん出版されていますが、上級者も参考になるようなものは多くありません。ここら辺の問題意識は、以前のnoteでも書いたことがあります。
というわけで、このnoteでは博士論文の成果をもとにして、連結語尾の使い方を詳しく解説していこうと思います。例はなるべく最近の韓国ドラマから引用してくるつもりなので、話しことばの参考にもなるかと思います。
韓国語の連結語尾にはどんなものがあるか、意味別に簡単に見てみましょう。今後この連載で扱う予定の、主な連結語尾は太字にしています。
ざっと見ただけでも、かなり連結語尾の数が多いことがわかります。この中には主に書きことばでしか使われないものもあり、どれもが多用されるというわけではありませんが、ある程度韓国語ができると言うためには、これくらいはおさえておくのがいいのではないかと思います。
ここではざっと意味別に連結語尾を並べてみましたが、似た意味を表す連結語尾の使い分けはどうしたらいいか、悩んでいるかたも多いのではないかと思います。あるいはそのような悩みはいったん横に置いておいて、例えば原因理由ならいつも -니까, -(아/어)서 で済ましてしまう、という場合もあるでしょう。そのような使い分けの問題についても一部解決策を提示したいと思っていますが、連結語尾を使う際に、さらなる問題があります。そして、その問題はあまり意識されていない場合もあるのではないかと思っています。
その問題とは、連結語尾と、他の要素との組み合わせの問題です。Starbucksのカスタマイズの組み合わせが様々にできるのは魅力的かもしれませんが、ただでさえ多い連結語尾に、他の要素をトッピングされても、あまりうれしくはないかもしれません(個人的にはものすごく楽しいのですが)。例えば、過去を表す -았/었- と付くことができるか、できないか、できるとしたら、それは過去の意味をそのまま表すのか。あるいは、連結語尾の後に -는/은(〜は)が付くことができるか、できないか、できるとしたらそれは名詞類(책, 사람...etc.)に -는/은 が付くときと同じ意味なのか、違うのか、このようなことが起こってくるわけです。
日本語話者で、ある程度韓国語ができるようになってくると、なんとなく意味は取れてしまうので深く考えなくても済むような場合も多いとは思うのですが、韓国語上級者を目指すのであれば、連結語尾を巡る問題から目をそらすことはできないだろう、というのがわたしの考えです。この連載では連結語尾に焦点をあてて説明していくものの、上で述べたように過去の -았/었- なり助詞なり他の要素を考慮しなければならないので、単なる連結語尾の使い方に留まらず、様々な文法事項について考えを深めることができると言えるでしょう。
次回は、上で言及した組み合わせの問題を含めて、この連載で扱っていく連結語尾の問題を、様々な観点から概観してみたいと思います。
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