べぼや橋を渡って|岸本佐知子さんのこと【後編】
「ねにもつタイプ」も「なんらかの事情」に負けず劣らず面白い。子供の頃のエピソードが出てくると、何かヒントがないか注意深く読む。
「かげもかたちも」という話では”幼稚園に上がった年から現在まで、数年のブランクをはさんで、ずっとOという私鉄の沿線に住んでいる”とある。私も生まれた時から今日までずっとO線である。(「なんらかの事情」で出てくる経堂駅は実名なのに、なんでO線はイニシャルなのか?)エッセイにはO線の電車から見える気になるスポットや景色のことが書かれているが、電車の窓か