shirokuma3

住宅・建築・インテリア分野のライターをしています。

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べぼや橋を渡って|岸本佐知子さんのこと【後編】

「ねにもつタイプ」も「なんらかの事情」に負けず劣らず面白い。子供の頃のエピソードが出てくると、何かヒントがないか注意深く読む。 「かげもかたちも」という話では”幼稚園に上がった年から現在まで、数年のブランクをはさんで、ずっとOという私鉄の沿線に住んでいる”とある。私も生まれた時から今日までずっとO線である。(「なんらかの事情」で出てくる経堂駅は実名なのに、なんでO線はイニシャルなのか?)エッセイにはO線の電車から見える気になるスポットや景色のことが書かれているが、電車の窓か

    • べぼや橋を渡って|岸本佐知子さんのこと【前編】

      朝日新聞に”常識吹き飛ばす「ごっつい」やつ”というタイトルで岸本佐知子さんの新刊「ひみつのしつもん」の書評が出ていた。翻訳者としてのお名前は知っていたが、エッセイは読んだことがなかった。 私は夕飯の買い物に行く途中でふとその書評を思い出し、図書館に寄ってみることにした。図書館を頻繁に利用するようになったのは会社を辞めてからだ。 *** 3年ほど前、20年以上働いていた会社をやめて無職になった私は、約30年ぶりに人に養われることになった。「人」とは夫のことだ。30数年前は

    べぼや橋を渡って|岸本佐知子さんのこと【後編】