「命」を話すのではなく語る…Ep7
手を伸ばして
さわるものに
形がない方がいい
手に触れるものは
無がいい
命は
目に見えないとしたら
私は
形のないものでありたい
目にし手にしたものは
自ら形を成すとすれば
それは見えない方がいい
見えないまま消えるはず
そうしたら
最初からなかったもの
伸ばした手は
見えない壁を
通り抜けて
違うなにかを掴むだろう
それが答と知るだろう
掴んだ掌を開いた時
そこに
何もないことにホッとするだろう
わたしの命は
形ないものであることに
それを確信したことに
私は
微笑むだろう
微笑んで
その命を全うするだろう