「命」を~話すのではなく語る…Ep3
生まれ出ずる子らは
ぎゅっと掌を握りしめ
何かを
放さないとするかのように
それは
100個の風船のひもを
握りしめていて
絶対放さないというように
その100個の風船は
生まれ出ずる前に託されたもの
善
良心
優しさ
愛しむ
慈しむ
守る
共する
想う
悪
汚心
冷たさ
嫌悪
追い込む
孤独
無視
時が経つと
掌は指一本ずつ
そっと開かれていく
風船は
一つ二つ三つ…と
空へ駆けていく
手を伸ばせば
もう一度
手にすることが出来るのか?
出来たとしたら
こんなに悔やむこともない
残った風船は
いくつ?
その命が尽きるとき
掌をじっと見つめるだろう