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死ぬ気でやればなんでもできるなんて、全く思わない

死ぬ気でやればなんでもできる。このフレーズ、大嫌いです。

結果が出なかった時によく言われた記憶があります。
『死ぬ気』って何よ?! 言われる度にそう思ってました。

20代の頃、「これはいよいよ死ぬんだな」と思ったことがあります。
大きな腫瘍が見つかり手術することになった時です。

『90%の確率で悪性腫瘍だと思われます。かなり大きくなっているのですぐに手術が必要です。若いので、全身転移の可能性が高いです。いつ容体が急変してもおかしくない状態です。』

担当医からそう説明されました。

私、小さい頃からギリギリで災難を逃れてきたのです。
数センチの差でアキレス腱切断を免れ、数ミリの差で失明を回避しました。
自分は意外と強運かもしれないと思ってました。
だからこそ、こんなことが何回も起きるはずがないとも思いました。
今回はさすがにダメだろう。私なりに覚悟を決めよう。

その時にいろいろと考えて思ったことです。

死にたくはないけれど、死んだら何も感じないのだし、もうどうでもよくないか。
これから出る結果は変わらないのだから、何も考えずにやりすごそう。

私の『死ぬ気』ってそういうことでした。『無』でした。

だから、『死ぬ気でやればなんでもできる』と聞くと、あの時の『死ぬ気』を思い出してしまいます。

1ミリもやれる気がしません。なんの励みにもなりません。だから嫌いです。

結局、腫瘍は良性でした。今も元気に生きてます。

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