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乃木坂46 ロケ地を巡る②

【神奈川県・横浜】

「気づいたら片想い」


8thシングル「気づいたら片想い」表題曲(2014年)

西野七瀬、初のセンター曲。彼女の卒業公演(2019年2月24日 7th YEAR BIRTHDAY LIVE DAY4)の最初の曲。スポットライトに導かれるようにセンターステージに歩み出てきた七瀬が、震える声でアカペラでイントロを歌い出す。マイク越しの息遣いまで正確に憶えている、乃木坂46としての西野七瀬を体現した名曲中の名曲だと思っています。

MUSIC VIDEOが撮影されたのは、横浜市海岸通りにあるJAPAN EXPRESS BUILDINGです。

瀟洒でモダンな外観です

場所は横浜市中区海岸通1-1
最寄駅はみなとみらい線「日本大通り駅」

元町・中華街や山下公園に近く、住所の通り、海岸の近く。大桟橋のそばです。南側には横浜スタジアムがあります。訪れたのは、①の急斜面ロケ地と同じく、10thバスラの2日目。プロ野球の試合があるのか、ベイスターズのシャツを着た人やカップル、家族づれで賑わっていました。

付近は観光名所である横浜の港町ならではのモダンな建物が多く、僕は初めて行ったので結構迷いました。建物の外観にあまり馴染みがなかったため、果たしてここだろうかと恐る恐る中に入ってみて・・・パッと記憶が蘇りました。

2階に入居しているセレクトショップに続く踊り場付近。
実際のMVのシーン

劇中、「センター」に選ばれた「西野七瀬」に冷たく当たるようなそぶりを見せる「白石麻衣」。内心を気取られまいと、あえて背を向けようとする白石を西野が追いかけるシーンです。

今見ると、とても切ないね。


YouTubeではショートVer.が公開されていますが、発売されている乃木坂46のMVコレクションでは、Blu-rayの高画質で収録されています。

MVは冒頭からドラマ仕立てで進んでいきますが、最初に配役を紹介するように、メンバーの名前が順にクレジットされていきます。

橋本奈々未、白石麻衣、生駒里奈、堀未央奈・・・西野七瀬

これを見ただけで、やっぱりグッときます。昔を懐かしむのは、あまり良くないけれど(彼女たちがそれを望んでいるとは思えない)、時々、矢も盾もたまらなくなる時があります。

乃木坂ファンとしては後発組だった僕は、この頃の彼女たちをリアルタイムでは知りません。昔を知ってるふりをしていますが、”沼”にハマったのは「ハルジオン」あたりから。大慌てで過去のMVを見返しながら、メンバーの顔と名前から始まり、メンバーの関係性やグループの歴史を一つずつ覚えていく中で、強烈な印象を残したのがこのMVでした。フィルム調の荒い粒子の中で、汗の一粒一粒まで美しいと感じた女性は、彼女たちが初めてでした。

話がそれますが、2019年の「乃木坂46 ARTWORKS だいたいぜんぶ展」ではMVのラストを飾るメンバーの集合写真の原版が展示されていました。まるでそこだけ、時が止まったかのように。

年季を感じさせる階段。冷たくなめらかな石の手すり。

僕はこういう、古い建物がとても好きです。通っていた大学は、入学した頃は昭和初期のモダンな校舎がそのまま残されて現役で使われていて、飽きもせずに眺めていました。階段や柱、手すり、はめ込み式の窓。手をかざすと、かつての賑わいが皮膚を通して身体に流れ込んでくるようで、大好きでした。留年した頃、校舎が耐震性などの問題から次々に建て替えられていく中、真新しいハイテク校舎には、全くと言っていいほど愛着が湧かなかったことを憶えています。

このJAPAN EXPRESS BUILDINGは、1930年に建設されたそうです。かつては、移住者や旅行者の案内やカバン持ちなどをするイエローポーターと呼ばれる人たちが働いていたそうです。手際が良くて屈強なポーターたちが、船の汽笛を合図に上へ下へとこの階段を行き交い、タバコをふかしたりチップを勘定していたのかも。

世界中のありとあらゆる旅行カバンや積荷が行き交った、その重みが記憶となってこの建物には残っている。

そんな建物で、「儚くて尊いもの」をテーマにした愛すべき名曲が映像に残されたことは、一つの奇跡だと思っています。


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