白水ま衣

川柳 、詩、短歌を書いています。

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  • Twitter句会『さみしい夜の句会』投稿作品(川柳)

    Twitter句会『さみしい夜の句会』に投稿した作品(川柳)を1週間分まとめてお送りします。

最近の記事

川柳5句「おにぎりとおむすび」

おにぎりとおむすび仲良く喧嘩しな おにぎらずという肯定 おにぎりは寡黙な方が美味い説 おにぎりの内なる鬼はよく笑う おむすびの形を今はしているが /白水ま衣

    • エッセイ+川柳「ドーナツ」

      子どもの頃によく聴いた、ミスタードーナツの店内で流れていた山下達郎さんの歌。この歌のタイトルが「ドーナツ・ソング」であることを知ったのは最近のこと。この歌を菅田将暉さんがカバーしているのをテレビCMで聴いたのがきっかけで、この歌のタイトルを初めて知ったのだった。 子どもの頃、この歌を初めて聴いた時、洒落た歌だなあ、と思った。それ以来、山下達郎さんといえば「ドーナツ・ソング」を先ず思い浮かべる。と同時に、菅田将暉さんの歌う「ドーナツ・ソング」も好きだ。思いは熱く、しかしシンプ

      • 川柳5句「満室」

        退屈な夢は把手が付いている 努力して好きになるならアルマジロ どの人の抜殻なのか分からない 帽子を脱いで肉体を得る どの夜も空室つまり満室だ /白水ま衣

        • 川柳5句「切手は不要」

          XがYになる日のかけうどん さよならに切手は不要 WとYの間に種を播く 拡散希望/またたび、と誤記されたまま この鳥があの鳥になるまでは夏

        川柳5句「おにぎりとおむすび」

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        記事

          川柳6句「パール粒大」

          ラムレーズンは恋愛じゃない 錯覚が並ぶ未明のショーウィンドウ ハートマークに付けるジッパー 恋愛をシャンパンとベージュに分ける パール粒大の事件を顔に塗る マネキンが倒れてからが本番だ /白水ま衣

          川柳6句「パール粒大」

          川柳5句「変身」

          羽化したらきれいな嘘になりました 地球儀を回す半透明の指 「変身!」と叫んだ人が戻らない おやすみなさいモリアーティのほうれい線 拾った物は皆、駅になる /白水ま衣

          川柳5句「変身」

          エッセイ+川柳「がめ煮」

          がめ煮、とはいわゆる筑前煮のこと。福岡出身の両親が、がめ煮、と呼んでいたので、気付けば私もそう呼んでいた。 鶏もも肉、蒟蒻、干し椎茸、レンコン、ごぼう、人参を油で炒め、干し椎茸の戻し汁と醤油と砂糖と酒で煮ていく。おいしいがめ煮を作るためには、干し椎茸をケチらないことが大事だと母から教わった。正直、干し椎茸はお手頃価格とは言い難い。でも、そこをぐっとこらえて奮発すると、2日分(1度にたくさん作るので次の日の分もある。なので2日分)の幸せが約束される。 高校1年生の春休み、学

          エッセイ+川柳「がめ煮」

          エッセイ+川柳「ピースごはん」

          1年で1番好きな季節が今年も来た。桜、藤、ツツジ、蜜柑、等々、さまざまな花が次々と咲き、新緑のあの独特の匂いがして、風が気持ちがいい。草木や花の生気を感じながら散歩するのはこの季節の何よりの楽しみだ。 ピースごはんを炊くのもこの季節の楽しみの1つ。ピースごはんを炊く楽しみは、さやにおさまったエンドウ豆の愛らしさを愛でるところから始まる。炊き上がる時の豆の匂いもよい。小さい頃はこの匂いが苦手だったのだが、金時豆、黒豆、大豆といった豆全般が好きになるにつれてこの匂いが好きになっ

          エッセイ+川柳「ピースごはん」

          川柳5句「春」

          春だから年齢が点滅してる 天麩羅の衣に春は擬態する 春以上春未満の関係 春の曇天を汁ごと飲んでやる 快晴の心で春に売る喧嘩 /白水ま衣

          川柳5句「春」

          川柳5句「why」

          何で?って訊く人間の振りをして 節分の豆の数だけ豆がある 手の鳴る方へ行けどもついに見えざる手 春が来て解答が怪盗になる 何で?って訊かない鬼という孤独 /白水ま衣

          川柳5句「why」

          川柳5句「満月を裏返す」

          イマジナリーフレンドだった過去がある 本当でも嘘でもなくてイチゴ味 QRコードのような顔になる 隠れん坊を本気でやってはいけません 満月を時々裏返す係 /白水ま衣

          川柳5句「満月を裏返す」

          川柳6句「非課税の声」

          前人未踏の誰かの初夢 静寂を炭酸で割るように朝 書き順を間違えても新年 沈黙は鐘の音よりも雄弁 沈黙の主語は二交代制 神様、と呼ぶ。非課税の声で /白水ま衣

          川柳6句「非課税の声」

          川柳5句「空港の舌」

          空港になるなら春はやめておけ 空港と耳の共通点 空港になりたいアサリがひらかない 空港の舌を誰もが見ない振り 泣けよ缶コーヒーを空港として /白水ま衣

          川柳5句「空港の舌」

          川柳7句「都市アンド伝説」

          都市伝説の都市のほう ラメ入りの伝説となる 知らない都市として過去がある ポイントを都市伝説と交換す 輪郭に栄養あるから捨てないで 根も葉もある都市伝説 3秒ルールを都市と伝説に分けて食う /白水ま衣

          川柳7句「都市アンド伝説」

          川柳5句「昨日は明日」|Twitter句会『さみしい夜の句会』投稿作品【2022/11/14-11/19】

          空港ピアノの昨日は明日 天狗の鼻を拾って歩く 透明は最も難解な言語 如何なるドアも優しいデジャヴ 青空を釣り上げたような沈黙 /白水ま衣

          川柳5句「昨日は明日」|Twitter句会『さみしい夜の句会』投稿作品【2022/11/14-11/19】

          川柳10句「マンダラーズ」

          サルトル的なうまい棒 家系図のここから上はサラダ味 曼荼羅に元々羽は生えていた ひよ子と共に消えた曼荼羅 飼い猫であり曼荼羅である 曼荼羅に箸は要らない 裏返すと犬になる曼荼羅 おれはジャイアン又は曼荼羅 ドトールで拾った鼻紋 精神的なプリンター /白水ま衣

          川柳10句「マンダラーズ」