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②猫かえってこねぇぇぇ!

猫かえって来ない、二週間目。

ペット探偵雇うも、そもそも依頼が失踪から7日経ってたからか、
進展なし。
だって、近所にいたあの子がうちの子だと思ったんだもん。
まだおうちに帰りたくないときに逃げるあの逃げ方で逃げだんだもん。
うちの近くに、あんなにうちのに似た子がいるなんて知らなかったんだもん。
言い訳はめぐる。自分でも探す、進展ない、体調悪い、したいこと、しなくちゃならないこと、ある。

祖父母が信仰を持っていた人だったからか、普通に迷信深く育った。
そして、人外の力を、確かにあらたかに受けていた。祈ればたいていのことは叶った。私は運がいい。こうなるだろうという予測はたいていその通りになった。
この力がなくなったのはいつからだろうか。
グアムで、90パーセント見られるはずのイルカを見れなかった時か。

ペット探偵の依頼を迷っていた時に、予約したことも忘れていた資料が届いたと、図書館から連絡があった。表紙には、うちの子を思い起こさせる猫の絵があった。胸が痛んだ。
本なんか読んでる気分じゃないはずだったのに、読んでみたのはなぜかわからないが、短編集の一話目が、失踪した猫iを探す話だった。
読んですぐ探偵を雇った。
”チラシ撒いて、目撃証言も集まってるので、時間の問題かと”
探偵氏のラインの文字もむなしく、まだ成果は出てない。

先日始まったドラマのように、私のもとにも、
3000年の過去から中国の天才軍師がいてくれたなら。
もしくは、運が最強に強かったと信じられていたころの自分なら、なんと言うだろうか?

◆怖い犬とか意地悪な人に追いかけられた→普段から外に出ている猫であり、土地勘がある。犬、人が来られない安全な場所を知っているため、パニックを起こして遠くに逃げる必要がない

◆他の猫に追いかけられた→普段から外に出ている猫であり、近隣の野良猫とは面識がある。また最近よそから流れてきた猫も見ないので、その可能性は排除できる

◆遊びが楽しすぎて、帰りたくない→ありそう。その場合、帰ってこないのはけしからんが、問題なし。

◆閉じ込められた→臆病なので、知らない人が出入りする場所に好んで入るとは考えにくい。

◆考えたくないけど・・・・考えたくないので、排除。
またその場合は、もはや打つ手がない。

上記から、やはり近隣にいるものと思われる。
出てこない理由はわからないが、引き続き、
◇名前を呼びながら周辺を探す。
◇チラシを撒く、近所の人によびかける を続ける。

ありがたいことに、この20年くらい、商店街の人とか、町会の人とかと仲良くしていたので、みんな同情してくれるし、協力的!
一人で探し始めたときは、本当に孤独だったけど、社交辞令でも
”心配やな”、”きっと見つかるで”という声をもらえるだけで、本当に救われる。

私の運は悪いのかもしれない。
でも、うちの猫の運はいいのだ、きっとそうだ。だから信じよう。
私の、ではなく、”彼女の”運の強さを。
神さま、どうかうちの子を無事に返してください。

返って来い、猫、帰って来い。



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