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6回目のインテ

2010 11 12 2018夏ときて2020/1のコロナ直前以来の関西入りです。もう結構自分では関西に行くのも慣れた感じで始発で大阪に行って月火と京都に泊まるというのが定番な感じになっててほぼそれを崩してないような行き方。

…前回は既に父親が脳出血で倒れて急性期を抜けて療養病院に移された後でもう何も手を尽くせることがなくいつ死ぬかわからないといった状況の中での話で、まあ、こんな時に行っていいのかという中での強行でしたが。
今回も最もコロナ7波がピークだった夏コミ直前くらい…サークルチケットも来るか来ないかそもそも圧力に屈して旅行自体キャンセルになるのかみたいなギリギリの時期でしたが、もうここを逃したら永遠に休止状態から抜けられなくなりそうな気がしてほぼ強行状態です。
赤ブーといえば19/10の台風騒動であれやこれやあった時、私自身は既に一時活動休止状態にあったので参加してないですが、あれは都内で上京してくる人が多い中での欠航なり都内に入れないなりの状態で。その週の月曜日にはまだ開催予定でホテルとかキャンセルの限界日を越えてから中止になった…ということがありそれが赤ブー的にもトラウマなのか今では秋の大イベントだったはずのSPARKも何故か12月に分割されたプチのうちの一部だけという感じでやることになり、ますますコミケ外でみんなが集まれるはずの大型オールジャンルの意味というのが薄れつつある…という中での、SCC関西でした。

実際女子の場合結局お気に入りキャラのAとBみたいなカップリング創作が(女性というものが基本的に生物的な意味でカップリングになるまでの過程とかその後とかどういうわけかABの子供ですみたいな想像妊娠物と幸せ家庭図みたいな創作まで含めて)なんとなく多くの女子にはシンプルに遺伝子レベルで受け入れられるものなのか、取り敢えずそのジャンルにハマったらABプチ開催までを目指すのが全国大会みたいなところがあるようで。しかし目指すまでもなく矢継ぎ早に赤ブーがそのABどころかBAゴリ押しでプチ開催!BCも同時開催!とかやるものだから、プチがないカップリングはその恩恵には全く預かれないし、まるでどこかの赤ブーが推すカプに所属してないと肩身が狭いかのような参加となったりして、普段ひっそりやってる自分の好きなカップリングをいわゆるハレの日に公開するというよりは、みんながこのカプで集まるから一斉に集まろうよ本出そうよみたいな主催者側の主導による好きやブームが勝手に決められてしまってるような中でやる同人活動の方向性に最近はなっている気がします。

悪いことではないとは思いますが、みんな一斉にそれを描けば結果としてジャンル寿命を縮めていることにもなりかねないので良し悪しかもしれないと個人的には思うこともあったりなかったり。大分同人の元の定義(日々細々と努力しながらやっている活動をイベントというハレの日に発表するといった文化祭の研究成果や出し物の発表的な側面)みたいなのからは大幅に外れてきているというか、売れるか売れないかで判断し他人と競い合うようなお店ごっこ的なやり方が、より以前にも増して商業主義的になったなとは感じるというか。不況が続いているせいでより売れるもの売れるものという感じでギラギラしながらやってる人やどう見てもカタギじゃない人や作風が界隈全般を見ても増えてきてるというのは活動が純粋な心からの発露ではなくある種の下品さを孕みながらのサバイバルのような側面を持つ創作ということですが、それもまた一時代の文化ということで。世の中の人が平均的に金銭的に心にも落ち着きがあって豊かでもっと穏やかに活動でき物が売れるという時代がまた来たらいいと思うんですが、まあ今現在は残念ながらそうではない、と。

元々企業イベントなのでより集客力や儲けがあるようなやり方をしていかないといけないのはコミケと同じなのかもしれなくて必然的に今はそういう時代でそういう中で同人誌も作らなければならないのかなという感じもして、普段からあまり人がやらないようなことばかりやっている私としてはいかに世間が欲しがるものと自分が描きたいものが一致できるかというのはいつも課題なんですが、結局最後は自分の好きかどうかで決めてしまうところがあるので、飽きるまであるいは次の何かに強烈にハマるまでそれをやってくみたいなところはここ10年くらい自分の中では変わらないブレない景色のままやっている感じです。

そんなわけで今回もまたどこかしらでプチがあるわけですが、前日くらいにNAVIO(WEBサークルカタログ)見たら自ジャンルで言えば3サークルくらいを除いてあとみんなBLな上に大半が何某かのプチとして出ていて他が全くないという異様なオールジャンルだったこと。そこまでサークルが大阪には出ないのかそれとも東京ならもっと多種多様に集まるのかという話で。ちょっと前なら大阪も第二の東京並みたいな感覚はあって、コミケ落ちてもインテがあるからいいやというくらいの代替え策のような機能はあったはずなんですが。暫く参加していないうちに露骨なほどカプで纏まったような出方になっていました。

実際現地で話してくれた方もみんな東京へ行ってしまうみたいな話をされていて(あるいは大阪を出られないタイプなのでここしか参加できないが周りはみんな行ってしまったというような)。そんなに酷いのかと衝撃。関西人は東京の人間より金銭感覚に鋭いとか経済を厳しく見ているところはあるのですがその関西人が地盤でホームなはずの大阪を捨てて東京へ行くようなことがあるのかとこちらもこちらでまた大変そうな様子は伝わってきたというか。
…なんだ、それじゃ私のように今時何も考えずわざわざ関西にまで営業というか行商しにいくとか今じゃレアキャラなんでは?というか、よう来てくれはりましたなぁ東京みたいなド田舎からおこしやす(ゆっくりしていってね)。みたいな感覚に変わったわけだろうかなどと。
今までだったら「まず大阪で名前知られとらんといくら売れてる言うても全国クラスとは言えへんで」とか「大阪で知られて漸く一流」とかなんとか粗塩なこと言われてたのに…という感じだったのに、今回は東京方面から来る人間がまるでこのコロナ禍(私は後ですが)貴重なお金落としにきてくれた人みたいな扱いをそこかしこで受けたり。…いや本当に時代が変わったなあ…

そんなわけで暫くぶりだったので設営前にハンドメイドサークルさんのところをふらふら設営中にも関わらずチラチラしに行って話しかけてもらったり取り置きをお願いしたりとか。珍しく物販へ行ったらクレカが使えないのに大量買いしてしまうとかで泡吹いたとか(最近現金を持ち歩かないんですがこの他関西ではモバイルSuicaのようなものが今のところないせいで関東よりもキャッシュレスが浸透していないというような事情を把握してきたりと)、色々学んでくることや楽しいことがありました。
うちはもう色々あって現金持ち歩かないことにしてるんでお会計は最低でも交通系IC持ってきていただけるとありがたいです、ハイ。

再び昼過ぎに出て行った時は6号館や3号館も見に行ったんですが中庭などは結構人が隙間なく動いていて多いには多いんですがサークルスペースはかなりまったりしている感じで。それほど大量に買い込んでいるといった人も見かけなかったのでお目当てを数サークル友達同士で回っておしまいというのは東京と同じような感じなのかなという気はしましたが、うちに来てくれた方(サークル男子)が言うには「赤ブーは活気があってすごくいい」と言うことでした。…いやいや青ブー何やってんの。そんなに厳しいのか…と言うわけで男子の方は二次が衰退してみんな東京か一次に行くみたいな話は証左があるっていうことらしく。コロナ後の世界観として大幅に変わってしまった一つの話として考えさせられるようなことが聞けたのが一定の収穫だったと思っています。

まあ、というか、男子向けの場合は電子や自炊やら違法DLという合理的な萌え吸引の仕方が流行って本という無駄な紙文化が残るのは女子の方だけになってしまうのは仕方ないというか一部自業自得ではないかとも思うんですが、女子向けが残るのは既定路線でかつ本という状態で欲しいという人のために全廃までは行かずとも減るだけ減って何処かを下限としたまま横這いに推移していくのかなと思います。
今までのような大量製作大量廃棄といったやり方は少しずつ廃れていきそもそも数に限りがあるとかイベントに来た人にだけ付加価値(書店で買うより安いとか、会場限定本が買えるとか、おまけが付くとか)があるという方向になっていくのかなと。
ただ毎回すぐ完売するともうここは買わない買えないという感じで人が離れて行ってしまうので切らさない程度に作るとかいうのはある程度は大事でその見極めは…コロナ後のイベントにおいてはコミケ同様かなり難しくなったのではないかと思います。まだ書店に卸して以前と比べてどう変化があったかの実験(コロナ後)をしていないのでなんとも言えませんが、こういうのは結局自分の目で確かめるしかなくて、大阪へ行ったことも状況を知る手段としてよかったと言えるんじゃないでしょうか。

それにしても中々娯楽産業の回復は厳しいなというのが率直な感想です。もうそろそろ回復してもいいんじゃないかと思ったところに戦争始まったり物価高だったり株安だったりするものですから。
でも結局最後はなんだかんだと続けることに意味があって辞めるのは簡単。辞めずにどう以前と同じ水準に近い形で続けていけるかということなんだと思うので、これが今流行りの持続可能ななんとかっていうやつなのだろうとかどうとか思ったり思わなかったり────
…というわけで次回は書店委託について語ろうと思います。


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