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点光源 - FAN Interviews -

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チャゲアス、そしてASKAの音楽はどんな人達に愛されているのか。ファンという存在の輪郭を描き出すインタビュー集です。
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「好き」の輪郭が見えるインタビュー連載 《点光源》 を始めます。

新しい企画のお知らせです。 「点光源」と名付けてみました。ASKAの音楽を愛する人たちへのインタビュー連載です。 これまで雑誌やWEBなどで読めるその手のインタビューは、著名な方々のものが多かったと思いますが、この企画では基本「ごく普通のファン」の方々へのインタビューを載せさせて頂くつもりです。 「ごく普通の」って、便宜上使っているのですが、考えれば変な言葉ですよね。 人は皆まったく違う人生を歩んでいるのに、その人を知ってる人の数が多ければ「著名」、少なければ「ごく普通の

《点光源 #10》 今この時代、アーティストとの心地よい距離感とは?

昨年の3月。私は「『はじまりはいつも雨』を語ろう。」という企画に取り組んでいた。ASKAの代表曲でもある「はじまりはいつも雨」について、その発売30周年記念日にファンでもファンでなくても大勢で一斉に語れるよう、noteとTwitterの連動企画を仕組んでいたのである。 ASKAさんがTwitterを個人で始められたのがその前年の春頃だっただろうか。音楽とはまた別の糸口ができたことにファンとしては狂喜し、毎日Twitterを開くのが楽しみになった。 ところが不思議なことに、

《点光源 #9》 チャゲアスとプロレスと、そのピュアな音楽人生。

ASKAファンの方々とつながると、時にとんでもないことが起きる。 界隈から”狂犬”として名の知れるシナモンユウジさんからTwitterにDMが届いたのは、ひと月ほど前のことだった。 『Pure』というバンドの真似事を始めましたので、ぜひフロントマンにインタビューをお願いさせて頂きたく… 随分ともったいぶった文面を読むにつけ、ユウジさんの日頃の暴れっぷりを知ってる私は逆に怖かった。 Pure。 ユウジさんを筆頭に、ポエやまさん、まみさんという、チャゲアスを介してSNSで

《点光源 #8》 韓国とCHAGE and ASKA、私の人生を作るもの。

Romiさんという女性が、今回の主役だ。 彼女と私がSNS上で出会ったのは、今年の春のことだった。出会ってすぐにいくつかの共通点を知り、互いに嬉しくなった。 共に年齢が近く、小さな子供を育てていること。 思春期にCHAGE and ASKAの音楽にどっぷりとハマり、最近もよく聴いていること。 さらに、彼女が最近、働きながらもセカンドキャリアとして韓国書籍の翻訳家を目指し始めていると知った時には、俄然興味と尊敬の念が生まれた。 今年、翻訳家への登竜門である賞に応募された

《点光源 #7》 応援のプロは、この社会を豊かにする。

犬山翔太さん。 チャゲアスの情報を調べていると、必ずどこかで彼の名に行き当たる。 そして、もし「この世で最もチャゲアスに詳しい人は?」と聞かれたら、おそらく私は犬山さんの名前を答えるだろう。 詳しいと言えば、「クイズ王」的な派手でマニアックな人物像が思い浮かぶ。だが犬山さんの印象は、それではない。 どちらかと言えば、ご自身が造り上げた広大な「チャゲアス・ライブラリー」の中を静かに歩いていて、道先案内をしてくれる親切な司書のようなイメージである。 私が初めて彼の名に出会った

《点光源 #6》 ファンとは、貰うだけでなく刺激を送るもの。

連(むらじ)さんに出会ったのは、'17年のことだった。 「nobody but you」という、ASKAの”非公式”ファンサイトの運営者。 「ASKA ファンサイト」と検索をかければ上位にヒットし、英・中・韓国語にも対応し海外ファンへの門戸も開いていたそのサイトは、まさにASKAを世に知ってもらうための一つの入り口になっていた。 メインは動画や音源の紹介であったが、中にはASKAの独特な歌詞世界を紐解くような記事も多くあり、私はその中の一つに非常に心打たれ、思わずメールを

《点光源 #5》 YouTubeにぶつけてみたエレクトーン人生。

エレクトーンという楽器は、日本中で知らない人がいないほどにポピュラーな楽器である。 だがその奏法、そして生み出される音楽の可能性をご存知な方はどれほどいるだろうか? 私がその昔エレクトーンに触れていた頃は、ようやくフロッピーディスク内蔵型が登場したような時代。 それからおよそ30年、最近になって娘の付き添いで音楽教室を訪れた際に、先生がデモンストレーションして下さった「ジブリメドレー」のゴージャスさには腰を抜かしそうになった。 その再現力、音の厚み。 一人でここまで演奏で

《点光源 #4》 遅れてきたシンガーソングライター。

aimoさんというチャーミングな女性。 彼女は透き通った声でオリジナル曲、そしてチャゲアスやASKAのカバー曲を歌うシンガーソングライターだ。 彼女とはTwitterで出会った。 スラリとした黒髪の美女がごついギターを抱えて歌っているだけでも心惹かれるのだが、私が楽しみにしているのは彼女の日常ツイート。 ユーモアの中に密かに隠れた悲哀、そして音楽への探究心たっぷりのツイートに惹きつけられる人は、ASKAファンに限らず多いかもしれない。 そのaimoさんだが、なんとギターを

《点光源 #3》 流浪の役者人生、大きく根を張るCHAGE and ASKAの音楽

俳優という肩書きの田中健志さん。 恐れ多くも私が彼を知り興味を抱いたのは、Twitterにて「役作りにはチャゲアスの曲が欠かせない」という趣旨のことをつぶやかれていた時である。 え、どういうこと? よくよく想像してみたのだが、どう「欠かせない」のか、演技素人の私にはどう考えてもわからずじまいである。 それから私は、彼のツイートを楽しみにするようになった。 つぶやきから垣間見えるのは、日々のトレーニング記録や映画祭の審査員としてのご活動、そして俳優としてのポリシー。 いつも

《点光源 #2》 こんな世の中で、音楽を作るということ。

野井洋児さん。職業は音楽家だ。 ASKAの音楽を愛する人達へのインタビュー連載《点光源》、二人目はこの方にお話を伺おうと思っている。 接点が生まれたのは、野井さんがご自身のブログでCHAGE and ASKAの音楽がどのようにすごいのかを詳しく書き記されていたからだ。 その後、野井さんとはこのnote上で《プロのオフトーク》という、本当にオフトークと称しておかないと大ケガするような対談を連載することになり、もう1年以上もの間、音楽についてああでもないこうでもないと楽しくお

《点光源 #1》 好きを形にして生きる人。

もぐらのもっくん。これがSNS上での彼の通称名だ。 お会いしたこともない。だが、ASKAファンという一点だけで彼と私はオンライン上で接点を持ち、深い会話を交わすことになった。 もっくんは、今年の夏に書籍の発行を控えている。 『We love...』というその本は、ASKAを愛する人たちが共同で作った非公式ファンブックだ。(7/16追記:本日より販売開始となりました!) 非公式ファンブック! 私にはそんなしっかりしたものを作るガッツは無い。 そんな気合の入った企画の発起人で