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新宿・高崎・小諸・小淵沢駅弁ルーレット

高崎駅から信越本線に乗車し、碓氷峠を超えて西に80㎞の場所に位置する小諸駅に到着。
高崎名物だるま弁当を浅間山麓南斜面の高台に建てられた、祖父母宅でお昼に食べる。
北の窓からは、浅間山、高峰山、黒斑山からなる浅間連山を仰ぎ、縁側からは国道18号を見下ろす。
さらにその下には千曲川沿いを信越本線が信州の長閑な田園の中を疾走する。
見晴らしの良い日は、南南東遥か遠くにに富士山も望むことができる。
昼食後、収穫前の近所の田んぼで蜻蛉を捕まえて遊ぶ。
たくさんのノシメトンボとアキアカネが風に揺れる稲穂に停まっている。
まれに大きく不気味なオニヤンマの襲撃にあったり、跳ねる稲子の反撃を受ける。
捕まえた赤蜻蛉は真っ赤なだるま弁当の空き容器に入れて、縁側でファンタグレープを飲みながら休憩をとる。
昼寝から目覚めたばかりの祖父が、このことを知らずにだるま弁当の蓋を開けてしまい、捕獲した赤蜻蛉は縁側から勢いよく逃げ去ってしまった。
束の間の楽しい時間はやがて終わり、まもなくボクたちは家に帰る時間。
太陽が西に少し傾いたころ、祖父の運転するブルーの日産サニーに乗って祖父母の家から国道へと急な坂道を下る。
道沿いには、一面に黄金色のススキ畑が広がる。
その先は信越本線の高架橋が見え、その線路沿いの道を進み、やがて左に曲がると小諸駅が現れる。
祖父にお礼の挨拶をし、小諸駅発の小海線小淵沢行に乗車する。
小海線は高原地帯を走るローカル線で、1時間に2本ほどしか走っていない。
ボクたちが乗った電車が発車すると、列車はスピードを上げて走り出す。
窓の外には、どこまでも続く田園景色と山々が見える。
ボクたちの住む町では、なかなか見ることのできない光景だ。
しばらく進むと右手に八ヶ岳連峰が見えるようになる。
そして清里や野辺山の町並みが続く。
この風景を何度も経験しているが、季節ごとに表情の違う車窓から見える風景にワクワクしている。
まもなく小海線の終着駅。
標高1450mの小淵沢に着く。
ここから中央線に乗りかえ、新宿へと向かう。
帰りの列車からは、西日に照らされた富士山を望むことができた。
小淵沢駅で下車し、駅前にあるスーパーマーケットで買い物をする。
いつもこの店で夕食の材料を買うため買い物をする。
この日もいつものカレーライスの材料とお惣菜のコロッケである。
この後中央本線に乗り、普段の日常生活へと少しずつ溶け込んでいき、いつの間にか日常が戻ってくるのである。

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