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元気な服に飲み込まれない、自分になる。

身につけていて落ち着くのはボーダー。青や白そしてベージュ。そこに加えるのはデニム。オーバーオール。いわゆるベーシックと呼ばれる服装が好きだ。そんな中に先日、元気な新入りがやって来た。とびきり元気な花柄だ。(最後に写真あり)

昨日の記事で紹介したサイキさん主催のセレクトショップで出会った花柄のトップス。「柄はかわいいな。でも私が着るには派手だな。」そう思いつつ服をめくっていた。そんな私を見て、彼女が「1回着てみてよ!」と声をかけてくれた。きっと「着てみなよ」だったら着なかったと思う。その言葉は私へ選択を委ねられているから。今思うと彼女の言葉が「着てみてほしい」だったから、袖を通してみようかと思ったんだと思う。彼女に求められたから、着てみようかって思えた。ちょっとした言葉の使い方で人の気持ちは変わるんだと思うと、言葉ってほんとうに奥深い。

さて。いざ、試着。鏡の中の自分の派手さに苦笑。「や、派手すぎて落ち着かない!これはいつもの私じゃないし、買わないかな!可愛いけれど。」そんな気持ちで試着室を出る。しかし、会場へ戻ると想定外の展開。

会場にいた人(スタッフ・お客さん)が口を揃えて「似合う!!!」と笑顔なのだ。想定外の反応に面食らう私。(えー買わないって固く決意したのに、ゆらぐじゃないか)

ただ、その褒め言葉がお世辞じゃないと肌で感じるから余計に困惑。それでも私は「や、やっぱり自分には派手かなと思って…(しりすぼみしながら)」と後ろ向きな発言。そんな私へサイキさんが一言。

「こんなに似合っているんだから、
服に負けないの!」

今までの常識をガーンと打ち砕かれた気がした。今までは自分が弱っていたこともあって落ち着いて身につけられるものや落ち着いた色味ばかりを選んでいた。ああ、そういえば、このセレクトショップの裏コンセプトは「いつもの自分なら選ばないものに出会う(いつもと違う空気を自分に取り込む)」だった。

迷っていたけれど、しばらく着ていたらなぜだか最初から着ていたかのような気分になってきて、(実際途中から来たお客さんに「え!それ売り物だったじゃん!馴染みすぎてて気づかなかった!とまで言われる始末)サイキさんとその場の空気に背中を押されて購入し、田舎へえっさほいさと連れ帰った。

いのいちばんに夫にお披露目すると、案の定目をまんまるくして驚いていた。でも実際に身につけていると不思議と派手さが和らぎ馴染んでいるのを見て、夫はまたおどろいていた。

今日もその花柄をニットの中に仕込んで夫と買い物へ繰り出した。やっぱり着る時には元気すぎてまだちょっと腰が重い。自分にしっくり馴染むまでは時間がかかりそうだ。なんだか花柄トップスさんに着られている気もしている。(さん付け)

ただ、何回か着るたびに顔に馴染み、似合い始める不思議な感覚を感じている自分がいる。しばらく経てば、ワードローブの筆頭に躍り出そうな謎の勢いも感じる。

がらりと自分のもつ空気を変えたい時は、いつもと違う場所で買い物をすると新しい自分と出会えるかもしれない。その出会いが自分の背中を押してまた違う場所へと連れ出してくれるかもしれない。そんなワクワクを感じながら、新しい洋服に勇気を分けてもらい日々を楽しんでいこうかなと思う。

パンチのある花たち。ニットから
ちらりと見えると、とてもかわいい。

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