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【企画】切り抜き白鉛筆(2022.1〜2022.5)

お先真っ暗。

そんな私たちの足下を照らすのは、過去に灯してきた小さなあかり。

赤と白、それからオレンジ。』/白鉛筆

母と同様、多くの人がぺこらまについて語った。しかし驚くべきことに、ぺこらまに纏わる情報には、人により差異が見受けられた。先述の通り「どこにでもある」「ほら君のすぐそばに」と言う人もいれば、「多くのそれは偽物だ」「姿形を自在に変えるので、惑わされてはいけない」と指摘する人もいた。
「人の数だけぺこらまは存在する」と言われた日には、大いに絶望したものだ。それではこうして尋ねて回ることも、全くの無意味ではないか。仮に誰かが「これがぺこらまだよ」と示したとして、それが私にとってのぺこらまである保証はどこにもないのだ。

ぺこらま』/白鉛筆

嘘ですごめんなさいトモ君は知っていますあずまいちごです。

背徳のエンドロール』/白鉛筆

「だってさ、一緒にいたじゃん。あんたに合わせるのはつらくてめんどくさかったけど、それでも四人で駄弁ってマックとかカラオケ行ってあと夏休みに海とか行って。そうやって同じ時間を過ごしたのは嘘じゃないじゃん。でも美雪がいなくなっていきなり髪型変えたりしちゃったら、なんかそういうのも含めて嘘でした偽物でしたみたいな感じになっちゃうじゃん」

PINK BLOOD』/白鉛筆

まさに「忙しい」という字に表されるように、心を亡くした。慌ただしい生活の中、そう感じていた僕だけれど、多分そうじゃない。
僕自身が気付く余裕を無くしていただけで、僕の心はちゃんとここにある。こんな状態の僕でも、ちゃんと誰かを思いやったり、そういうことがまだできる。

そんな風に思うと、ふと涙腺が緩み、電球のオレンジ色がじんわりと滲んだ。

パイナップルマンの跳躍』/白鉛筆

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動画サイトで見かける『切り抜き』なるものを、自作の文章でやってみたものです。

第一弾はこちら
第二弾はこちら
第三弾はこちら
第四弾はこちら

タイトルから作品に飛べるよう、リンクを貼っておりますので、もし気になったものがございましたら、覗いてみていただければ幸いです。

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