【掌編】小雨極細微炭酸
文芸部に入ったのは、失敗だった。
中学時代は帰宅部で、高校に入ったら何か部活を始めようと決めていた。とは言え運動はからきし。かつて新聞のジュニアコンクールに応募した詩が入選した経験があったため、学びを深められればと、文芸部の門を叩き入部した。
ろくに見学もせず、届を出したのが間違いだった。活動と言えば、放課後集まり好き勝手に本を読んだり文を綴ったりするだけで、しかもそれをしているのは少数派。半数以上は流行りの漫画やアニメを槍玉に上げ、推しだの萌えだの尊いだのと意見交換に勤