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北海道一周サイクリング 準備編 


去年の失敗

2022年の8月に私は北海道一周に挑戦して失敗に終わりました。
下のツイートを参照。

この時は北海道を大まかに一周する2000キロのルートを7日で走ることを目標にしました。結果は消化不良により5日で1400キロほど走ってリタイヤ。5日目はろくに食べることもできない状態で23時くらいまで走り稚内にたどり着いたのでした。この日以上に走るのがキツいと思ったことは今までに無いですね。それくらいに肉体的にダメージが大きかったですし、何より無念のリタイヤを強いられたのが辛かった…。いつか必ず北海道一周をリベンジしようと決めたのでした。

リタイヤを決めた瞬間にいつ再挑戦するかは決めていました。1年後の夏、まだ学生で時間があるうちにやろうと決め、今回の挑戦までの1年間で準備してきました。記事にはしてませんが、富士⇔糸魚川間でCtoCtoCをやったりエべレスティングロームをやったりGWに下関から糸魚川までの1000キロを走ったり…。日が経つのは早いものであっという間に学生最後の夏休みに突入。
ここで今回のライドの結果を言いますが、時計回りで2297キロを182時間45分(7日14時間45分)で完走できました。

今回のライドも前回と同様に走行中は観光らしい観光はせず、1日の間に走れるだけ走り出来る限り早く1周するスタイル。自分の限界に挑戦するライドです。そして一周中はずっとテント泊。温泉と洗濯は3日に一回ほどで、非日常を十分に満喫できました。

前置きが長くなりましたが、今回は北海道一周に持っていった装備やルートについて備忘録としてまとめていきます。

自転車

今回私が使った自転車はいつもと同じくジェイミスのレネゲードS2 2021年モデル。鉄フレームのいわゆるグラベルロードです。エべレスティングから24時間で500キロ弱走ったライドも全てこの相棒と共にしてきました。今回は舗装路しか走らないということで28Cのアジリストduroのクリンチャーを付けています。ホイールはshimanoのRS770。ちなみに下の写真の状態で重さは18.5キロほどあります。

細かなバッグを付けて重量を分散させるスタイルで、サドルバッグ、フレームバッグ、フロントバッグを装着。特徴的なのはDHバーを付けていることとフルフェンダーであることです。
DHバーはライザーキットを用いてかなりアップライトなポジションにすることで空気抵抗削減よりも長時間乗るうえでの快適性を重視しています。
泥除けに関しては前後装着し、前後とも水しぶきの防御範囲を増やすべく自分なりに手を加えています。ぬれた路面を走ると、降ってくる雨により体が濡れるのではなく路面を走る時に巻き上げた水しぶきで濡れることが多いのでその対策です。
最後にもう一つこだわっているポイントはサドルをセラアナトミカX2にしている点です。これは革製のサドルで重量は420gとかなり重いものの、体重をどっかりと乗せて走ってもお尻が痛くなりにくいのが特徴。僕の中ではロングライドでは欠かせないアイテムですね。もちろんシートポストはオフセットしてる物を使ってます。たわみが衝撃をいなしてくれるので。

持っていった荷物

僕が今回持っていった荷物が下の写真です。

左からフロントバッグ、フレームバッグ、サドルバッグです。具体的に中に入れていたものを下に記します


フロントバッグ→テント(モンベルモノフレームシェルター)、エアマット(クライミットInertia X Lite)、寝袋(プロモンテの盛夏用)、湿布、某お手製超軽量輪行袋、エマージェンシーシート
フレームバッグ→日焼け止め、プロテクトJ1、ジレ、反射ベスト、ヘッドライト、補給食(主に菓子パン)、テントポール、ポケッタブルリュック、殺虫スプレー
サドルバッグ→就寝時や輪行時に着る半そで短パン下着、手ぬぐい、雨具一式(ノースフェースのクライムライトジャケット、モンベルのサイクル レインパンツ、テムレス、モンベルのシューズカバー)、モバイルバッテリー2つ、ロキソプロフェン、マキロン、予備スマホ、イヤホン、薬や絆創膏類、鍵、小分けにした全身シャンプー、汗拭きシート、歯ブラシ


走る中で都合が良いように入れる場所を変更することもありましたが大体こんな感じに荷物を収納していました。モバイルバッテリーは走行してる8日間は宿に泊まらないため、40000mAh分持っていたのですが予備スマホを持っていたこともあり30000mAhあれば十分な気がしました。サイクルジャージの着替えは持たず着ているもののみです。イヤホンは野宿において重要で、車のエンジン音を遮音するのに一役買ってくれます。シュア掛け出来る有線イヤホンがおすすめですね。

ルート

今回は函館発で時計回りをずっと走るルートです。去年は反時計回りだったのもあり今回は海沿いを走りたかったので。ルート作成は海岸沿いの道の駅の場所をチェックしながら行いました。というのも今回は道の駅にテントを張って仮眠をしようと考えていたからです。
ここからは各日のルートを紹介しつつ、軽くその日の感想も書いていきます。それぞれの日の詳細について別の記事でまとめようと思っています。

・1日目

1日目は函館から島牧村までの300キロ。北海道最南端の白神岬と最西端を訪れることがこの日のタスクでした。ところが最西端はどうやら舗装路で行ける場所ではなく、登山装備がそれなりに必要なことが判明。近くのトンネルの出口で写真を撮って満足することにしました。この日は天気が良く走りやすい一日でした。

・2日目

2日目は島牧村から留萌までの334キロ。天気は良いものの9割くらい向かい風で巡航速度はかなり落ちてしまいました。それでいてそれなりにアップダウンがあるんですよね、このあたり。ストラバによると獲得標高は3140mでした。さらに数キロの長さのトンネルがいくつもあり注意が必要な印象。向かい風とアップダウンによりジワジワ足を削られる1日でした。若干の疲労を持ちつつ留萌の道の駅で寝る準備をしていたところなんと同じ学年の日本縦断中の方と遭遇…!詳しくは別の記事で書こうと思います。

・3日目

3日目は留萌から稚内までの198キロ。本当はあと60キロ先の猿払村まで行きたかったのですが、昨日出会ったサイクリング部の方と途中まで走ったり、夕方から天気が悪くなってきたので予定変更。シャワーと洗濯をして寝る時間を早め、4日目のスタートを繰り上げる作戦に。初めてサロベツ海岸沿いのオトンルイ発電所の前を走ることができて満足な1日でした。

・4日目

4日目は稚内から網走までの334キロ。ただひたすら南下、南下、南下。
昨日の遅れを取り戻すべく2時前には起きて準備をしてスタートしました。本来なら20キロ先の小清水まで行きたかったのですが、今の自分の体力だとどうやら330km/dayが頭打ちな気がしており、早めに睡眠確保することに。翌日以降も走り続けることを考えると、どこで休みを入れるかがロングライドでは重要だと思わされました。

・5日目

5日目は網走から根室までの253キロ。知床は熊が有名。明るい時間帯に知床峠を通過できるように今までの工程を組みました。結果、熊と遭遇することもなく知床を通過できました。実はこの日のうちに最東端の納沙布岬に行きたかったのですが既に日は落ち、東からの風が吹き荒れていたため根室の公園で寝ることに。ここで今回2回目の温泉とコインランドリータイム。体と着ているものをリフレッシュして眠りにつきました。

・6日目

6日目は根室から大樹町までの300キロ。根室半島に行って最東端を訪問。去年の夏に走ったルートを逆向きに走っているので「そういえばこんな景色あったなぁ」と思う箇所がいくつもありました。どこかノスタルジックな気持ちに浸れると同時にそれがすべて自分の足で成し遂げたことだと考えるととても感慨深いものがありますね。この日で予定との遅れが埋まり、順調だと思われました。しかしそんな中、僕の体のある部分ではあまりよろしくないことが起こり始めていて…。

・7日目

7日目は大樹町から伊達市までの333キロ。この日は日本縦断中の後輩と付き添いの名大サイクリング部の人と事前にアポを取ってセコマでジャンをするなどしました。やっぱり同じようなことをしてる人たちに会うと気持ちが上がりますね。他にも大学の研究室の同期と苫小牧で会ったりと、とてもコンテンツ多めな1日でした。ライドも終盤になり、日が暮れてからは睡魔が私を襲いはじめます。

・8日目

この日はついにライド最終日。242キロを走りました。昼でも眠く、ただゴールすることだけを考えて気持ちを上げていました。さらに終始南東からの風が吹いており、巡航速度は一向に上がらず。ただ最後の40キロは自分自身も北東に向かうためここで追い風のボーナス区間突入。もう翌日に体力をキープする必要もない為、ラスト40キロは30キロ巡行で飛ばして函館にゴールしました。

最後に

なんとか目標としていた8日以内で北海道一周を達成できました。去年の失敗があったからこそ、今回は絶対に成功させたいと思って走りました。応援してくださった方々や道中お会いした方々の支えあっての達成だと思っています。

正直このライドの後に何をするかは全く未定で、すべてを今回の北海道一周で完全燃焼できればいいかなと思っていました。でも達成した後、もっと大きなライドをしたいなと思ったのも事実です。ここにきて学生延長したいなと心の底から思ってしまったり…(笑)
僕の北海道一周はこれでおしまいですが、この体験からいつかもっと長い距離をもっと早いペースで走ることを目標に自転車を楽しもうと思いました。
各日にちごとの記事も時間がある時に更新していこうと思っています。
ここまで読んでいただきどうもありがとうございます。

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