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長野市→仙台市を自転車で帰省してみた(実走編)

前回の記事でも書いたように僕は長野市→仙台市の480キロを24時間以内で走行することができた。今回の記事では実際に走ってる時に思ったことや考えたこと、走った後の感想などをつらつらと書いていきたい。

~スタート前の準備~

今回は24時間以上起き続けている必要があるので前日はかなり睡眠をとるように心掛けた。スタート当日は7時くらいに起きるが昼ご飯を食べたら13時には寝ておいた。リズムがいつもと違うので意外と熟睡は出来ないがそれでも無理くり目を閉じておく。19時半に起きてご飯を食べる。

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夕ご飯はコンビニ弁当。大体1400Kcalほどだろうか。ゆっくりストレッチをして20時30分に家を出た。

~深夜の碓氷峠を攻める~

ルート

長野仙台間の480キロを走るが、交通量が少ない時間帯に一度も走ったことのないバイパスをクリアしたかったので20時半に家を出発。スタートから80キロ地点に碓氷峠という長野と群馬にまたがる峠がありこれが今回のライドで一番大きな峠になる。日が変わるくらいに碓氷峠頂上に到着しダウンヒル開始。気温も出発時は9度の表示だったが群馬県境では0度かマイナス1度ほど。今回はそれなりに寒い時用のレイヤリングだったのでダウンヒル中でも寒いと感じることはなかった。しかしこの碓氷峠、群馬側は街灯がほとんどない。月明かりがあったおかげでところどころ山の形が分かるものの基本は真っ暗。それでもってカーブがとても多いためカーブごとにライトの角度的に進行方向を照らせないので本当に一寸先は闇状態笑。

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途中、路肩にカモシカらしき動物を何回か見かけた。本当に闇が深くて怖かったため歌を口ずさみながら下った笑。カーブごとに融雪剤を置いてある木製の机があるのだが、最初にそれを見たとき首のない動物が四つん這いで立ってるのかと勘違いしたくらいだ。

~峠からダウンヒル、日が昇る前に国道4号に出る~

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無事に街灯がある区間まで下り、物理的な一番大きな峠を越えてほっとする。18号を下って高崎に出てそこから小山市まで東に直線的に進むルートで走る。途中国道ではない場所も走ったり高速道路(北関東自動車道)の側道をICを避けるようにして走ることもあった。国道50号に出てからはバイパスが続く。深夜なので交通量は少ないものの大型トラックはそれなりに走っている。途中デコトラが追い抜き際にクラクションを短く鳴らして挨拶してくれた(笑)。暗い中ほとんど思考停止で淡々と走っているときにドライバーとのコミュニケーションをとれるのは目が覚めるし頑張ろうという気持ちになれて良い。

バイパスを自転車が走るのは規制されてはいないものの、高架橋を登らなくてはいけないのと後続車と自分がちょうど道路の分岐で重なってしまうときがあるのがストレスになった。昼間の交通量の多い時間帯を走るならバイパスを突っ切るのではなく一度下に出て走るのが安全だろうなと感じる。ただ信号を無駄に待つ必要があるのでそれもそれでストレスだ。

4号線に出るまでにすでにあたりは明るくなってきたが、日が昇る前に無事に4号線に合流できた。204キロ走行してのこり280キロほど。ここまでは本当にあっという間に感じた。普段寝てる時間だから時間の経過はあっという間に感じたりするのだろうか?普段サイクリングするのは長くても200キロくらいなので残り300キロ弱あると考えると少し気が遠くなる。

~国道4号をひたすら北上~

小山市に入り4号線を北上し始める。4号線は2つ並行するように走っており西側がバイパスのない道路で東側がバイパスのある新しい路線のようだ。僕は旧4号を走って信号に引っかかるよりは新4号のバイパスを通って信号に引っかからずに走りたいと考えた。ところが日が上がり始めるとともに交通量も増え、バイパスの旅に高架橋を走るのは難しくなり始めた。とはいえバイパスを下りて毎回信号に捕まったとしてもグロス平均は22前後を保っているので今回は良しとした。

300キロほど走ると那須塩原市を通過して福島県に入る。ところがここまで走ったあたりで両膝に少し痛みを覚え始めた今までの1日での最長移動距離はエべレスティングの310キロだったがあの時も300キロ走ったあたりで膝が痛み出した。今回も全く同じだ。太ももの前側を伸ばすストレッチをやると痛みはいったん引いてくれるので定期的にストレッチをしながら走った。またルートの標高を見ると福島県に入ったあたりから徐々にゆるくではあるものの下り基調になっている。膝にも負担は少なくなると思ったものの、実際はそう甘くはなかった。

福島の標高

上の写真を見てもらうと分かるが、100キロ走って250メーターしか下降しないので信号やちょっとしたアップダウンがあればほぼ平坦と同じようなものだったのだ。しかも300キロ走ってそれなりに疲れは出てきている。福島県に入ったら下りだと期待しすぎた自分が悪かった。膝に関してもちょっと痛みが気になって走りに集中できなくなってきた。そんなこともあろうかと実はロキソプロフェンを持参していた。コンビニ休憩の際にトイレで両膝に塗る。スーッと冷感な感じが疲れた膝に染みて気持ち良い。確かに1時間ほどは痛みが引いて走りやすかった。持ってきておいてよかった。

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ついでに効果の切れてきたプロテクトJ1もお尻に塗りなおす。股ズレ防止用として使う人が多い印象だが僕の場合、長時間サドルに座っているとモンベルのジオラインの生地が皮膚に食い込んでくる感じがするのだ。それを少しでも軽減したかったのでサドルがに座った時に荷重がかかる部分に集中的にプロテクトJ1を塗り込んだ。もちろん出発前にも塗っていた。

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ひたすら進む作業になるのだけど、初めて青看板に仙台の文字が現れたときはだいぶ近いとこまで来た感じがして嬉しかった。といっても130キロ先なんだけど...。そこから400キロ地点の福島市に入るまでは太もものストレッチを定期的に行って何とか順調に進むことができた。

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400キロ地点を出発してから20時間を切って通過! 何気にグロス平均21キロを超えているのが嬉しい。もっと早く走る人は沢山いるけれど、始めて走った400キロで20時間を切れたのはかなり嬉しかった。残り80キロだ。こう考えると仙台福島間って結構近いんだなと感じる。

~国見町の最後の登り坂、いざ宮城県へ!~

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420キロ付近に福島と宮城との県境があり、そこが福島側からだと100メーターほどの獲得標高のある坂になっている。登坂車線もあるがトラックがビュンビュン走っており、歩道もそれなりに綺麗だったので歩道を走行した。膝の調子も思ったほど悪化していない。坂を上り切ると残り60キロになるのだがここで少し気が緩み始めたと感じた。本当なら補給をちゃんとしたほうがいいような疲れ具合だが、60キロ程度なら何とかなると思い、コンビニでは少なくなったドリンクのみを補給して下り基調の道を下った。白石市まで来るとあとはもう走ったことのある個所に入る。それも相まってか少しペースが上がってくる。今まではどんなに走りやすくても息が上がらないように漕いでいたが、その時はちょっと意気が上がるくらいまでは回していたと思う。さらに400キロを過ぎたあたりから呼吸がうまくできなくなっていた。サイクリストなら誰もがなったことがあると思うが、息を思いっきり吸うとむせるような感覚である。よって深呼吸のような呼吸ができなくなった。小刻みに息をして何とか酸素を肺に送り込む。そんな感じでじわりじわりとゴールに近づいていく。個人的に一番きつかったのが残り20キロを切ったあたりである。ペース的に20キロなら1時間もかからずに走れるのに途方もなく長く感じた。信号に引っかかるたびにサイコンを見てはまだ500メーターしか進んでない...みたいな感じだ。400キロ以上走ってるのにラストの20キロくらいは本当に長く感じてしまう。そんなこんなで...

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ついに仙台、愛宕大橋に到着! 本当は仙台駅や仙台市役所まで行くべきだったんだろうけど、家族との待ち合わせ場所がこの付近だったし自ら交通量の多いところに突っ込んでいきたくなかったのでここでゴールとした。

走行距離480キロ、走行時間(グロス)23時間15分20秒、獲得標高2577m(ストラバベース)、真偽は不明だが消費カロリーは14175kcalとなっていた。実際はこんなに消費してないと思うけどな…。

今までの最長ライドが310キロでそれを大幅に更新できた。ちなみにその時のエべレスティングも23時間くらいかかったな(笑)。何はともあれ10代最後にこのような帰省ライドを無事に完走出来て嬉しい。

以上をもって長野→仙台市を自転車で帰省してみた(実走編)を終了とさせていただく。ここまで読んでいただきどうもありがとうございました!




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