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仕事を辞めた日

正確には、勤務最終日です
大切な気づきがあった日のことを記録に残します

この日は朝から元気でした
何たって最終日。もうやることは決まっていて最後は駆け抜けるのみ

しみじみする気持ちもありました
仕事が始まってから今日まで毎日ハードだったなあと
何がハードか?
緊急事態が多い、多い
「クライアントが飛び降りたらしい」「今から動ける?」
毎日のように緊急事態が起きる。
人の生死を左右することもあり、お昼ご飯なんて食べている場合じゃない
どこまで身を削っても「それが当たり前」で終わる世界
緊急事態がなくたって、クライアントの面接の繰り返しで心が休まらない
気づいたら夜で、帰って寝落ちする始末

「ああ、やっと終わる」

これが本音でした。
もうこの生活をしなくていいんだって

私の薄情な思いとは裏腹に、周りは私との別れを惜しんでくれました
「今までありがとう」
そう書かれたホールケーキがサプライズ登場
しかもショートとチョコ2つ!
すごくかわいいピンクの花束をいただき
普段は関わりの少ない方も、写真撮影までしてくれて

「寂しい」「まだ信じられません」
そう言って涙し、手紙やプレゼントをくれる人たちや
「しろねこさんならどこへ行っても大丈夫」
不安な私を励ましてくれる先輩
「本当に今までありがとう!」
職場を出る最後の最後まで、感謝で送り出してくれる仲間たち

「私のためにどうしてこんなに」
正直、これが一番に浮かんでいた自分
みんな自分のことに必死で、どんなに身を削っても「当たり前」だった
感謝されることなどないし、自分の価値も分からなかった
仕事には笑顔で応じ、身体は悲鳴を上げていた
「どうせ組織の駒でしかない」そうどこかで思っていました

「しろねこさんは、本当に心理職の素質がある」
一人ではなく、何人もそう私に声をかけてくれました
自分には価値があるんだと、少し報われた気がしました

本当は心の中でもっと認めてほしかったのだと思います
やっと認めてもらえた
だけどあんなに「当たり前」にやってきたもの
本当に素質があるんだろうか
そんな複雑な思いでした

「みんな優しいなあ」
家に帰って、薄っぺらい感情を呟くと
パートナーは私より嬉しそう

「あなたが素晴らしい人間だからだよ」
少しの迷いもなく、こう返してくれました

仲間と別れてから、じわじわとこみ上げる感情
やっと気づきました
大変な毎日をどうして乗り越えられたのか
いつもそばで支えてくれたのは誰だったか
私は一人でここまで来たのではない

皆さんが私を受け入れてくれたから当たり前のように居場所があった
いつも大変な時に話を聞いてくれたから安心して愚痴を吐けた
愚痴を聞いてもらえたから「また頑張ろう」と前を向けた
そして落ち込んだ時は当たり前のように手を差し伸べてくれた
最後まで苦しい時間を一緒に乗り越えてくれた
そして今、こうして温かく送り出してくれた

私は人に支えられて生きている
フリーになった今もそれは変わらない
皆さんに支えられている
見えなくても、聞こえなくてもそばにいる
確かにつながっている

心から、ありがとうを伝えたい

当たり前に埋もれた感謝を忘れないこと
大きな気づきをもらいました

あなたも一人ではない
私が気づいたように、気づけば周りに誰かいます
そのことをどうか覚えていてほしい

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