奢るか割り勘か問題

結論から先に書こう。私は割り勘がいいと思う。

説明する必要はないだろうが、一応背景から話す。これは巷で話題になっている「男は女に奢るべきか否か」論争に対して考える記事である。

まず、この問題の前提として、男女ともお互いを好ましく思っているが、交際に発展しない関係を想定している。また、当日の食事の振る舞いにお互いに不満がないという前提で話す。(相手に不満がある場合については後述)

私が割り勘の方がいいと思う理由は平等だからで、平等が人が行える活動のうち、一番正しいとされている行為だからだ。

まず、平等がいかに素晴らしいと思われているかという話をしよう。この世界に生きる人たちは能力も性格も全てが異なっている。

例えば、足の速さも人によってバラバラだろう。ここである足の早い人をレベル80とし、ある足の遅い人をレベル30とする。この場合、一番の理想は前者に+20、後者に+70の力を与える靴を使うことだと思う。そうすれば、全員が同じ自由を享受できる。

しかし、現実にはそれは起こらない。もともと足の速い人の努力や才能の価値を奪う行為だし、そもそも初期値が可視化されていない。一番の理由として、そんな人によって効果を下げる装置を誰が好き好んで使うのか?

結果、一番反論が少なそうという意味で全員が同じ靴を利用することに落ち着くと思う。つまり、全員+30という感じだ。これは平等で理想の世界ではないが、最善ではあると思う。

話を少し戻して男女の関係にトピックを合わそう。男女についても先ほどの同じ話が成り立つと思っている。男女は性格も違う、生理現象も、体力も違う。しかし、同じく扱って欲しいという声が近年高まっている気がする。となれば、結局落ち着くのは先と同じように同じ扱いを受ける平等である。

したがって、食事に関しても「割り勘が正義」みたいな時代が来る気がしているので、私はそれに賛成しているのである。


文章が短く終わってしまいそうなので、私が聞いた意見の中でおかしいと思うものをいくつか挙げる。

「女性は化粧をしているので、その分の努力やお金がかかるから、奢って」

言いたいことはわかるが、それはケースバイケースすぎないだろうか。男性だって100万の腕時計をしている場合もあるだろうし、女性だって1日にすり減る化粧の料金は安いかもしれない。

ここで重要なのは単純な金額ではなく、その行為が相手に強制されていたかだと思う。男性が「メイド服が好きだから着ろ」なら、お金を請求してもいいだろう。ただ、多くの場合女性のオシャレは男性が止めても自発的にやるものだし、その日の食事会のために行うものではない。したがって、それは強制よりは、自分の趣味により近いものであり、おごられることを正当化させる根拠にはなり得ないと考えている。

「振る舞に問題がある女性もいる。奢られるのが当然とか思うな」

それは前提が間違っていないだろうか?食事の時に迷惑な態度をとった人に対して、お金を払いたくないのは当然で、それは男女関わらず誰でもそうだと思う。

今回は、お互いが問題ない関係だが、それでも奢るか?奢らないかを議論しているのであって、前提に相手が嫌な奴とかを言い出したら元も子もない。

というか、この考えだと逆説的に美人で上品な人に対しては奢るべきで、そうでない人には奢らなくていいというなかなか歪んだ思想だと思う。少なくとも私の好みではないので、この意見には反対だ。




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