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17:50の部屋

17:50頃になると急に部屋が暗くなる。
冬は夕方ごろになると急に日が落ちる。

ライトを灯さないと、もうほとんど部屋の中が見えなくなった。
目が慣れてからは、ゆっくりと部屋の輪郭を擦る。

数分前までベッドで横になりながらTikTokを眺めていた。
今日するべき作業は終わっていたので、このまま瞼を閉じて夢を見るのもいいと思った。

ふと思う。

孤独だと。

私は特に悲観するべきような属性を持ち合わせていないし、この感情も対して大きなものではないという認識を持っている。

一般的な大学に問題なく通っていて、友人もいる。
ただ、誰にも会わない休日の夜には気分が落ち込む。

特に理由は無いが、「理由がない」ことが本質なのだと思う。
理由があれば解決しようと歩き出せる。
壁が高ければ越えようと、登ろうと闘志を燃やせる。

ただ、明確な理由が無いものとは無理だ。
人は幽霊を怖がれても、戦うことも襲われることもできない。

こんなことを下に沈むベッドの中で思う。
周りの空間が重力によって歪んできた。
もう少しで眠れるのだとぼんやりと感じる。

孤独を感じる一方で、これは感情だと俯瞰している自分もいる。
長い人生の刹那に、孤独を感じたことを面白く、喜べる自分もいる。

結局人は感情によって動き、感情は人が作っている。
このちっぽけな仕組みを感じて、私は少し嬉しくなった。

二階の部屋から一階に落ちた時、私は眠りについた。

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