アライグマの東進が止まらない
こんばんは、お疲れ様です。
北海道のアライグマがすごいことになっています!
15~20年ほど前、目立つのは道央圏(札幌の周辺)ぐらいでしたが、そんな状況は今は昔、現在は道央圏から北進&東進して、最前線は道北は稚内まで、道東は十勝地域まで目立つ範囲(高密度生息地)が拡大していってます。15年ほど前、道央圏のアライグマ被害はひどかったものの、峠をはさんだ十勝では被害はあまり目立たず、「アライグマは日勝峠や狩勝峠を越えない!」、こんなことを関係者のあいだで冗談で言っていたのがウソのようです。
注:アライグマはすでに全道で生息が確認されています。世界自然遺産である知床の核心部である知床岬でも、アライグマの生息が確認されているほどです。しかしながらアライグマの生息数には濃淡があり、オホーツクや釧路や根室といった道東方面はいまのところ低密度状態です。
水辺に残された無数の足跡
アライグマは水辺を中心に行動する性質を持ちます。そのため、アライグマの生息状況を確認するためには、水辺に足跡があるかどうかを確認していくのが早道です。先日、十勝地域のとある町を訪れたのですが、調査を行った橋という橋のほぼすべて、全10カ所以上で、アライグマ特有の5本指足跡を水辺に確認しました。橋という橋のほぼすべてです!どれだけ多くのアライグマが生息しているのか…調査を行った私自身がとても驚きました!こんなことになっているとは!
アライグマ前線の今後の動き
北海道発表の資料によれば、現在のアライグマ前線は、紋別~富良野~十勝あたりにあるようです(下図の赤線)。今後、この前線はどんどん東進していくことが予想されます。
大雪や阿寒といった山岳地域は、アライグマにとって生息にあまり適した場所ではないため、前線の動きの障壁になるはずです。今後を予想すると、紋別からオホーツク海に沿って網走方面に侵入してくるパターン、それから十勝地域から白糠あたりを抜けて釧路方面へ侵入してくるパターンが考えられます(下図の矢印)。今のままいけばアライグマ前線が根室や知床半島まで到達するのは、10~15年後になると私は予想しています。
アライグマが侵入した地域では、農作物や酪農への被害に加え、家庭菜園への被害や家屋への侵入、感染症の媒介といった負の影響が生じます。
アライグマ前線の動きを止めること、鈍らせることができるのかどうか、もしくはあっけなく根室や知床半島まで到達してしまうのか。
アライグマ前線を止めるためには、徹底的な捕獲が必要です。
北海道のアライグマ対策は正念場を迎えています。
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