【こうやって数字取ってます】音声動画投稿者+台本書きのアナリティクス入門

ご依頼いただいた台本で動画投稿された方が、投稿2ヵ月で5000再生突破されました。

動画は日々数十再生されているような状態で、継続的に伸び続けています。
初のシチュエーションボイス、登録者900名ほどからのチャレンジ、先日登録1000名も達成されているので、台本作成者としては「仕事した」感があります。

過去にも何度か記事を書いていたりするのですが、私は「登録者数に頼らずに数字を取るシチュエーションボイス台本の開発」をメインに様々な研究・実験・検証を行っています。
どうしてシチュエーションボイスなの? と聞かれたら

1枚絵+音声だけで動画が作成できて、最悪スマホ録音一発取りでも動画として成立させつつ、検索から新規視聴者の流入を狙えるから

だったりします。
動画=編集に手間がかかる……と、思われがちなのですが、じゃあ、編集なしでも通じるの何か作れないかなぁということで色々やってたどり着いた結論の一つです。
そのあたりの詳しい話は過去記事に書いてるので、興味がある方はどうぞ。

現在はShortsの台頭で動画に手を付ける人が増えましたが、一方でYouTubeの環境は大きく変わり、競争も激化しています。
そのため、今回はどちらかといえば上級者、本格的に動画を作る人向けの「数字の裏側・中身であるアナリティクスの話」をしようかと。

「再生数をとれるのにも理由がある」ので、どういう仕組みで動いているのか、アナリティクスのどの部分をどう見ればその仕組みが理解できるのか、その上で何をすれば改善するのかという数字の中身の話がメインです。
同時に、アナリティクスを知ると見えてくる小ネタなんかも公開してしまいます。

前置き:検索する人の多さ×クリックを誘発するキーワード×ライバルの少なさが再生数アップのカギ

さて、冒頭で2ヵ月ほどで5000再生を取った事例を紹介したわけですが、私の場合、登録者2桁から8000再生取った方とか、登録数百人から万再生突破の動画を複数本出した方とか、シチュエーションボイスを使った「再生数の取り方」に関してはそこそこの実績があります。

それにもしっかりとした数字上の理由があり、

登録者数の5倍~10倍の再生数を取っているシチュエーションボイス動画のタイトルやサムネイルを参考に、共通する要素を抽出し、ヒット要素と仮定して組み込みを行った台本を作成

自分でも投稿を行ってアナリティクスを確認しつつ、どんな特徴があるかチェックを続けたから

だったりします。
初期に関しては「ヤンデレが伸びやすい」以外の情報がなかったので完全に手探り状態で、YouTube検索で1万再生以上を取っている動画を片っ端からチェックし、登録者が2~3桁から伸びているかどうか、1000登録を超えている場合は過去動画もさかのぼって確認、共通点を探ることからやってました。

登録者が多い人がヒットを出すのは何の不思議もないので、登録者に困っている個人がマネできるヒット動画のパターンを把握することを優先したわけです。

結論から言えば、結果的にYouTubeのシステムの流れを把握することにつながりました。
登録者が少ない(正確には再生する人が少ない)場合、まず、YouTubeのシステム的なアシストを貰いにくい状態になります。
これは、「数字の分析から、人の関心を集められるコンテンツ力がない」とAIに判断され、おすすめの動画などに表示されにくくなるからです。

ところが、それを突破する方法がいくつかあり、その一つが検索需要を掴む……つまり、熱心に検索してくれる人がいるキーワードをタイトルに入れることです。

実際に検証のために作った私のYouTubeチャンネルのアナリティクスを見てみましょう。

表示媒体によっては文字がつぶれて見えるかもしれませんが

視聴回数が11.2万回
インプレッション数(YouTube上のサムネイルの表示回数)が22.4万回
インプレッションのクリック率が2.5%

となっています。

ちなみに、PCの場合、
自分のYouTubeチャンネルを開く→動画を管理→アナリティクスをクリック→コンテンツをクリック→右上の年月日が書かれたタブをクリックで表示期間を指定した上で詳細を見ることができます。
スマホアプリのYouTube Studioでも一部数字は見られるのですが、PCの方が詳細な数字を見られるので、PCでのチェックを推奨します。

そして、その数字の内訳です。

はい。
私の場合はYouTube検索が60%を超えていて、半分以上の再生を検索経由で伸ばしていることが分かります。
ブラウジング機能はYouTubeのおすすめ動画としての表示やトップ画面での表示、続いてチャンネルページの再生が続きますが……

実はTwitterとか、noteとか、外部媒体からの流入は5.3%しかありません。

動画のツイートして、実際にリンククリックしてくれる人はツイート見た人の1%~2%いれば良いくらいの話で、実はYouTubeで再生数を伸ばす主力にするのは難しいのですよね。
例えば常に数万回ツイートが表示される人でも、クリック率から計算すると数百再生プラスされればいいくらい。
ただ、動画投稿の告知をすることで「YouTubeのホームや通知を経由して再生する人もいる」ので、SNSなどの運用も馬鹿にできなかったりします。
特に、配信の場合はSNSの重要性が高いです(Twitterなどが面白くなければ、そもそも配信を見ようと思うことが難しく、YouTubeのシステム的に『集客に成功している配信』と認識されるレベルに達するのが難しいため)

ちなみに、Twitterにもアナリティクスはあって、ツイートの表示回数とか、何回リンクがクリックされたとかも確認できるようになっています。
(全体データをPCでみたい場合、Twitterログイン→左側のメニューから「もっと見る」→Creator studio→アナリティクスをクリック。個別のツイートのデータを知りたい場合は、各ツイートをクリックして、ツイートのアナリティクスを表示)
参考程度ですが、記事執筆開始時点、私の28日間のTwitter運用の成果。

ちなみに、もっと昔にさかのぼってみることもできるので「いつフォロワーが増えたか」「どんなツイートが反応が強かったか?」とかもチェックできるようになっています。
上のツイッターのアナリティクスで見える部分だけ読みとっても

先月と比較してツイート数、インプレッションともに低下したものの、リプは増えていて、フォロワー数も増加したことが分かります。
これは去年末に開催した裏V紅白の募集の影響が大きいですね。

まぁ、そんなわけで、アナリティクスを見てわかる情報は多い……というより、アナリティクスを見ないとわからないことは非常に多いです。
自分が良いと思って気合を入れて作ったサムネイルのクリック率が低かったりとか、需要があると思ったワードがあまり検索されてないことがわかったりとか、演技のこだわりがある部分より前に動画を離れる人が多いとか、そういうのもチェックできたりします。

YouTubeで再生数を伸ばしたいならインプレッション数を増やす、クリック率を上げることが非常に重要で、中身の面白さがわかって貰えるようになるのはその先の話になります。

私は現実的にインプレッションを増やすために検索に引っ掛かりやすいキーワードを配置したタイトルを作り、クリックされやすくなるようにサムネイルを作ってるわけですが……

実は、まだこれだけではヒットを取るのは困難で、もう一工夫、二工夫が必要です。

それは検索する人が多くても、ライバルが多いと目立てないので結果的に伸びにくくなるか、めちゃくちゃなパフォーマンスを発揮しないとYouTubeがおすすめ動画にピックアップしてくれないことだったりします。

なぜ、冒頭で紹介したヒット動画が「ASMR/TS(性転換)/百合/ヤンデレ/女体化/注射」のキーワード構成になっているかというと……

現状、男女ともに熱心に検索してくれる視聴者がいるASMRや百合などのワードを絡めつつ、女体化注射などのインパクトのあるワードでクリックを促しやすく、しかもTS百合は投稿するライバルが少ないからだったりします。

継続的に再生が伸びているのは、それだけ熱心に検索する人が多く、供給も足りていないからですね。

シチュエーションボイス界隈の事情なども話してしまうと、コロナ禍以降、仕事が減った同人界隈含む声優さんが男性向け・女性向けシチュエーションボイスを作てYouTubeに投稿するなんてことは珍しくなく、競争が激しくなっていて……

スタートダッシュに失敗すると延々伸びずに終わる……なんてことも珍しくなくなっています。

なので、再生数を取りたい! と、依頼を受けた場合、百合、TS百合を勧めることが多く、甘めよりも刺激が強めのものを推奨しています。

理由は……次語りましょうか。

ツールで調査すると甘め台本の厳しさが分かる

私はフリーライターを仕事にしているわけですが、「ただ言われたことを書くだけ」だと、実はそんなにお金が稼げなかったりします。
理由は「検索されやすいキーワードを含めないと、記事の閲覧数を稼げない→広告収入や商品の販売促進といった目的を達成できない→リピート受注など次の依頼につながりにくい」からだったりします。

そのため、インターネット上のサジェスト(検索時にセットで検索されやすいワードの候補を自動で表示してくれるアレ)をチェックしたり、検索ボリュームをチェックするためのツールを使っています。
具体的にはこれ。

で、このラッコキーワード、月額課金をするとキーワードの検索ボリューム(月何件くらいキーワードが検索されたか)を調べられるようになるのですが……

まず、甘めの台本の代名詞「甘々の検索ボリュームを1(実際は1000単位)」とします。
で、シチュボでよくあるワードとかを下に並べてみましょう。

甘々 1
デレデレ 3.6
女体化 27
耳なめ 33.6
ツンデレ 40.5
ヤンデレ 74
媚薬 110
百合 165
ASMR 165

えーと、甘めで勝負するの厳しいの、わかっていただけますでしょうか……

また、女体化や耳なめなどを見るとわかりやすいのですが、検索ボリュームが少なくても、需要と供給のバランスの関係で伸びやすいワードもあったりします。

私の台本を使っていただいた甘めの動画だと、しきさんの動画が約1年で6千再生近くまで来ていて、一つの指標として機能しています。

しきさんの場合、
チャンネル名にASMRが入っているので、チャンネル、動画共に検索流入が多くなっている

検索ボリュームが大きく、ライバルが少ない百合

サムネイルに「初めてを奪う」など刺激的なワードを入れている

10分という比較的長めの尺のため、YouTubeのシステム上優位を取りやすい(再生時間が長いほどおすすめ動画などとしてピックアップされやすくなる)

ので、再生数をとれたという状況ですね。
なお、冒頭の月夜野ミスカさんの台本は15分尺で組んでます。
これはYouTube広告をつける動画として最適化しようとすると8~10分尺になり、それより長尺にした方がライバルが少なく、再生時間を確保しやすい=再生数を取るのに有利な状況を作りやすいため。
逆に短くすると競争が劇化するので数字取るのが大変になります。

で、最近は刺激を極力削った音声を睡眠導入用に24時間体制でループ音源を流す無人配信や、刺激強めの耳なめループ音声、心音ループなどが伸びているので……

(無人ループ配信→ループ音源を作って、24時間、無人で配信を行う手法。OBSで画面作って、デスクトップ音声ON、Windowsメディアプレイヤー等で音源ループにして配信流しっぱなしにする感じ。人力ではできない超長時間配信になるため、高評価や視聴時間の地味な積み重ねでおすすめ配信などとして表示される確率がアップする。ただし、内容がしっかりしていることが前提)

刺激強めなループは数字を取りやすい半面、BAN率が高くなりやすい、コメントも荒れやすいなどの事情があり、可能な限り刺激を削った台本を作って動画単体でもデータを取得しているのですが……

データ的にはズタボロでした。

インプレッション、クリック率ともに物足りない水準です。
これは、演者・演技の問題ではなく、タイトル設計・サムネイルの問題ですね。
個人的には検索流入30%台なんて、久々に見ました……

ブラウジング機能・チャンネルページの表示は多く、リピーターの割合が多いです。

検索が主力だと新規視聴者の割合も増えるのが普通。

そして、検索流入から入った方の離脱率も高めで、百合 看病 の検索から入った方以外のほとんどの方が1分持たずに動画を離れています

PCだと、ここまで詳細に見れたりします。

多くの視聴者が1分視聴しないということは、YouTubeのAIが釣りタイトルのコンテンツの可能性が高いと判断し、検索上位やおすすめ動画のピック率を下げていきます。
結果的にインプレッション数・再生数が伸びなくなった可能性が高い状況です。
数字見るとASMR・男性向けという検索ワードが足を引っ張っている可能性すらあるので、ただ検索に引っかかれば数字が伸びると思うのは危険だったりします。
ただ、百合 看病の維持率は高水準なので、検索対策のワード絞って動画を投稿する、タイトルやサムネイルに刺激のあるワードを追加するなどした場合、平均再生時間が上がり、伸びた可能性もあったりします。
現状少しずつタイトルいじって日々の再生数・クリック率・維持率などをチェックしていますが、徐々に改善していますね。
次は、取得したデータをもとに改善を行った台本と動画作る予定です。

あとは「心と体が弱った時に聞きたい24時間百合看病ボイス」とかターゲット層絞って無人ループ配信を流し続けたりとか、2次利用、3次利用も視野に入れて台本を作ってるので、再生数が伸びない=で失敗にはならないですね。

まぁ、こんな感じで同じ百合ASMRでもちょっとしたキーワードのかけ合わせ、サムネイルの組み方で劇的に数字が変わったりするので、

どの要素が、どこに、どんな影響を与えたのか、内部データからチェックしないと、見当違いの方向に進んで一向に伸びない

とか、普通にあったりします。
自分にとっての良いが、視聴者によって良いものだったのか、それはどれくらいの人に受けて、実際どれくらい検索されたのか? 
再生した人の性別や年齢は?
再生したのはスマホかPCか、その他か?
などなど、様々な情報が読み取れるのがアナリティクスです。

そのため、自分が思っていたのと違う結果が出た理由は何か、自分の過去の動画と比較してどんな違いがあったか、細かい数字を見て確認した方が情報の精度が上がり、認識できる範囲も広がります。

これを突き詰めていくと

〇〇のタイトル、〇〇のサムネイル、〇〇の台本と尺の組み合わせなら、〇〇%の確率で〇〇再生が取れる

とか、数字の目算が立てられるようになります。

私の場合は

【TS百合/ASMR】ヤンデレ〇〇に女体化注射を打たれて〇〇するのタイトル、テンプレート化したサムネイル、15分尺の台本の組み合わせなら、登録者3桁から60~70%程度の確率で、半年から1年の長期目標で1万再生を突破できる

とか、そんな感じで台本を作成していますね。
根拠は過去実績。

思いつきだけで行動すると次の作品作りに経験を生かせず、壁にぶつかって伸び悩むというケースが増えるので、基礎的な数字の見方から覚えるだけでだいぶ違いが出たりします。

調教というワードを入れると昼下がり動画を見る女性の割合が増え、女体化は男性が検索する

アナリティクスの入り口の話をしたわけですが、まぁ、数字から情報を読み取るのには観察力や慣れが必要になります。
最初はちんぷんかんぷんなのが当たり前で、なんもわからんというところからがスタートです。
その上で、扱う情報が多いとなると、人の反応は大体3パターンに分かれます。

・膨大な情報量に嫌悪感を抱く人
・めんどくさそうで興味を失う人
・どうしてそんな風になるのか気になってワクワクする人

ごめんなさい、私、ものすごいワクワクするタイプなので、色々見ちゃうんですよね……
で、色々見てると面白データが見つかることがあって、例えば【調教】のワードを入れた動画を投稿したら、昼下がりに見る女性の割合が増えたとか。

普通「は?」ってなると思います。

ですが、YouTube、シチュエーションボイス界隈は性癖のワンダーランドです。
アナリティクスを見ると視聴者の性癖や属性が見えてしまうのです。

まず、人を罵倒した報酬でカニを食べたい人を探したことがあってですね。

出来上がった動画がこちら

【調教/百合】ドSな後輩のお仕置きで徹底的に追い詰められる【女性向け/紳士向け/シチュエーションボイス/Yuri/백합】

2021年1月17日投稿。
記事執筆時の再生数は9,088回。
白樺 玲奈さんに声を依頼しています。

うちのチャンネル全体の視聴者の性別は女性が37%くらい、男性が63%くらいです。

で、ヤンデレ百合台本は男女比が5:5になるケースが多く、組み合わせるキーワードによって男女比が変わってきます

そして、調教物のアナリティクスを見ると……

女性比が高くなります。

女性の比率が60%を超える。

そして、YouTubeのアナリティクスには視聴者が主にアクセスした時間をチェックする項目があり……

最近投稿をさぼってたので未検出になっていますが、結構いろんな情報拾えます。

調教物を投稿した直後から13時からのアクセスが増えたんですよね。
シチュエーションボイスって大体深夜帯に再生されるので、昼間にアクセス増えるのが不思議でしょうがなかったです。

昼ドラの影響ですかね……知りませんが。

ちなみに、女体化は男性視聴者の比率が上がり、女体化注射打たれる系はほとんど男性視聴者になることもあります。
たとえば、過去にASMR音源用に作った台本を通常音声で収録してもらい、データを取る実験なんかもやっているのですが……

TS百合×16分尺、これでASMRがはいれば1万再生狙えるという構成でしたが、結果的に再生数は投稿1年で2300回くらい。
声を依頼した羽苺丸ひめかさんは、1万再生超の動画を数多く生み出している方なので、演技に関しては問題がなく、単純にASMRの検索ボリュームを拾えなかったのが大きいと認識しています。
で、内部データですが……

視聴者は男性100%で、百合のワードが入っているのに女性の影が全くありません。

うちのチャンネル、百合メインなので女性視聴者結構いるんですけどね……
10:0の比率は笑います。

あと、再生数はあまり伸びなくても、特定層に刺さったのかチャンネル登録者が急激に増えた動画、コメントやTwitterでの拡散が多かった動画とかもあってですね……

アナリティクス=わからない
再生数が少ない=良くなかった

の減点方式ではなく、面白い所、良い部分を探す加点方式で見てくのおすすめだったりします。
数字比較して低さに落ち込む=自分に対する荒さがしより、面白さや楽しさを探す宝さがし感覚で「動画で光った部分」を見ていくと、次回以降に生かしやすいんですよね。

個人的には

「作る側も飽きる生き物だから、定番・よく見る動画を作り続けられるのも強み」
「市場は広いので、数千再生、数万再生の動画を何本出してもはじめましての人が多い→マンネリとか知らないって人も多い」
「ちょっとしたキーワードやサムネイルの違いで再生数の桁が変わるなら、少しでも新しい要素を加えた時は再生数が取れない前提、実際にとれなかったら確認が取れたのが収穫」
「それ以上に面白いデータが取れたら、次回以降に生かす」
「地力が弱い分は、地道な努力と数の試行で補う」

気持ちでやってます。
最初からヒット動画に必要な情報が分かっていれば、アナリティクス見なくてもヒット量産できることになるの……
自分が知らない、わからないことが多いことを自覚した上で、学習と工夫で補うスタイルで、数をこなして精度を上げるのが重要かなと。

まぁ、多くの人が分析とかめんどくさがってやらないから、隙間ジャンルになっているという話もありますね。
だから、地道でも前に進める人は強い。

登録者数を無視したヒット動画の作り方1:テンプレート編

過去にも1万再生を連発するヒットシチュボの作り方とか書いてたりしたのですが……
私の場合はヒットパターンを探し、パターンを繰り返すことでファンの定着を図り、ブランド力を強化する手法をお勧めしたりしています。
で、最初から1万再生めざすのはハードル高いので、1週間で数百再生とか、それをクリアしたら次は1週間で1000再生超えを目指すとか……
一歩一歩進んでいくことを推奨しています。
その上で……の話ですが、私が一つの基準としている、1万再生越えを目指す動画のパターン・テンプレートを解説していきます。
過去にも類似する記事を書いているので、技法・手法メインで学びたい方はどうぞ。

私の1万再生越え動画の目安ですが、まずASMR+女体化+百合をメインにします。
その他でもヒットを出せますが、ヒットを出すための基準が厳しくなることが多いこと、未発掘のワードなどを掘り当てようとする場合は事前の調査や、台本の試作・データ取得にも労力がかかります。
タイトル・サムネイル・台本・尺などの設計の時点でおおよその再生数が決まるので、重要な部分です。
以上の条件を踏まえた上で、私が目安としているのが下記の数字です。

・1週間で1万インプレッション、1000再生を超える
・初日のクリック率6%以上が目安
・検索流入の割合70~80%を目指す
・8~10分尺で平均再生時間50%越え、15分で40%を目指す

これは中長期(1年単位)で1万再生を狙う設計なので、初心者にはかなりハードです。
登録者数が少ないなど不利な状況であれば15分尺以上、ライバルが少ない長尺を狙うのがおすすめになります。
ちなみに、初日のクリック率が高くても検索流入の割合が低い場合、身内受けするサムネイルになっていて、新規の視聴にはクリックされていないことが分かった……とか、普通に出てきます。
数字は単体で見るよりも、どういう数字が繋がって、どんな意味が読み取れるか想像することが大事です。
人の流れと、視聴者の反応が数字になって出るので、全体を見ないとわからないことも結構あったします。

また、ジャンルによってクリック率は大きく変わり、特に女性向け・癒しをテーマにした動画などは平均クリック率が下がる傾向があります。
なので、最初は数字低いところから始めて、少しずつ平均値を上げていくのを目標にしないとメンタルやられやすくなります。
最初はわからないことが多いので、一本一本再生数を見るよりも

「数本動画投稿して、それぞれの動画の良いところをアナリティクスで比較し、長所と短所を把握する」

とか、数を出すことから始めた方が良いかなと。
その上で自分の良さが生かせそうなもの、相性が良いと思うもの、伸ばせそうと思うものにチャレンジするのがおすすめでしょうか。
もちろん、私のデータを基準に、ASMR+女体化+百合で、目標を達成できるかチャレンジしてみるのも方法ですし、ヒット動画を出している人が使っているフリー台本を使って、自分の場合はどれくらい再生数を出せるかから試してみる方法もあります。

演技方面で平均再生時間を伸ばすコツは、最初数秒にインパクト強めのセリフ入れたり、物語に入りやすいように効果音入れる(例えばドアを開く音などで間を持たせる)とか……
あとは、セリフを詰めると焦った感じや圧迫感が出てしまうので、ホラー系などで狙った演出ではない場合、ゆっくり台本を読むようにして雰囲気を作るとか。

YouTubeは再生時間が長いほどおすすめ動画にピックアップされやすくなる仕組みになっているので、意図的に間を作る技術なども大切になってきます。
初心者や、演技に不安がある人は特に急いで読もうとしがちなので、間のコントロールが特に重要です。
他にも、声の強弱で演技にメリハリつけようとして鼓膜破壊にならないように、内に秘めるような演技にした方が視聴が伸びやすいとか。

あと、さらに追加項目もあって

・動画がYouTubeのおすすめ動画としてピックされ始めると急激に検索流入の割合とクリック率が低下する可能性がある(関連動画などの表示割合も増えるため、検索流入が9割を超えることは滅多にない)
・数十万回のインプレッションが発生することを前提に、個性的なサムネイルよりも「内容が分かりやすく、癖が少ないこと」を優先した方が再生数が安定して伸びやすい傾向がある
・サムネイル作成に時間とコストをかけると、元を取るのに苦労する

とか。
Vtuberは自分の個性、ルックス、ファッションにこだわりがある人が多いわけですが……

・視聴者層は自分の好みで選ぶので、多数派にマッチしたサムネイルを用意しないと外見の好き嫌いで損をする可能性がある
・個性を生かす場合は再生数よりも定着率や宣伝効果に注目する(再生数に対する登録数増加や、配信への流入率を見る、インプレッション数=自分の顔を見てもらえるチャンスととらえる)
・自分のルックスの主張が強いと感じた場合は顔のアップを切り抜いて使う、画面全体を暗めにして自分を背景の一部に溶け込ませ、文字を明るくして文字主体でクリックを促すなど工夫をする
・検索流入から来る人はシチュエーションに期待して動画を探しているので、サムネイルの文字はわかりやすいものにする

とか、小技もたくさんあります。
動画一つとっても細かな技術・要素の積み重ねで出来ているので、自分がどれだけ数字を取るための技術を導入できているか、それが的外れになっていないか確認していくのがアナリティクスでも重要なことだったりします。

私の場合は「サムネイル作成に時間をかけすぎると、その分別の台本を作成したり、作品を作る時間が減る」と認識しているので、10分程度でサムネイルが作れるようにOBSでテンプレートを作り、文字や人物、背景の差し替えが簡単にできるようにしています。

・ヤンデレだったら左を黒背景で文字は赤メイン、右は白背景で人物を配置(PCで表示した場合、人間は左から右へと視線を動かして文字を読むため、左に文字を入れると真っ先に視界に入る。自分のビジュアル生かすなら人物左、スマホ表示メインならサムネイルの文字は縦に統一するとインパクトが強いなど、文字と人物の配置にも意味・戦術があるのがポイント。検索から来る人をメインターゲットにしている私は文字の強さを優先するために文字左で固定+3~4行の短文で構成。文字数多いと頭に入らないし、文字が小さいと読めずにスルーされるので注意)
・甘めの台本なら左白で文字はピンクなどを混ぜつつ、右はピンク背景で人物配置(刺激的な色構成はミスマッチを招きやすい)
・文字にグラデーション入れた方が女性受けが良いので、百合や女性向けにはグラデーションで変化つける
・動画投稿2時間でクリック率が6%を切るようならキーワードが弱いと認識し、文字を差し替えてクリック率の推移を見守る
・男性は線がしっかりしたいわゆるアニメ絵などを好む傾向があり、女性は線がにじんだ感じの淡い色調やグラデーションを好む傾向があるので、必要に応じて使い分ける(ただ、YouTubeは男性視聴者が多いので、女性視聴者に特化しない場合はアニメ絵のメリットが勝るケースも多い)

とか考えながらやってます。

それで数字取れるのかといえば……

しきさんに依頼したこちらの動画、1.3万再生とってて、内部データ見ると

初日8.4%のクリック率で、2日目に11%、3日目に8.4%のクリック率……

投稿1週間で2.9万インプレション出してますね。

デザインに凝った結果、視聴者に中身伝わらなかったら避けられて終わるので、デザインにこだわって情報を詰めたサムネイル=数字が取れるとは限らないと。

例に挙げたのは古い動画なので、今同じ構造にしてもクリック率はかなり下がる上、インプレッションも取れないので、現状ヤンデレは白黒テンプレ背景で落ち着いています。

なお、今メインに使っているヤンデレ白黒テンプレ背景も、真っ黒背景に人物と文字のサムネイルも「ヒットを多数飛ばしてた前例を参考にしたもので、私のオリジナルではない」ことには言及しておきます。

初見でもわかりやすい、文字が読みやすい、数字が取れるからテンプレートとして残っているので、まずはテンプレートから動画を作り、視聴者に受けるキーワードなどを把握してから、次のステップに向かうのはおすすめです。

ちなみに、サムネイル、台本の作成を行い、タイトル案にも協力、ASMRなしで2週間600再生、5分尺で演じる側の負担も少なめという動画にもかかわっていたりするので……
こちらは月都セレナさんの動画になりますが、ご自身で初めて600再生を超えられたそうです。

個人的には基本を守れば「ある程度の数字は取れる」という認識でいます。
問題は、基本を忠実に守ること自体が結構難しいということ。
色々独自の工夫などを混ぜた結果、破綻するパターンも多いので。

それと、テンプレートだけを守る投稿を続けても、環境が変わると状況が一変するということもあり得るので、メリットもデメリットも両方あるというのも大切でしょうか。
テンプレートを使って、数を打ち、ヒットの法則を体にしみこませたり、後々の投稿に役立てられるデータ取得を優先して、必要に応じてサムネイルを差し替えるといった戦術もあるので……
まずは自分が使える時間、予算などから、無理がない範囲でやれることからやるのがおすすめ……というか、美意識とかこだわり強すぎて心折れる人も多いのでご注意のほどを。

初心者は、100点取ろうとせずに、失敗しながら覚えるくらいの心持の方がいいですし、継続したいならまず70点くらいを安定して作れる方が経験値たまります。

登録者を無視したヒット動画の作り方2:動画の配置編

はい、これに関しては、動画の作り方とか全く関係ないです。
単純に、動画の配置の仕方で再生数が大きく変わるという話になってきます。
まず、私のチャンネルのホーム画面を見てみます。

これは、チャンネルをカスタマイズ→チャンネル登録していないユーザー向けのチャンネル紹介動画&チャンネル登録者向けのおすすめ動画に、最新の動画を設定している状態になります。

私は基本的に、最新動画を投稿するたびにおすすめ動画を入れ替えています。

理由:動画は投稿初日~1週間程度の再生数・再生時間・サムネイルのクリック率などを基準に、おすすめ動画としてピックアップする確率や、検索のどこに配置するかをAIが決めるから

……はい。
伸ばしたい動画があるなら、少しでも数字を稼ぐ工夫した方がよいという小技の話ですね。
ちなみに、初日は再生回らなくても、2~3日目とか、1週間後とか時間差で急激に伸びるパターンなんかもあるので、動画の伸び方をチェックする癖をつけると色々発見があったりします。

で、この考え方は、アナリティクスに紐づけることもできます。
例えば、アナリティクスを見て、TwitterからYouTubeのチャンネルにアクセスする人が多かったとします。

この場合はTwitterを見ている→TLなどもみて自分に興味がある人と仮定することができます。

そのため、Twitterからの人の流入が見込める場合は、自己紹介動画や歌ってみた動画など、短時間で自分をわかって貰える動画を配置する、配信に誘導したい場合はスケジュールなどを張るといった手法が強力になります。

ただし、自己紹介動画には特有の弱点があります。
Twitterなどではなく、検索で動画から来た場合や、配信をみてホームをチェックしてチャンネル登録を使用かどうか迷っている場合……

「自己紹介動画のタイトル・サムネイルが面白いものになっているか?」

が問われることです。
学校や会社であれば、最初の自己紹介は礼儀・義務のレベルになってきますが、エンターテイメントの世界で面白く自己紹介をまとめ、再生数を稼ぎ、興味を引くのはかなり難易度が上がります。
義務的な自己紹介では魅力が伝わらないので、スルーされて終わります。

それであれば、短時間で魅力を感じてもらえるようなまとめ動画や、検索ボリュームの大きいワード(自分のチャンネルにたどり着く人が多い検索ワードをアナリティクスでチェック!)に適した動画を配置した方が、クリック率は高くなり、再生も、チャンネル登録もしてもらえる確率が上がるはずです。

また、配信スケジュールをTOPに配置する場合は、スケジュールが有効に機能するほど外部媒体から人が来てくれているか、スケジュールを固定することで実際に同時接続数や視聴者数が増えているかチェックするのも大切です。
皆が皆配信が好きなわけではないので、スケジュールが貼ってあるだけで興味を失ってそっ閉じする人もいるわけで……

どんな客層を捕まえたいのか、自分が行ったことが有効に機能しているのかチェックすることが大切で、確認が漏れると明後日の方向に進みやすくなります。

アナリティクス的に言えば、スケジュールを貼る前のアクセスの平均値、貼った期間の平均値などを比較するとわかりやすいかなと。
ちなみに、スケジュール貼っても、活動内容がバラバラ(ゲーム配信で毎回違うゲームを遊んでいる、歌や雑談なども含むバラエティ型)だと比較が難しくなるので注意。
スケジュールを貼った場合のこのゲームタイトル・この時間の配信の流入率はこれくらいとか、個別に考えないとスケジュールの影響が大きいのか、配信タイトルや時間の影響が大きいのかは判別できなくなります。

他の視点からスケジュールを見る方法もあり、

・YouTubeに自己紹介動画の広告流し続け、スケジュール経由で配信へ人が流れやすいようにする
・新規層開拓よりも既存のファンを逃さずがっちり掴み続けるためにスケジュールを優先する

など、目的と手段をセットにすると効果が分かりやすくなります。
そして、一番目立つスペースで、損をする立ち回りをしていないか? 自分が納得できる、満足できる活動ができているか? 考えると次に進むヒントになります。

視聴者にとってどの動画がコンテンツが魅力的かわからない場合は

・自分の手持ちの動画の中で最もサムネイルのクリック率が高いものを配置する
・もっとも再生数が多い動画を配置する
・収益化まで再生時間などが足りない場合は視聴維持が長い動画を配置する

など、数字を目安に選ぶのもおすすめです。

サムネイルのクリック率が高い=魅力的なものである確率が高い(おすすめ動画に配置して、クリック率が下がり続ける場合は別なものに差し替えて下がり幅を比較したり、改善を常に意識する・リピーターは同じ動画を何度もクリックしないので、クリック率は基本的に下がっていくことに注意)

再生数が多い=視聴者は面白いもの・クオリティが高いものと期待しやすくなる、また、再生数が一定以上の水準になれば「〇千再生・〇万再生の動画持ってます!」など、キャッチに使いやすくなる

視聴時間が長いもの=何かしら魅力がある可能性があるほか、配信したい・動画投稿したいけど時間ない勢にはちょっとした助けになる

まぁ、こんな感じで……
数字を見ながら、動画の配置を調整し、再生数を伸ばすのはかなり有効だったりします。
特に効果が大きくなるのが

「無人のループ配信を行っている場合」「YouTubeに広告を流している場合」です。
無人のループ配信を行っている場合、常にチャンネルがアクティブな状態となり、それだけ人の流入が増えやすくなります。
YouTubeに広告を流している場合も同様ですが、登録に迷ったらいったんホーム画面を見て、登録するかどうか考える人が多いのですよね。

そのため、目立つ場所にループ配信に関連するコンテンツや、広告を流している動画に関連する動画を配置するとクリックチャンスがかなり増えます。

逆に言えば、配信のアーカイブを整理せずにただ並べている状態だとチャンスを逃していることにも気づけていない状況になっている可能性が高く……
最も基本的な

初見さんからみたら、自分のチャンネルホームはどう見えるのか?
そもそも、どこから初見さん、視聴者がきているのか?

から抜け落ちていないか確認してみるのがおすすめです。

ちなみに、チャンネルにアクセスした人のデバイスの種類なんかも、アナリティクスの詳細→その他の項目から確認できます。
今は多くの人がスマホでYouTubeにアクセスするようになっているので、スマホで自分のチャンネル、動画の配置がどう見えるか? 確認してみるのは割とおすすめです。
見たいと思える動画が、すぐに出てくるか? なども客観的に把握できますし、検索した時にサムネイルの文字がつぶれていないかなどもチェックしておくとさらにプラスになります。

私の場合、約75%がスマホ(携帯電話)からのアクセス

意識できてない情報が多いほど迷いがちになってしまう

アナリティクスのあれこれを書いてきましたが、見るべき情報、目標とすべき数字は人によって異なります。
で、自分が今どのくらいの数字をとれているのか、内情も把握せずに他人の数字と比較をするとかなり消耗してしまいます。
実力差や仕組みが分からないのに数字を見ると、数字に振り回される確率が高くなってしまうのですよね……

そのため、まずは今までの自分の動画投稿歴や、配信歴、Twitterのアナリティクスをチェックした上で、「今取れている数字と、数字がどのように変化してきたか?」を、把握することから始めると情報が整理されていきます。

すると、自分が伸びた時期、伸び悩んでいた時期が分かりますし、伸びた時に何をしていたかもわかるようになります。
全く伸びたという感覚がない場合でも、「客観的にどんなツイート、動画などが反応が良かったのか?」知るだけでも自分の特性や、数字の基礎を知るきっかけとなります。

伸びようとする場合は自分の能力に合ったものを伸ばした方が楽なので、自分の特徴を知ることはとても重要です。

その上での話ですが、ボイスコンテンツは作成コストを下げやすく、検索流入を取りやすいといった特性があります。

SNSの運用スキルをアップさせるためには様々な勉強が必要になりますが、ボイス関連のコンテンツに関してはある程度テンプレート化しても数字が取れるのがポイントです。

サムネイルやタイトルがテンプレートでも、演じる人・声が違えば印象は異なるものになりますし、常に新しい動画を求める人もいます。
TwitterからYouTubeに人を誘導するのが難しいように、ボイスコンテンツから配信に人を誘導することは難しい面があるものの……

「それでもゼロではなく、人の流れを作り続ければチャンスが増える」

という発想ができる人にはお勧めになります。

SNSからの誘導が得意であれば、そちらで数字を取っても良い……というか、より少ない労力、努力でどんな数字を取りに行くかという話になるので、数字に悩んでる場合はアナリティクスのチェックやヒットのテンプレートを学ぶことをお勧めします。

動画や配信にかかる負担が大きく、得られる成果が少なくなれば、それだけ長く続けることは難しくなるので……
心身壊さないようにしてくださいねーというのが、個人の意見です。

それと、一応、「数字を取るように設計したフリー台本」なんかもあるので、再生数優先したい場合や、自分がどこまでやれるかチャレンジしたい方はどうぞ。
検索流入の割合や、サムネイルのクリック率など、数字を取るポイントが見えやすくなるはずです。

あと、収益的を得たい人向けに、ニコニコなどを活用する手法の発信なども行っていますので、お金という実益が欲しい人は、記事のチェックをお勧めします。
追加でいうと、システムの相性的にYouTubeよりもニコニコに投稿した方が伸びやすい動画などもあるので、視野広げた方が苦しくなる確率減らせます。


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