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馬を水辺に連れて行くことはできても,水を飲ませることは出来ない.

この諺好きなんですよね.

先日zoomを使って「自主性への向き合い方」についてディスカッションをしました.

主催していただいた赤坂さん,てつさん,参加者の皆さん,大変興味深いディスカッションをありがとうございました.
運営のはずだったのに殆ど何もしてなくてごめんなさい.

自主性,本人,外部,組織,他者,期待,要望,意欲,
本人の自主性はどこにあるのか?
本当の自由は可能なのか?
他者から促される自主性は自主性と呼べるのか?
自主性と意欲の違いはどこなのか?

答えが直ぐに見つかりそうで全然見つからない中を様々な言葉を手がかりに奥深くへと進んでいく感覚.
深く深く潜っていくようで楽しかったな.

その中で作業療法士1年目の方から話題提供がありました.
CLの自主性を引き出すためにはOTとしてどのような働きかけができるのだろう?

確かこんなかんじだったかな?
その時すでに酔っ払っていたので間違っているかも?大丈夫だよね?ありがとう.

その時の自分の答えが何か良かったみたいなので思い出せる限りで書き残してみますね.

法人内の事例検討会でもよく検討事項に挙がる話題ですね.
あなたの臨床技術がどうというわけではなく,多くのOTが悩んでいる大きな壁なのかも知れません.
僕は実際にそのCLと会ったわけでもないし,お話をしたこともないので見当違いなことを言ってしまうかも知れませんが参考にしていただけたら幸いです.

さて,私達は作業療法士でしたね.
作業療法士であるからには眼の前のCLを作業的存在として見ていきたいですね.
人間は作業を行わないと生きていけないそうですよ?
人間には水や空気や食べ物のように作業が必要なんだそうですよ?

作業のレンズで改めてCLを眺めてみましょうか?
自主性に乏しいように見えていたCLも生きていくために様々な作業を自ら行っているかもしれませんね.
もしかしたら,しょうがなく行っていることもあるかも知れませんけど,改めて見ていくと“自主的に”行っている作業も案外多いかも知れませんね.
それって自主性が低い状態と本当に言えるのでしょうか?

ご本人が自主的に取り組んでいる作業を一度整理し,その作業の一部をOTとして活かせるような働きかけが出来たら理想かも知れませんね.
もちろん,すんなり上手くいくわけはないんだけれど.

先ずは,CLを作業的存在として,CLのありのままを受け入れようとすることが重要になるのかも知れません.
その過程が評価と呼べるものなのかもね.

あとひとつ.最初に戻ってみましょう.
あなたが思い描く“自主性のあるCL”とはどのような人物像を思い描いていたのでしょう?
あなたの考えが間違っているとか未熟だとか,そんなことは勿論無いんだけれど,
もしかして,リハビリに積極的になってくれているCLや目標設定に積極的になっいるCLを“自主性の高いCL”と考えていたのかも知れませんね.

作業療法士としては,そういったCLは凄く嬉しいし大きな結果が期待できそうではあるんだけど,もしかしたらそれって作業療法士であるあなたが理想としているCL像なのかもしれないですね.

こうあってほしい,こうなってくれたら,こうであればいいのに

目の前のCLの健康と幸福を願っているからこそ,そんな思いが出てくるのでしょうね.
そういった思いを持っていることは全く悪いことでは無いと思いますし,むしろ対人支援のために素晴らしい姿勢だと思います.
しかし,ここで重要なのは今思い描いていることが自分の願望なのかどうかを自覚できることではないでしょうか?

もしかして自分の願望を無意識にCLに投げかけていませんか?押し付けていませんか?

“自主性”というキレイな紙で包まれているけど,中を覗いてみたらあなたからの願望だった.

もしかしたら,そんなことを無意識に行っていたのかも知れませんね.
自主性から少しだけ離れてしまうけど“意欲低下”とか“活動性が低い”とか“障害受容が不十分”とか,キレイな包装紙として使われている言葉って多いように見えませんか?

本当に“自主性が低い”のでしょうか?
本当に“意欲が低下”しているのでしょうか?
本当に“活動性が低い”のでしょうか?
本当に“障害受容が不十分”なのでしょうか?

人と人は,同じ人間でも見えている世界は人によって全く違うそうです.


ご自分の欲求や願望を自覚したうえで,それならCLはどのようなことに関心を抱いて,CLからはどのように世界が見えていて,そのような自主性によりどのような作業をしたいと考えているのかなどを一度立ち止まって考えてみることも時には必要なのかなと思うのです.

ということは,またもCLについて知る(評価)という営みが大切になりそうですね.
何度も同じことを繰り返し言ってしまうのは酔っ払いの悪い癖ですねw

領域や施設などによってはCLとじっくり時間をかけて向き合うことが難しいことも多いかと思いますけど,なかなかうまく行かない時だからこそ,一度立ち止まってCLについて改めて理解しようとすることが必要なのかも知れませんね.

なかなか答えが出ないと思うけど,そんな時にはこんな書籍が良いかも知れないですね.


ちょっとのつもりが長々とお話してしまいまして申し訳ありませんでした.
専門家からのアドバイスはエビデンスレベルが一番低いので今までのお話は全部嘘でした.忘れましょう!

かんぱーーーーい!!!!

余談ですが,ここまで全部ひとりで言ったわけではなく,参加者の皆さんが途中途中で補完するようなコメントや合いの手を入れてくれたおかげです.
皆さん,いつもいつも言語化が下手な私を助けていただいて本当にありがとうございます.
これからもニコニコしながら飲酒してますんで,どうぞお助けください.

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