見出し画像

共同シナリオ第一編 テーマ:闘い 1/4話目

どうも! 出席番号2番 越智です!

今日から共同シナリオを更新していきます!
ルールは以下の通りです。
・更新は大西と越智で交互に行う。
・更新は2週間に1度のペースで。
・事前にシナリオのテーマと基本設定は決めておく。
・それ以外は自由。

今回のテーマ「闘い」
基本設定↓
時代:現代
主人公の性別:男性
主人公は福岡出身の東京住まい
主人公の年齢:29歳
全4話で完結

それでは書いていきます。
---------------------------------------

東京に来てから3年が経とうとしている。
カズヤは訪問した取引先で貰った来年のカレンダーを見て、気づいた。
12月の東京は以外と我慢できる寒さで、同じ12月でも3年前まで過ごしていた福岡の方が寒かった。
東京に来て最初の冬にそんなことを思ったなぁとぼんやり思い返しながら、カズヤは会社まで戻る電車に揺られていた。

カズヤにとって、東京へやってきたのは自然な成り行きだった。
新卒で入社した福岡のメーカーで初期配属として告げられたのは工場での勤務だった。
営業としてバリバリ数字を追いかけて、活躍する事を夢見ていた若者にとっては青天の霹靂とでもいうべき出来事であった。
営業として常に周りと比べられる中で1番をとりたい、そんな風に考えていたカズヤにとって、営業職のできる会社へ一刻も早く転職したいと考え、動き出すのはごく当たり前の結論であった。
どうせやるなら優秀な人間の多い東京で営業マンとして実力を磨きたいと思ったのが4年前の春だったろうか。

ただ福岡で何も得られなかった訳ではない。
カズヤは大事な事を学んだ、それは人間誰しも常に何かと闘っているという事である。
工場では製品の生産計画を管理していたが、常に得意先の要求する納期を守るため、営業や生産現場のスタッフと喧々諤々主張をぶつける日々だった。
また上司と飲みに行けば、奥さんの小言が〜だの、子供が反抗期で〜だのといった話を聞かされた。
それだけでなく友人や同僚と行った合コン、街コンでは常に女の子から、他の男と比較され品定めされていることに、4回目の合コン中に気づいた。
人は常に何かと比較されたり、自分の主張をぶつけ合ったり、人と人との間で闘いを繰り広げているのでは?、と気づいたのだ。

カズヤは自分なりに辿り着いたこの事実を好意的に捉えていた。
元々、部活のテニスでも受験でも、学生時代から人より良い結果を出すために努力を惜しまない性格だった。
それが故に社会に出ても、そのような状況が続くのだということに何か安心感さえ感じたものだ。

そんな考えのカズヤだ。
東京で友人の伝手を辿って入社した保険営業の仕事でも脇目も振らずに仕事に取り組んでいた。

ただそんな日々でも心休まる瞬間があった。
それは下北沢にある自宅のワンルームマンションから、少し歩いた所にある喫茶店で過ごす時間だ。
カズヤは仕事終わりや休みの日などに足繁く通っていた。
「思ったより早く上がれたな。。」
今日もカズヤは足早に駅からその喫茶店へと向かっていた。
煉瓦造りの古めかしい店構え。
店の入り口扉の右上に小さく店名が掲げられている。
店の名は。。。


1/4話目完

出席番号2番 越智

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?