不思議ちゃんよもう一度

 2020年現在、“変わったオンナノコ”を指す言葉を集めてみませう。「地雷女」……「メンヘラ」……「隠キャ」……「病みかわ」……嗚呼!なんと品性に欠ける名称!特に地雷女!私は世を儚むばかり。
 その昔流行した「不思議ちゃん」という言い方は、これらの意味も包括しながらもとてもロマンチックで可愛らしい響きを持っています。少女性を持ち合わせたファッションに言動、自分の世界に引き籠る繊細さ、周りにわかってもらえないエキセントリックさ、それらを夢々しく表現した名称が「不思議ちゃん」ではないかと私は思うのです。

 私が思春期の頃には「ヤバイ」という言葉も流行りました。元々がヤクザ用語であることも知らず「あいつヤベーよ」「マジヤバイ」などと吐き散らかす同級生らを見ては落胆していました。少女達よ、品性を忘れたのか?と……。

 『2001年宇宙の旅』の舞台から19年、マーティがデロリアンで訪れた未来から5年経った2020年の今だからこそ、今一度よみがえらせたい、「不思議ちゃん」。
 令和を生きるはぐれ者の精神的少女達よ、不思議ちゃんとして今こそ旋風を巻き起こそうではありませんか。

 岡本かの子宜しく眼の玉をかっぴらきながらこんな文章を書いている私が代表を務める月蝕歌劇団も、貴方のような人を待ち焦がれているのです。8月23日には【皆既月蝕前夜 幻影開花篇】と題したワークショップオーディションも開催致しますことよ。集え!現代にさまよう不思議ちゃん達よ!

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