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鼻炎に使う漢方薬

花粉症が辛い季節になってきました。
皆さん鼻水出ていませんか?

アレルギー性鼻炎、蓄膿症(副鼻腔炎)など鼻のトラブルが出てくる時期ですね。
通常は抗ヒスタミン薬といわれるアレルギーの薬を中心として、点鼻薬などがよく使われます。

それにもう一押し併用したい、漢方が好きという方は漢方薬も使うことができます。

市販薬でも使いやすい漢方薬

 花粉症、アレルギー性鼻炎、蓄膿症に使う漢方はその人の体質や状態、症状などに合わせて調整していきますが、中医学や漢方の理論って難しいんです。細かいことを言われても難しいので、自分で選んで使いたいという人向けに簡単に解説していきます。
 治らない、自分に合った漢方を選んで欲しいという人は漢方が得意な先生のところに受診してください。

おすすめ6選

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

 目安は透明なサラサラの鼻水。水みたいな鼻水が止まらない!という方に使います。桂皮(シナモン)や乾姜などが入っており、冷えを改善してくれる成分が入っているので、体力があるけど、冷え性の人なんかにもおすすめですね。
 薬理作用的にも抗アレルギー効果や血管透過性抑制作用などもあるのではないかと報告もされている漢方薬です。
 麻黄という生薬が入っており、麻黄はエフェドリンという交感神経を興奮させる作用がある成分で、胃腸が弱い人では胃腸に負担になったり、動悸が起きたりすることがあり注意が必要です。強い動悸、血圧の上昇、胃もたれなどがある方は合わない方なので中止しましょう。

苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)

こちらも目安は透明なサラサラの鼻水。
小青竜湯と同じような使い方をしますが、小青竜湯の体・胃腸が弱い人用(虚弱)という感じの薬です。甘草、乾姜、細辛、五味子、半夏が共通で、胃もたれの原因になったりする麻黄に加え、桂皮、芍薬を取り除き、茯苓、杏仁を加えたものがこの漢方になります。

麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)

麻黄・附子・細辛と3種類からできているシンプルな漢方薬。切れ味もあります。朝の冷たい空気、外に出た時、水鼻がだらだらと出る人にはおすすめです。体が弱い人、高齢者などの風邪の初期症状に使う風邪の漢方薬ですが、胃腸が弱く、体冷えてサラサラの鼻水が出る人はこれ。
麻黄が入っているので胃もたれする人は上の苓甘姜味辛夏仁湯を使ってください。

葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)

 ここからは熱っぽい黄色い鼻水の人、鼻詰まりの人の漢方薬
風邪の漢方の葛根湯に川芎と辛夷を加えた処方。
 風邪をひいて数日経った頃から始まる鼻詰まりのような症状に使います。
サラサラからだんだん鼻が詰まってきて黄色くなってきたという人や、鼻詰まりで頭が重いといったタイプの人に使います。

辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)

 黄色いドロドロの鼻水で鼻詰まりをしている、喉に鼻水が垂れ込んできて痰になる(後尾漏)の人や慢性的に鼻詰まり、鼻炎の症状がある人にちょうどいい漢方薬です。
 鼻の熱っぽさ、腫れぼったさをとってくれながら直してくれる漢方薬です。副鼻腔炎にも使われます。

越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)

 黄色いドロドロの鼻水・鼻詰まりに加えて、目の痒み・腫れ・赤みや喉の腫れがひどい人には越婢加朮湯がおすすめ
 鼻ジュルジュルしながら、鼻声で、目の周りを真っ赤にしている花粉症の人は試してみてください。

最後に

 実際の診療では、もっといろいろな漢方薬を体質や体調、症状、経過に合わせながら調整していきます。ドラッグストアでも買うことのできる漢方薬ですが、自分の体調に合わない時は中止して、病院で相談しましょう。あくまでも上に書いた症状は目安に過ぎませんので必ずしもあなたにピッタリとは限りませんのでご了承ください。

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