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#3家庭医としての守備範囲

「先生何の専門医?」
「家庭医です」
「???」

家庭医をしているとよくある会話です。
今日は僕の守備範囲について書こうと思います。

1.病気

日常的によくある症状・疾患を対応します。
内科、外科、小児科、皮膚科、眼科、精神科と領域を跨いで診療します。

稀な病気や専門的な施設・検査が必要な場合は専門医にご紹介させていただきます。
下の図のように総合病院に受診/入院する、救急外来を受診する人は合わせて1割程度で、そのほかの人の日本人の8~9割の人のニーズはプライマリ・ケアで完結します。
プライマリ・ケアというのは何らかの病気や症状が発症した時の窓口となる医療のことで、その専門家が「総合診療医」「家庭医」になります。
なので病気に関していえば家庭医は「日常よくある病気の専門家」ということになります。

日本人の一般住民における健康問題の発生頻度と対処行動
White K L et al.(1961)“The Ecology of Medical Care“The New England Journal of Medicine,265, pp885-892.

具体的には何をみるの?

今の医療は非常に細分化しています。
幅広く診るといっても、各医療分野の専門家にはどうしてもかなわない部分があり、頼らせていただく場面も多いです。
また、家庭医によっても得意・不得意はあります。
ここでは「僕」と「しらみず診療所」ができることを書いておきますので一つの参考にしてください。

内科

一通りなんでも診療できます。
詳細な検査が必要な場合は検査を他院にお願いする場合があります。
非常に稀な疾患や、専門性が非常に高いお薬などは対応できないこともあります。
悩んだ場合は一度相談してみてください。

小児科

日常的な風邪や発熱、怪我、肥満などは対応できます。
不登校や朝起きられない、元気が出ないなども診察できます。
先天性疾患や医療ケア児などは主治医として総合病院の小児科医に通っていただきながら、親御さんと一緒に日頃の困りごとのサポートとして診療することも可能です。

精神科

気分が落ち込む、不眠、過食、食欲不振、集中力の低下などの精神症状も診ることができます。
うつ病やパニック障害などよくある精神疾患は僕が診療します。
躁病(双極性障害)、統合失調症など精神科の専門的な診療が必要になる場合は紹介させていただく場合もあります。

皮膚科

皮膚の発疹や赤み、かゆみ、ニキビなどの症状の診察はできます。
アトピー性皮膚炎や湿疹、水虫などの皮膚疾患は診ることができます。
診断に困る場合やコントロール不良で専門医の診療が必要な場合は紹介させていただきます。

耳鼻科

鼻づまり、蓄膿症、咽頭痛などの診療はできます。

眼科

結膜炎など日常よくみる疾患は診ることができます。
眼底検査や眼圧の検査は難しい場合がありますので必要に応じて眼科を紹介させていただきます。

整形外科

骨粗鬆症、捻挫や肩こり、腰痛、肩痛、膝痛などの診察は可能です。
手術の判断が必要、詳細な検査、リハビリテーションなどが必要な場合は紹介させていただきます。

泌尿器科

頻尿、尿もれ、排尿時痛、前立腺肥大など対応します。
尿検査やエコー検査などは可能です。

婦人科

更年期障害や月経困難などの診療は行います。
婦人科診察や経膣エコーが必要な場合は婦人科に相談させていただきます。
不妊治療のサポートとして肥満の改善や生活習慣病の改善、漢方診療による冷えの治療なども行っています。

漢方診療

冷え性、肥満、更年期症状、西洋医学では診断のつかない症状などを漢方薬(ツムラやクラシエなど)を利用して全身の状態を整えていきます。
西洋薬のほか、漢方薬で治療したいという方ももちろん診療します。

生活指導・運動指導・肥満診療

薬を使わない診療も行います。

その他

これって医師に相談していいのかなと思うこと
どこに行ったらいいか分からず悩んでいる場合
専門医で断られた場合
病院を整理したいと思っている場合
薬をたくさん飲んでいて、整理して欲しい人
家族の症状で悩んでいる場合
など、ここに書いていないことでも「困りごと」があれば、一度相談してみてください。

2.時間経過と家庭医

僕が提供したい医療の形。
家庭医をコーディネーターとして使ってもらうのが一つの関わり方。

継続性を大切にしながら人生をサポートしていく。

①予防 ②発症・診断 ③急性期の治療 ④安定期の治療 ⑤急性増悪 ⑥通院困難になった時 ⑦在宅医療
全てのタイミングで相談をしながら、詳しい検査、専門的な検査・治療が必要で、当院での機能を超えた場合、入院が必要な場合には専門医を紹介して安定したら、戻ってきてもらい加療を続ける。
必要なら年に数回は専門医に行ってもらって、基本は当院への通院のみ。
また、しばらく専門医に通院していて、通院が途絶えていたとしても、久しぶりでも気軽に戻ってこれる、総合病院に通院しているけどワクチンや何かあった時だけでも通院できる。
こんな形がかかりつけ医としての機能としては理想かなと思っています。

家庭医をどう使うか。

3.ニーズに対応するのが僕の仕事

あらゆるニーズに対応していくのが僕の仕事です。
何か気になることがあれば、尋ねてみてください。
僕が対応できないとしても、対応できる先を探すのも僕の仕事です。
どんな相談でも解決につながる道筋を一緒に考えましょう。

主治医・副主治医・コーディネーター・アドバイザー、何でも相談窓口として気軽に利用していただきたいと思います。

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