各社に合わせたBIM導入の仕方を支援しています【Archicad】
前回の記事ではArchicadの得意・不得意なことと、導入する際に気を付けた方がよい点を紹介しましたが、株式会社白矩ではArchicadを各社の設計フローに合わせてどのような形で導入できるかを支援するサービスを行っています。この記事ではどのような支援を行っているか、簡単な概要を紹介します。
設計フローの確認、整理、BIM導入の目的設定
BIMの導入に当たっては、それまで社内で行っていた業務のフローに合った形でBIMに移行する必要があります。現在の業務フローやソフトの使用状況がどのようになっているのかをヒアリング・整理し、BIMを導入して何がしたいのかと言うゴールも抑えたうえで、どのような導入の仕方がよいのかを検討します。
Archicadの基本習得
実際の建築実務の流れに沿うような形でArchicadの基本操作や設定方法等が習得できるよう、既存テキストの紹介や、動画や画像等による補足説明を行います。また、BIMは基本的な操作をするために覚えることが多いため、習得フローを整理し、段階を追って少しずつ習得ができるようサポートします。
テンプレートやお気に入り設定を作成するためのフォーマット提供
各プロジェクトで使いまわせる共通の設定やテンプレートを準備する作業が、BIMを始めるうえで極めて重要であり、また同時に手間がかかります。しかし、Archicadはリテラシーを高めて何が出来るのかを分かった上でフローを整理しないと十分な効果を発揮できません。
BIMを導入してから、まずはどの項目をどのように設定すれば良いのかが分かりやすいよう、叩き台となるフォーマットを提供します。
CADの作図項目をBIMに置き換えた場合の手法
BIMは入力方法が制御されるため、これまで社内独自の方法でまとめられていたCADによる図面表現がそのままBIM上でも表現可能とは限りません。BIMではどのように出来るのかを項目別に整理し、業務フローに適した手法を提案します。
意匠図、軸組図、設備図をBIM上でまとめる手法の検討・提案
BIMはCADと異なり、ほぼ全ての一般図を同じモデルから切り出して作成します。そのため、図面に合わせてモデルをコピーし、表現をそれぞれに最適化するような作り方は非効率的かつ不整合の原因になってしまいます。
意匠図、軸組図、設備図はそれぞれ表現方法が少しずつ異なるため、1つのモデルから各図面を上手く表現できるような図面のまとめ方やモデルの管理方法を検討・提案します。
作製したフォーマットを実際のプロジェクトに適用した際に生じる問題に関する質疑応答・補正作業
ここまで事前に準備したBIMの運用フローや図面等のまとめ方も、実際の業務に落とし込んだ際に想定していたものと齟齬が生じてしまい、修正が必要になるケースは往々にしてあります。それぞれの問題の解決法を質疑応答で適宜解消するだけでなく、BIMフロー自体を見直して改善できるような提案を行います。
業務支援のプラグイン紹介
Archicadには公式の追加機能や、既存の外部プラグインが多く存在しています。Archicadの基本ツールだけでは扱いが難しい問題を解決できるようなプラグインがないか調査・提案を行います。
その他BIMモデリングに関係するTipsや対応方法の紹介
BIMソフトは包絡や集計を自動で行える半面、想定通りに動かないエラーや、仕様上出来なかった場合等の問題にぶつかりやすい面があります。改善するためには様々なQ+Aや資料を探し当てたり、資料がない場合にはモデルを触りながら原因を探る等、普段の業務を遮って非常に手間のかかる作業が必要になります。その作業を代行し、それぞれの問題の解決方法の検討・提案や、役立つTipsを紹介します。
おわりに
BIMソフトは便利で多機能な反面、使いこなせるようになるまでのハードルが高く、初期段階で設定する必要がある部分も多くあり、価格以外でも導入コストが高い傾向にあります。また、リテラシーが低い状態でフォーマットを固めることのリスクも大きく、想定よりも実務で生かすまでの道のりが長くなるため、スムーズな導入のために外部マネジメントの活用をおススメしています。