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傍のソバ・ハノイ編/Vuon Am ThucのBun Thang

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Bun Thang/ブンタンはミカンの一種で甘くてやや苦みのあるハノイ名産の果物です。 ウソです。
南のほうの観光地はブンタウ。1字違い。

Bunはコメ麺でフォーより細い円形断面の、半日か一晩寝かせて発酵させた、プリプリと弾力のあるソバです。具の違いでフォーよりも多くの種類があります。ライスペーパー系の巻モノに中に入れたり、鍋モノでご飯代わりにオカズと一緒に食べたりもします。チャーカーとか。

Bun Thangは高級ソバの部類に属します。道端の安い店で見かけることはあまりありません。
その理由として考えられるのは、具の調理が複雑で手間がかかるからです。錦糸卵、細切り蒸し鶏肉、煮椎茸にパクチーとネギ。五目ブンとワタシは呼んでいます。
もう一つの特徴はキリボシ大根が多くの店で添えられて出てくることです。ソバの合間につまんだり、スープに浸けて食べます。なかなか合います。

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ここはBun Thang界では有名な店で、ワタシはベトナム航空の機内誌のブンタン特集で見つけて行きました。住所は37 Cua Nam。
立派な店構えで中に入るとエアコンが効いていて、柵で仕切られた通路があって、ニッポンの高級デパ地下食堂のような趣です。
休日の朝に行くとワリと身なりのいい近所の中高年のヒト達がたくさん集まっていて、わいわい話をしながらソバを食べています。

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席に座ると店のオジョーが水とメニューを持ってきます。ほかの店みたいに大声で呼ぶ必要はありません。
朝食メニューはいくつかありますが、ブンタンの店なので一番上に書いてあるのを指さし注文します。あとはスイカジュースとか飲み物を頼んで待ちます。
5分くらいで湯気が立ち上る丼が運ばれてきて、あとは好きなように食べればいいだけ。ストレスを感じない店です。

スープに椎茸の味が染み出ていて、控えめながら奥深い味わい。パクチーもたっぷり入っていて、丼の上で匂いが混じり合います。
コロナのコの字も感じさせないヘイワな朝。

この店の近くにはカトリーヌドヌーブが30年前に映画のロケで来た時に通ったと言われるカフェがあります。観光地です。ワタシは行ったことがありません。
12年もいて観光名所の半分にも行っていません。ソバも含めた町そのもののおもしろさで十分です。

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