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ホテル絵日記/La Siesta Premium Sai Gon


ホーチミン2軒目です。ハノイの過剰フレンチデザインに飽きたとか言いながら、その本家本元La Siestaのホーチミン進出1号店に泊まりました。結論的にはいろんな意味でハノイのとは全然違いました。
 
ハノイのLa Siestaはコロナ中に何軒か売られました。Trip AdvisorのセカイTop 10に数年間居続けたところは残っていますが、以前ここで書いたTrendyという名前の小洒落たホテルはもうありません。
バスルームに換気扇のない悲惨なホテルは残っています。アイ人と泊まったら臭い関係になること必至です。
 
ここはどうやら居抜きで入ったようで最小限の改装でとりあえずオープンしたというところです。
デザインは過剰どころか、廊下 エレベーター辺りは100%古いままで場末の3スターの雰囲気。部屋も間取り自体は変えてないので普通です。
それでサービスだけハノイの、欧米人が喜ぶような密着対応、ワタシなりの言い方をすると抱き着きサービスをしようとしてるんだけど、こなれるまで時間がかかるように見えました。
 
例えば朝食を食べにレストランに行くとまずは席に案内してくれるかと思いきや、受付のアオザイおネーさんが何かむにゃむにゃ言うから聞くと、よく眠れましたかって、そんなことどうでもいいじゃん。
ハノイではマネージャーがお客の名前を全部覚えていて、外出から戻ると○○様、朝の御散歩はいかがでしたか、みたいに言うワケですが、ここでは何人かが寄ってきてただ無言で微笑むだけ。
 
極めつけはチェックイン、チェックアウトがやたら時間がかかって、飲み物持っていくからソファーでゆっくりして、みたいな感じで延々と待たされる。
チェックアウトの時はバスの時間もあったので遂に我慢できず催促しました。そうしたら、ああとっくに済んでるから行っていいですよ、ってそんな言い方?
金庫に忘れ物がないか、備品を破壊してないか、冷蔵庫の中身が減ってないかを調べるだけなのに20分もかかるかって。
 
部屋はとりあえず家具造作で多少色を付けたという感じ。全体的に曲線を使って柔らかさを出したかったんでしょう。収納、鏡、テーブルなど全部角を丸くしています。
ベッドのヘッドボードが布系の組み合わせでキレイでした。寝た時にアタマのところが重々しくないのは悪くありません。
バスルームのスライドドアにガラスの波板を使っていて、最小限の枠幅で戸袋まで作ってうまく納めていたところもウマいと感じ入りました。
 
デザイナーとは哀しい生き物でどんなときでもデザインしまくります。でもお客の予算の範囲を越えちゃったら絵に描いた餅に過ぎないワケです。
そういう意味ではここは最小限の改装でとりあえずオープンできればいいっていうお客の要望にうまく応えたとも見えますが、実際は現場で勝手にどんどん削られちゃったってことでしょう。
 
おもしろそうな所を選んで泊まっていますが外れることはあります。普段はつまらないと描きませんが今回は描きました。デザインの残骸を拾い集めました。

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