見出し画像

ハノイ制服図鑑/Sofitel Legend Metropole Hanoiの異国趣味アオザイ

画像1

ここはハノイで一番格式が高いホテルで、値段も一番高くて敷居も高い。短パン、サンダルでふらっと入る感じじゃありません。別にいいんだけど。
最近の話題としてはキムさんとトランプさんが決裂した場所でもあります。1年以上も前の話。
出会ったコーロは、こんな日が、来るとは思わーずーにーいたぁラララ。

ここは何十種類も制服があります。制服がシゴトを記号化している。
スパの受付嬢は、ここで揉んでもらうとこんなキレイになれる、かもしれないと、客に錯覚させる服を着ているし、客室係のオバサンは、タオルの交換に行くだけでも儀式のように廊下をするすると歩きます。
受付はホテルの顔だからホテルのすべてが映し込まれた服を着なければなりません。ましてやここはハノイの顔。

でデザインされたのはアオザイベースのどう見ても中華風のコレ。
帽子は結婚式で新婦がこういうのを被ります。悪くありません。顔が小さく見える。
襟が立ってるんだけどちょっと締まりがなくて、胸に刺繍で中華料理の皿の双喜模様みたいなモノがニョロニョロと書かれています。

ここはフランスのAccorが運営しているので、フランス人デザイナーがそれっぽくデザインしたものと想像します。ひとつのエキゾチシズムの表現として。
どうすればガイジンがベトナムっぽく感じるか、みたいなことをガイジンのアタマで考えた結果です。
そうするとやはり表現が誇張されたり歪められたりして、ちょっと違うものになるワケです。

似た例として、京都のリッツカールトンは主要なインテリアが欧米人のデザイナーによるものです。
ニッポンを意識しつついかに洗練させるかみたいなことで、カッコいいんだけどフシギな空間になっています。フジヤマゲイシャスタイル。
そういう、ブンカが混じり合っていく感じが見えるのは悪いことではありません。

ワタシは混じり合ったものを好みます。ベトナム化したニッポンスタイルの温泉とか、イカ明太子スパとか、カツカレーとか。ブンカの変容にこそ面白みがある。
ハノイの建築ではフランス統治時代にフランス人が設計した越仏様式の建物が好きです。歴史博物館とかホーチミン廟の近くにある外務省の建物とか。好き嫌いを言っても意味ないけど。
アジアっぽいんだけどヨーロッパ的なスタイル。ベトナム人に言わせるとあれはベトナムじゃないと。
でも大事に守られています。植民地時代の負の遺産、みたいな発想はない。

この絵の背景は受付カウンターの壁です。
このホテルには古い植民地時代のウィングと増築された新しいウィングがあり、どちらも広い道路に面していて入口があります。古いほうがメインでクラシックな車が置いてあったりします。
どちらの入口のカウンターにも壁にはたくさんの皿がこんな風に飾られていてなかなかウツクシイ。
古いほうは木目の古めかしい雰囲気です。どっちもいいんだけど敢て白いペンキの新しいほうを描きました。白い服と白い壁が合ってたりして。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?