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暗黒日記Z #18 「理想」

タイトルに冠してみた瞬間に「理想」って文字に対してのゲシュタルト崩壊が起きた。これ一種の異化効果というやつなのでは。どんな言葉も何かのタイトルとして据えるとゲシュタルト崩壊する説。

理想を語るということを試みる試み(重言)を試みて(重々言)(そんな言葉は無い)みようと思ったので試みて(重々々言)(「々」←これスマホだと「どう」って打ち込めば出せるんだね、いつも「たびたび」って打ってた)みることにする。

ちなみに「々」は「踊り字」というらしい。「ノマ」という通称しか知らなんだ。なんか最近この週報というか日記というかブレストというかつまり奥さんなんですけどを書く度に何かしら勉強になることがあるな。いや考えてみれば文章を書く時はいつもそうかも知れん。これって正しかったっけ? みたいなファクトチェック的なことを性格上せずにはいられないから、自然、いつもいつも、どんな種類の文章を書いていても論文でも書いているみたいな風情になってしまう。だっる。いいけど。

奥さんの件りは「ひろゆき 奥さん」で動画検索すれば元ネタが分かると思う。ごめんね変なこと言って。マジでこのこれ、この、文章のやつ。今あなたが読んどるこれ。ほぼほぼストレス発散みたいな感じで書いてんのよね。仕事でクソ真面目な、究極に型にハマった文章ばっかり書かされて、それでメシを食っているので、定期的にこうやってめちゃくちゃな物を書いて肩の力抜かないとやってらんねえ。だからもうデスクワークやってる時に隣の席の人が思いっ切り伸びをしてるのを「気持ちよさそー」って眺めるような感覚で読んでもらえりゃいいや。いまいちピンと来ない喩え。

一応断っとくと別にひろゆきは好きでも嫌いでもない。論点すり替え出羽守ネットのおもちゃおじさんくらいにしか思ってない。ぴすぴす。

えー、それでは。理想。まずはじゃあ、理想の小説とは。え、何だろうな。長くコクトーの「怖るべき子供たち」をわが理想の小説と思ってきたし、そこは今後も揺るがない気はするけど、ああいうものを書きたいかといったら……割と書きたいな。つか書こうとしてきてるな。あの小説内にある果たせない希望みたいなものは今まで自分が書いてきたやつ見渡すと必ずどこかしらに入れ込まれている気がする。何なら全部の主題が実はそれになっているかも。

届かない物を追いかけている人間の姿が好きなのかも知れない。届かない物、それすなわち理想である。理想を追い求めている人は美しい。この前も何かを何かしている人は美しいみたいなこと書いた気がする。でも本当にそう思うんだから仕方ない。理想を追っているということは、現状の自分にある欠落を自覚しているということだ。無いものがあることを知って、その穴を埋めようとしている。恋愛とはこの世に生まれ落ちた時に失った半身を探し求めることだ、的なことを何かの神話だったか古典だったかで聞いたことがあるけど、言ってみればそういうことである。対象が人でなくなっているだけで。理想を追うとはつまり失くした半身を求めて彷徨うことだと言えるだろう。憧れてしまうのは、生まれる前に自分がそれを手にしていたからなのだ。そこまでいくと過言であり私の意見はこの文節内の「その穴を埋めようとしている。」までであることを了解願いたい。それ以降は手の動くままに書いたテキトーでしかないよん。でーへーへー。

畢竟、渇いている人を描くのが好きなのだ。飢え渇いている人物の姿を描いた小説、それが理想。そういえば、先頃紹介した脚本術の本でも物語の登場人物については「劇的欲求」なるものを設定せねばならないとしていた。それはストーリー内でその人物が達成したいと考えている、もしくはストーリー上その人物に達成してもらわなければいけない最終目標のようなものらしい。面白いストーリーには劇的欲求が必要不可欠だということだった。それで言えば、何かに渇いている人物などあつらえ向きではないか。私のオブセッションは、どうやら面白さを生み出すうえではちょうど良いらしい。やったね。

全然関係ないけど鬼頭莫宏の新作が出てたので読んだ。まさかのボルダリング漫画だった。しかしこれがまた面白いのである。23歳のこれといってパッとしたところのない平々凡々なOLがボルダリングを楽しむだけの漫画なのだが、作者特有の軽妙な語り口のおかげで、特別な事件らしい事件はほぼ起こらないのに終始楽しい。それでいて、主人公が通うジムの常連の一人である大学生の青年にスポットが当たる話などは、個別の短編として出しても成立するだろうと思えるささやかながら感動を覚える仕上がりになっていた。やはり鬼頭莫宏は天才であるとしか言いようがない。

こちらで読めるのでぜひ。ステマじゃないよホントだよ。

何だろうな、理想ってタイトルにして最後にこれ紹介して終わるのってまるで鬼頭莫宏が理想みたいに見えるかもな。あながち間違いでもないけど漫画家ならやっぱりヤマシタトモコと市川春子と中村明日美子と魚喃キリコと楠本まきが理想で憧れですよ。こうして並べると脅威の「〇〇子」率。

では今日はこのへんで。

これ、YouTube広告で流れてきて最後まで聴いちゃうやつ久々にやった。この人のオリジナル曲って言われても違和感無い。後で本家聴きに言ったけど断然こっちの方が好きだったからワンコーラスで帰ってきた。

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