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暗黒日記Z #16 「2021年の総括 THE FINAL」

日曜だと普通に年越してしまうので滑り込みで今日書いておくことにした2021年の総括の総括。前回言った通りアニメとVtuberの話を中心にしていくわよ。

アニメ

アニメはまあ結構色々見た一年だったと思う。Prime Videoでdアニメストアに入ったのも確か今年なので、ここ数年の自分と比べても視聴時間は長かったほうなのでは無かろうか。特に好きだったのは以下の三作。

響け!ユーフォニアム

ずっと気になってた割に今年初めて観た。正直京アニの最高傑作なんじゃないかと思う。少なくとも自分の中では一番。「けいおん!」は思い出補正がえらいことになってしまっているので比較対象外とする。無理だよあれと何かを較べるのは。自分をオタクにした元凶の作品を何か別の作品と比較するなんてことは出来る訳がないだろ。より大元を辿っていくと「ハヤテのごとく!」という決定的な病理が存在するんだけどそんな話をしているとキリがなくなるのでひとまず置いておく。

「響け!」はとにかく演出がキレッキレだった。日本映画界を見渡してもここまでしっかり演出が徹底されている作品なかなか無いんじゃないかと思うくらい、細かい構図とかタイミングとか見ていけば見ていくほど極めて丁寧に計算されているのが分かったので、見始めてかなり早い段階でもうアニメというより映画を観る気持ちで視聴していこうと決めた。印象的なシーン・演出は本当にたくさんあるのだが、今ここで思いつくものとしては、まず一期のサンフェスが終了した瞬間である。汗を掻いている久美子の口許辺りが映ったかと思うと、青空をバックにして画面下部中央に久美子がいるだけというシンプルかつとても強烈な画面が現れる。いわゆる部活モノのアニメでのひとつのイベントが終了した瞬間として、あれを超える恰好良さを持ったシーンはなかなかないはずだ。

そしてもう一つ忘れられないのは、二期のあすか先輩の家に久美子が招かれて二人が対話するシーンだ。あすか先輩の逡巡し続けて無限にループしている想いを表すかのように、久美子とあすか先輩、そしてあすか先輩の部屋に置かれている物達が次々時計回りに傾いた状態で画面に映されていく。ごく短い時間で画面が次々に切り替わり、その度に画面が傾いていくのだ。斜めの切り返しによって画面上部にいる側のほうが優勢にあることを示す演出はよく見られるが、あんな風にきれいに一回転させてしまうのは見たことがなかったので衝撃的だった。それでいて、演出にそこまでこだわらず見ている人ならあまり気にならないのだろうと推察できるほどさりげなくそうした演出を用いているのが素晴らしいと思った。まったくこれ見よがしではないのだ。そこが最高にイカす。

少女革命ウテナ

幾原邦彦ファンを時折自称しながら最重要作と言えるだろうウテナを観ていなかったのでいつか観ようと思い始めて早数年。ようやくの視聴。最近のアニメと比べると話数は圧倒的に多いがあまりそんな印象もなかった。毎話まるでどういうことか分からない、とても正気とは思えない展開や演出があるせいで、最後まで飽きずに観通せた。絵の古さは気にはなるものの楠本まきを敬愛する人間なのでそこへの嫌悪感も無かった。なんとなく親しみすらあった。J・A・シーザーによる呪術的な合唱曲が流れる決闘のシーンでは毎回最高にテンション上がったし。「絶対運命黙示録」が流れる一連のバンクも飽き飽きするほど見せられたけどとうとう飽きることはなかったし。アングラサブカルや宝塚的・歌劇的な世界(相反するようにも思えるがそのどちらも愛してやまないという向きもきっと多いだろうことは確信を持てる)が好きな当時の少年少女達からすれば究極に理想を体現したアニメだったのだろうと思う。今なお伝説的な作品として語り継がれているのは、純粋に質が高いことだけでなく、そうした人々の熱があったからなのではないだろうか。

少女☆歌劇 レヴュースタァライト

これも幾原関係じゃねえか。仕方なし。だって好きなんだもんな。

自分のツイート検索してみたら2月にこんなこと言ってた。全面的に同意する。最終話まで観ての意見もこれとそんなに変わらない。幾原っぽいけど幾原よりロジックがしっかりしててちゃんと脚本がストーリーとして成り立ってる。幾原みたいな圧倒的演出力で疑問符という疑問符を全部押し流されて結果的に号泣させられてるなんてことがない。きちんと展開のひとつひとつに納得していきながら、積み上げて積み上げて積み上げて最後に崩れた瞬間のカタルシスで脳汁ドバドバ溢れ出るアニメになってた。しかもそういう作品でありつつ幾原を思わせるイカれた演出がそこらじゅうにあるんだから見ようによっちゃあ師匠超えてるんじゃないかとすら感じたりもする。ええ、大好きですこのアニメ、本当に。

Vtuber

今年もVtuberに狂いまくる一年だった。コンテンツの摂取量をグラフ化したらVtuberだけ他の数十倍になると思う。作業中に配信アーカイブ流せるっていうのがデカすぎる。ということで、今年よく見たな〜って人達を三人ご紹介。

ましろ

今年一番はましろくんで決まり。きっかけはよく覚えてないけど何かのタイミングで好きになってからしばらくの間ましろくんの配信しか見ていなかった時期がある。割と数ヶ月単位で。ホラーに特化してるっていうのとあまりコラボをしないのとで、他のにじさんじライバーとは違う世界観が作られているのがとても好き。たぶんセルフブランディングとかをちゃんと考えてもいるんだろうけど、そういう作為的なことを抜きにしてただ自分が好きだからそうしてるだけって感じもするのが良い。あと歌が上手すぎる。あともう普通にただただ可愛い。うん。余計なことは何も言う必要無かったな。可愛いんだ。可愛いから好きなんだ。それだけだったわ。

蛾楽ガラ

個人勢の中ではガラちゃんがダントツで好きだったし見てたな、今年。配信数そんなに多いわけじゃないんだけど、なんかずっと見てた気がする。何故だ。めーちゃくちゃうるせーんだけどめーちゃくちゃおもれーのよこの人。脊髄で喋ってる感じなのに出てくる言葉がぜんぶ面白いからマジでVtuberは天職だと思う。今後ともずっとやれる限り無理せず健康に楽しく続けていってもらいてえですわ。最初は確かTwitter漫画が面白くて興味持って、動画見てみたらもう編集キマってるし言うこともキマってるしなんか変な可愛さあるしこれは推すしかあるめえと速攻チャンネル登録をしたという流れだったような気がする。そんで割とすぐ友達にも布教した。デザインが良いと言われた……確か……。超分かる…………。

月ノ美兎

改めて月ノ美兎という人の面白さを体感する一年でもあった。この人は本当に底が見えない。デビューから現在に至るまでどんどんコンテンツとしての強度が上がっていっている。そりゃSCP認定もされるわ。

恐ろしいのが、色々他の人には思い付かない企画やってたり、ゲーム実況も思わぬ角度からのコメントを挿し挟みつつの異様なものにしたりしてるんだけど、一番面白いのは雑談配信っていうところ。そんなことある? うん、月ノ美兎なら全然ある。喋りが上手いってのはやっぱり最強なんだなってのを理解させられた。喋りさえ上手ければ何やっても面白くなるんだもん。誰も敵わんよこれは。(IMO)

総括の総括

という感じで、今年も今年とてここ数年と変わらず、総括するならばサブカルを追っかけ続けただけの一年だった。今年あたりそろそろ小説家として多少芽が出せるかなと思っていなくもなかったので心残りは全然ありまくる。しかし公募には三回しか出してないし、うち二回は来年結果が出るやつなのだから、成果が上がっていないのも自然といえば自然。来年はもっとコンスタントに公募に色々出していきたい。月一くらいで。

さすがに二十五なんていう年齢になってしまうと焦りも出てきてしまう。そうだ。今年を一言で表すなら「焦り」が最適かもしれない。私が憧れてきたミュージシャンや俳優は大概今の私くらいの年齢である程度世間から評価されていたので、このままではいけないとやたら焦っていた。もちろんそんな人々と自分を同一視するのは愚かだと分かってもいるので、半ば冗談めいた焦りである。焦っている振りをしていたとすら言えるかもしれない。焦っておくのも楽しいかもよ、という、貴族じみた遊び。事実として、見方によっては確かに焦るべき年齢ではあるのだが、まあまだ大丈夫だろうと高を括っている。来年あたり、どこかの会社に正社員として再就職することで収入を安定させつつ時間も確保して、よりしっかりと執筆に集中できる環境を作り上げたいと考えている。ずっと及び腰だった各種イベントにも参加してみたいという気持ちも強まりつつあるので、来年はもしかするとかなり活動的になるかもしれない。乞うご期待、という次第だ。

では今年の〆に。なんとなく気分として相応しいと思った。

よいお年を。

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