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宝物はモノがいい。

「宝物は何ですか?」と聞かれたら、大事な手紙、聴くたびに心をうたれるこのCD「Mr.Children 『SOUNDTRACKS』」、何度も読み返している本などが思い浮かびます。

特に私の本棚は、宝の山です。

放っておくと、すぐに本が溢れかえるため、定期的にかなりの冊数を処分してきました。ですから、いま本棚に残っている本は、激戦を勝ち抜いた精鋭たちです。

でも最近は、電子書籍が多くなりました。その時の気分に応じた本を読みたいので、以前は、常に3冊くらいの本を持ち歩いていました。ハードカバーの本がカバンに入っているときは、とても重かった・・・。

電子書籍だと、5冊でも10冊でもkindleに入れて持ち歩くことができます。
しかも、大事なところや感銘を受けたところに片手で簡単に線を引ける。紙の本だと、電車の中で立って読んでいるとき、線を引けず困ったものです。

新聞も電子版に切り替えたので、通勤電車の時間を、新聞→有料メルマガ→電子書籍を読む知的活動に充てることができる。携帯電話すら無かった小中学校の頃を思い起こすと、スマホは魔法ですね。


歴史を紐解くと、多くの偉人たちが、“宝物”を求めて、とてつもない時間と労力をかけていたことが分かります。

孫悟空の登場する『西遊記』は、唐の玄奘(三蔵法師)が天竺(インド)へ行って仏典を持ち帰る物語です。玄奘は実在の人物で、西域経由でインドに17年間にわたる旅行をおこない、インドからもち帰った大量の仏典をもとに、帰国後、大翻訳事業をおこないました。玄奘ー世界史の窓

今や、スマホ経由で瞬時にして世界中のデータにアクセスできる時代です。スマホを介して「頭脳」と「データ」がつながっている。スマホは頭脳の一部のように感じられます。

地球上に現れてから99.9%の時間を、人間は狩猟と採集をして暮らしてた。私たちの脳は、今でも当時の生活様式に最適化されている。脳はこの1万年変化していない──それが現実なのだ。(『スマホ脳』アンデシュ・ハンセン・著 久山葉子・訳 新潮社)

スマホに依存していると、環境に適応できていない頭脳がデータの海に飲み込まれ、破壊されてしまう恐ろしさがあります。

宝物は慈しむものですが、私の感覚では、まだデータを慈しめるには至っていません。スマホのKindleには電子書籍が溜まっていますが、お宝感はないですね。

宝物は、やはり身体で触れられるモノがいい。

デジタルアートなどに馴染んでくれば、いずれ感覚も変わってくるのでしょうか。

便利なスマホは大いに活用し、デジタルの芸術にも徐々に親しみながら、物質への愛着や身体の感覚も忘れないようにしたいものです。
(了)


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