見出し画像

田舎の余白の可能性(生物多様性について)

持続可能性を実質的に高めていくための重要なフィールドは、地方にある。(と、思う。)

地球の気候変動が言われてずいぶん経ちますけど、

いまだに「企業が頑張ること」「そこに投資すれば進む」みたいな、結局バーチャルな感じというか、肌感覚が無いまま、

「原発は嫌」とか「再エネでしょ」みたいなのも多くの人にとっては全部バーチャル。


頭でっかちは一旦置いといて。もうちょいリアルに汗かいて。

筋力というエネルギー使って体で感じてみるのも悪くないのでは?


そのフィールドが実は田舎には結構あるのです。


もちろん、遠い遠い国で乱発した不健全な金融商品の結果生じたリーマンショックが

日本の地方にも影響を与え、

ロシアのウクライナ侵攻も僕らの生活にすぐに影響が出る世の中ですから。


田舎だけでちまちま何かやって、何かが全部キレイに解決するなんてこと、

まずないのですが。


そこ諦めて、ただただバーチャルに「誰かが何とかするでしょ」というヒトゴト感では面白くない。


僕がいま興味を持っているのは、生物多様性。

いろんな生き物が居て、特に固有種・希少種と呼ばれるような、

元々そこに居た種が残っていて、食物連鎖を含めて豊かな自然を僕らに与えてくれているという見えにくいけどとってもありがたい現象。

僕の住む鳥取県にも、絶滅危惧種のイヌワシ・クマタカといった猛禽類が居て、

特別天然記念物のコウノトリも居て、学校の多くでは、そういった豊かな自然環境が地域の誇りだと教えられているみたい。

こういった地域の誇りでもある資産が、子どもたちが大人になる頃には失われている、というのは悲しいですよね。


そしてそれは、グローバルに世界がつながっちゃってる以上、僕らが輸入している相手国にも影響を与えているというのを知っておいた方が良くて。

例えば日本は、アジア諸国へ大きな環境負荷をかけながら快適な暮らしを享受しているようです。


相手におカネ払ってんだから良いじゃん。という単純な話ではなく。

むしろ相手国の「仕事」として重要であるからこそ、すぐには「やめよう!」とはできない。


僕のしている農業にしたって、

環境負荷はゼロではないのです。


より環境負荷を下げていこうと努力はしています。

が、理想的ではないこともまた受け入れないといけない。


「水田からメタンガスがいっぱい出てるから改善しよう」

みたいな記事がちょいちょい見られます。


いやいやいや。

食料生産です。

しかも、「最近」水田からのメタンガスが増えちゃってるならまだしも。

ずっと前からこうやってきたのです。


全体の温室効果ガスの一定の割合を占めているからといって、

「最近の温室効果ガス増加の主要因」ではないでしょ。


パンデミックで「エッセンシャルワーク」という言葉が注目されましたけど。


あとビジネス界では「存在意義」という意味の「パーパス」という横文字が流行っていますけど。


どっちもモヤモヤするんですよね。

確かにこのパンデミックで、「自分のやっている仕事が止まった時に世の中はどうなるか」をイメージできる良い機会を得ましたよね。

それは「存在意義」を見つめる機会でもあったと思います。


が、


いま流行りの「パーパス経営」は、

後付けで「ウチはこのために存在する!」と言い切って

「存在意義なし、と思いたくない!」

という感じが染み出て来てる。


激しい競争を生き残るために、少しでも便利に、快適に。

オーバースペックと思われてもどんどん開発してきた延長が今。


そこに「存在意義」無理やりこじつけてずっとやってたら、

いつまで経っても「先進国の過剰な快適さ」は止まらず、

それに伴って温室効果ガスは出るわ出るわ。生物多様性もぐちゃぐちゃにされるわ。


で、最終的に地球システムは人間が存在できる限界点を越えてしまう。


いま、いろんな理由で物流が滞っていて、クルマの生産とか支障が出てきていますよね。


サプライチェーンのグローバル化も、

もうそろそろ本気で見直して、部品が入ってこないなら入ってこないなりのやり方なり暮らし方でどうにかやっていく道を選べる柔軟性を持つべきなのではと思ってしまいます。


話がそれましたが。

生物多様性を脅かしている要因の一つには、

気候変動も含まれています。


もともとその生き物が棲むのに適した気温ではなくなったり。

豪雨などで環境が激変したり。


一方で、気候変動対策として取り組んでいる「再生可能エネルギー」の開発工事のために、

生物多様性が脅かされているという皮肉なことも起こっています。


山を削って大きな風力発電施設を作ることで、

その山に元々あった希少な植物は消滅し、生態系が変わるために、多くの動物にも影響し、

風車に鳥(特に希少な大型猛禽類)が衝突死することによる食物連鎖の変更も起こります。

これは太陽光も一緒。


でもでも、エネルギーは自給しないと戦争になったら弱いじゃん!


ってのはその通り。

だから本当に思うのは、エネルギー使い過ぎ。ってこと。


ここから先は

1,337字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?