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生と死の現場から見えるWell‐Beingを極めてリアルに考えた日

こんにちは。
白川悦子です。

つい先日ですが、人生のご褒美と思えるようなミラクルが起きたので、そのことを記録に残しておこうと思います。



富士通さんの社内番組に登壇⁈

富士通といえば知らない人はいない大企業。そちらの社内にTechLiveというオンラインの番組があるそうなのです。
その番組を製作している加藤文康さんという方とある日知り合って、わたしが登壇するという話がトントンと決まったのでした。
4年前から開催してきた生と死を考えるワークショップ「お先に天国〜いっぺん死んでみる〜」に加藤さんがご参加くださって、この取り組みを面白いと感じてくださったことがきっかけです。
それにしても、元看護師のわたしがお話しすることに、会社員の皆さんが興味を持ってくださるのか?という不安。
といってもTechLiveがどんなものなのか知らないわたしは、なんとなく面白そうだな〜くらいにしか感じていませんでした。

そして本番の3日前に「視聴の事前申し込み、1000人超えました!」
とメッセージをもらって一気に青ざめたわけです。
1000人とはどういうことか?
わたしがこれまでにこのワークショップでお話させてもらう時は多くて20人くらいの規模感ですから、これはどえらいことが起きた!と思いました。
深く考えると頭が真っ白になるので考えないことにしましたが、それでも恐ろしすぎて当日のお昼ご飯は全く味がしなかった(笑)

じたばたしても仕方ない。

頭が真っ白になってアワアワしないことを祈りつつ、本場が始まりました。
話す内容は自己紹介から始まり、わたしが今なぜこんなことをしているのか、そして臨死体験のワークショップのこと。それから会社員の皆さんに看護師歴25年のわたしからお伝えしたいことをいくつか。
加藤さんが絶妙にコントロールしてくださるので気持ちよく時間が流れ、お話しする内容はヘビーではありましたが充実感で高揚しました。

同時に無記名でコメントができるsli.doというツールが裏で動いていました。
視聴されている方が自由にコメントを入れてくださいます。
後から見せていただきましたがコメントの数がすごいことに!
わたしへのコメントと思われるものだけでも400近くが記されていて本当に驚きました。
それから画面に上ってくるハートや拍手のマークがものすごい数で。
「うわ〜っ」

終了後のアンケートでは評判良かったらしく、NPSという評価の数値がハイスコアだったと伺いました。
この話がすこしでも響いた方がいたのなら、登壇させてもらってよかったなーという気持ちに満ち溢れたのでした。



終わった後はちょっと放心状態で。
そりゃそうですよね。1000人以上の方がご視聴くださっている数字を見ながらお話するなんてことはこの先も多分ないです。
そしてたくさんの方がダイレクトメッセージをくださいました。
ご家族を亡くされた痛みを抱えている方、ご家族の介護をされている方、ご自分が闘病中だったり今後に不安を感じている方。
大きなものを抱えながらお仕事をしていらっしゃるのだなぁと。
話を聴いたり、相談に乗ることはできますのでお声をかけていただければと思っています。


質問やご意見にお返事したい

というわけで、わたしの人生には考えられないことが起きちゃったというのが感想。
ダイレクトメッセージには個人的にお返事させていただきましたが
sli.doに頂いた質問やご意見にお返事をする手段がありませんのでここに記しておこうとしています。

すべて読ませていただきました。お返事できるものをこちらに。

Q&A

Q1、今年38になる者です。8年前に出産を機に妻を亡くしたのですが、そのときの悲しみを押し殺して人生を送っていることに気づきました。ご紹介頂いたワークショップは、自身の命と向き合う事で、そうした心を浄化するような癒やしを得るキッカケにもなりますでしょうか?

A、 それは本当にお辛いことだと思います。出産を機に…喜びの中での突然のお別れなのですから受け入れられないのは当然だと思います。悲しみを押し殺して生きていることに気付かれたのですね。8年たっても苦しいのですから、いつまでも悲しみが癒えずに人生の最期までその苦しさを持ち続けてしまうかもしれません。押し殺すのではなく、感情は抑えずに感じきることが大事なことです。
その上で、亡くなられた奥様は何を望んでいると思うか考えられたら良いのではないかと思います。
いっぺん死んでみるワークショップで何が起きるかわたしには分かりませんが、ご自分が死ぬ体験をする中で、思い出も含めて何を手放して最後に何を残すのか。これから生きていく在り方について、ご自分の答え合わせになりますので、間違いなく欲しい答えのきっかけにはなると思います。
後悔のない人生が送れますように心から応援します。




Q2、父が末期ガンとなりましたが、ちゃらんぽらんで自己中心の昭和初期の頑固親父でして 愛情がわかずに介護している自分です、肉親の死のイメージが、他人と違うこと そのことに悩んでしまいます。

A、 親に対して愛情を感じられない人はたくさんいますし、そのこと自体に罪悪感を持つ必要は全くありません。親が死んでも泣かない人、やっと死んでくれたという人もいます。
愛情を感じない相手に介護していらっしゃる事実を尊敬します。
介護は大変ですので、出来得る限り他人の手を借りるサービスを使ってください。




Q3、 2カ月前に母を亡くしました。8年間入院していて、お話しされていたようなことがいろいろありました。最後は看取れなかったので後悔だらけですが、あまり考えすぎない方がいいんだろうなーと思うようにしています。対応してくださった病院の方々には感謝しかないです。

A、 お母さまを亡くされて、まだ心の整理がつかないことと思います。
最期の瞬間にその場にいられなかったことを悔やむ方がいらっしゃいますが、亡くなる方はそのタイミングを選んでいます。
「ずっとそばにいたのに、ちょっと目を離したすきに逝ってしまった…」と嘆く方がいらっしゃいますが、そのタイミングを見計らって逝かれたのです。
8年もの時間を心を砕かれたのですから十分やってさしあげられていますよ。




Q4、AED研修を受けましたが、とてもとても大変です!必死に臨む医療関係者に敬意を表します

A、はい、それは死に物狂いでやります。心マ(心臓マッサージ)は1分もすれば汗だくです。
昔、末期がんの患者さんの最期の時、ご家族が全員到着するまで生かしておいて!と希望されて心マを交代で1時間続けたことがありますが、私的には思い出しても嫌な記憶です。
逝ってしまうタイミングは選んでいると思うので、あの心マをやり続けた時間に意味はあったのだろうか…と思ってしまいます。




Q5、 身近な方の納棺を見たことがなく大人になって、初めて見るのが親だったり、パートナーだったりすると、とてもショックを受けるだろうなと思いました。変な話ですが、子供のころに祖父母や親戚を方のときに経験していてよかったのかなと。(その方からの、最後の教えというか)

A 同感です。
核家族化や少子化で死を見ることが少ないですよね。
どんな方であっても、それを見せることで教えを与えるのだと思います。
わたしは、「死ぬ話」と「お金の話」と「性の話」は子供の時にするのがいいと思っています。
だからお先に天国ワークショップを小学生を含めて全国民に体験してもらいたい(野望 (笑)




Q6、左半身がしびれて予約をお願いしたら【1週間後に事業所まで来い】って言われて何故か待とうとした自分(汗  
結局土日挟んで我慢できずに脳神経内科に飛び込みました(実は脳出血で脳神経外科に救急入院)が、何故言われるまま待ってしまったんでしょう?

A、 これを読んで絶句してしまったのですが。
たまに「え?なにそれ??」というような病院の対応を耳にします。
医療従事者もピンキリ(←口が悪くてすみません
ご自分の感覚を是非信じて動いてください。
ご無事で何よりでした!




Q7、心が荒れている方(それが理由で犯罪などをしようとしている方)、死のうとしている方などこのようなワークショップを受けることで考え方変わるのかなと思いました。

A、死のうとしている方は、「死にたいほど辛い」ということだと思います。それくらい辛い状況の中でこれを受けたいと思ってくださるのなら
なにかの希望を見出していただけるのではないかなぁ。
自殺防止支援の方にも知って欲しいと思っています。




Q8、ガンで余命を宣告された人が、突然死ではなく死ぬ準備をする時間があって突然死より良かったっていう話を聞いたことがあります。どうなんでしょう。

A、 はい。癌というのは自分で最期の準備ができ、会いたい人とお別れをすることができる疾患です。考え方はいろいろですが、そのような点で考えると救いがたくさんあると思います。




Q9、私が70歳になったときに70歳の友達が死んだらPPKと思わずに、突然死と思うかも。自分が年寄りとは思ってない

A、PPK(ピンピンコロリ)と突然死の違いは年齢のジャッジだと言いました。
最近の70代は精力的で若くてかっこいい人がたくさんいますので、そんな人が突然逝ってしまったらまさしく突然死ですね。
わたしもだんだん年齢の数字が大きくなってきて、年齢は関係ないと思いたいし思うようにしています。
自分の事を「年寄り」だと決めなければいいのです(笑)
80過ぎてもかっこいい人めざしてお互いに頑張りましょう!




Q10、3位以下の死因希望もちょっと知りたいと思いました。

A, わたしのワークショップで人気の二大死因は圧倒的に老衰とピンピンコロリですが、三位以下は「安楽死(日本ではできません)」「癌」「慢性疾患」です。まんじゅうをのどに詰まらせて逝きたいとおっしゃった方もいました。
TechLiveの加藤さんはフェスで大盛り上がりの中死にたいとおっしゃったような…?
この日のコメントに『100人の美女の涙に溺れて溺死』と書いてくださった方がいらっしゃいました。最高ですね、大好きです♥ 高田純次さんですか?




Q11、救急車は、通ってる病院を伝えてもそこには運んでもらえないんでしたっけ?

A、救急車の話をしましたが、受け入れ先の病院のERでベッドが空いていなければ、いつもの病院だと伝えたところでそこに運ぶことはありません。
搬送先がみつからないと、救急車に乗ったものの出発できないということはよくありますし、すごく遠くの病院に運ばれることもあります。
搬送先が見つからないときのドキドキ感…考えたくないですね。。。




Q12、ピンピンコロリになりたい人はどうするの?

A、ピンピンコロリしたくても、血管病は後遺症を残して助かることが多いからなかなかできませんよとお話しました。どうすればなれるのか?わたしも知りたいです。
医学的な根拠はありませんが、周りの人の迷惑を考えず本気で好きなことをやりまくったような人ってぽっくり逝ってしまうことが多いような気がします。でもそれって、死ぬまで病院にかかってないだけかもしれないなあ。。。と思ってみたりしています。まぁ幸せですよね。




Q13、セカンドピニオン側の医師の責任範囲って、どこまでなんでしょうか? コメンテータ的な感覚だと、厳しいです

A、親しいドクターに聞いてみました。
『コメンテーターにもなるし、患者さんの希望があれば担当医にもなります。(受けられる余裕があれば)』
とのことでした。なのでそのまま担当医変更ということもあります。




Q14、自分がやりたいことは思いつかないのですが、死ぬときにどうありたいか、は急に解像度があがるかんじがしました。

A、 死ぬときにどうありたいか、このワークショップで解像度が上がるのは保証します。
そして、やりたいことも見つかるのではないかなぁ♥




Q15、 未練はあってもいいけど、後悔は無いようにしたいですねー。

A、わたしもそう思います。やって失敗したことは思い出になりますが、やらなかったことは後悔につながると思います。
ご高齢の患者さんで、「何十年も前に好きだった人に気持ちを伝えればよかった」と話してくれる人が多かった。
たとえ失恋しても告白した方がいいですね。




Q16、義母があと数時間の命と言われましたが、その後5年間生きています。今もピンピン!!

A、こーいう話、たくさんありますよね。
どんなシチュエーションなのか看護師的には詳しく知りたいです。
ヤブ医者だったのか、それとも人智を超えた何かの力が働いたのか。
医学的には説明できないことも実際たくさんあるんじゃないかなぁ。
この手の話は大好きでわくわくします。




Q17、遺書と遺言書の違いは何ですか?

A、遺言書は法律用語です。遺言書は、法律で決まった形式通り書く必要があり、法的な効力があります。銀行とかで手続きに使うのは遺言書。遺書って銘打って書いてても形式さえ守っていれば、それも遺言書として使えます。
反対に、形式関係なく自由に書いているのは家族への「お手紙」の扱いで、こっちはいわゆる遺書になりますね。
(司法書士の友人に教えてもらいました)




Q18、 私の田舎では、県内のどこで倒れるかによってどの病院に運ばれるか決まるので、たとえ数メートルでもこっち側で倒れるべきだ(それが命運を左右する)と言われております。。

A、 めっちゃおもしろいですね。
よろめきながら境界線まで行く絵が頭の中に浮かびました。
評判の悪い病院は患者が少ないから働く人は楽なのかなあとか考えてしまった(不謹慎ですみません。。。




Q19、質問ではないですが

  1. 早くも目がウルウルです。

  2. いま、聞いているだけで、涙が出そうです。。

  3. 既に涙出てます

  4.  目から水が出てくる・・・

  5. 白川さんの話ぶりがソフトで、すごくイメージが沸いて、深く考えてしまいます。

  6. 考えてるだけで涙が止まらないです

  7. 先を考えただけで辛くて泣いちゃいそうです・・

  8. なんだか涙が出てしまいます。

  9. 死ぬときはぽっくり死にたいなと思ったけど、こうやって整理していくと、ぱっと手放したくないものばかりだ・・・つらい

  10. 涙がでます。

  11. 自分も心がぎゅっとなってきました…

  12. 大切なものを手放す、とか、いろいろ考えていたら、なんでか泣きそうになってきました。

A、 お仕事中のお時間に、辛い気持ちにさせてしまった方がたくさんいらっしゃったようでごめんなさい。
これはあるタイミングに集中していただいたコメントではなく、各所で悲しくなってしまった方がいたことがわかりました。
泣いてしまうような話をしたつもりは全くなかったのですが、過去の記憶に結びついたり、これからの未来を想像して不安な感情を持たれた方もいらしたかもしれません。
でも、泣くことは悪いことではないですし、考えたこともなかったことを想像するのも大事なことです。
いきなり、さぁどうする?みたいなことになるよりは、死というものを具体的に考えるのも必要ではないか…と勝手に思っています。
それから、亡くなった人の話をするとその方の周りにお花が咲くと言われています。
亡くなられた方のことを思い出してあげるのもいいですよね。




Q20、治療法の選択を迫られた時の話に寄せられたコメントです

  1. これって、本当に突然なんですよね。この決断ができるように事前に家族で話し合っておくっていうのは必要だと思いました。(経験談)

  2. うちの父は治療を断りました

  3. 義母と義父は、延命治療は断るように、事前にふたりで意識合わせしていたそうです。

  4. 私は父が倒れたとき「もう治療しないでください」と言いました。

  5. 我が家は、父のクモ膜下出血の治療の経験から、延命治療はしないと家族で決めています。

  6. この間、父の時に「何もしなくても良いです」としました。意外と、静かに苦しまないで亡くなったように思います。

  7. 父が亡くなった前に、延命措置の事を聞かれました。姉と相談して、意識が戻らない延命は辞めました。

A、ACPについてちゃんと相談して決められた人がたくさんいらっしゃって、さすが富士通社員さんだなぁと思いました。
何が正解なのかはどこにも答えはないですが、事前に相談できていたら、
見送ったあとの救いになります。




Q21、 私も今年脳出血して思ったんですけど、死の淵を見ると人生観変わりませんか?

A, はい。その通りだと思います。
それを狙ってこのワークショップをやっています。
頭で考えるだけなのと、体験するのは次元が違うからです。




Q22、 「お先に天国」は9/24以降はいつの開催がありますか?

A、今のところ9/24の次は11/18開催予定です。場所は同じ品川です。



Q23、セミナーの場所は大体いつも東京ですか?

A、呼んでいただければ納棺師の大森さんの予定を抑えた上で出張します。



Q24、オンラインでの開催予定はありますでしょうか

A、入棺体験できませんが10/7(土曜)10:00〜開催します。




全てにお返事できませんでしたが、ニヤニヤしたり、頷いたりしながらありがたく読ませていただきました。
ご視聴してくださった皆さん、コメントをくださった皆さん、ありがとうございました。


https://osakinitenngoku3.peatix.com/



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