詩「青い心」（あおいココロ）

あなたはそっぽをむきまして
青い荒野の真ん中を
きどって歩いておりましたので
ボクは小さな物陰から
ひとりぼっちの後ろ姿を
おもしろおかしく眺めていました

丸い背中で支えている
数え切れない青い心を
ボクは三歩うしろから
いつでも見上げておりましたので
ボクの小さな瞳の中は
青いお星で膨らみました

気づいているとわかっていました
気がついていると信じていました

枯れた枝先に　また一つ
乾いた砂山に　また一つ
青い心は惜しげもなく
淡々と配られていくものですから
ボクはどれほど手を伸ばそうかと
考えたことかしれません

時計の針がチクタクと
遠い昔になくなる頃に
それは　突然やってきました
靴ひもを直す背中の上から
転がりおちる　青い心

すっかりわかっておりましたけど
ボクはずる賢いドロボウ猫
そいつも悪くはありません
ひょいと　お口にくわえ直して
両手をしっかり手ぶらにしますと
青いあなたを見送りましょう
少しの未練もあるものですか

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〜創作日記〜
世の中に発表した初めての作品がこの詩です。

イラスト：ma_tsu様