ささやかなひかりを分け合って。

うーん、と唸って
捻り出すことが制作の殆どで、
でもそれらの殆どは誰にも触れることなく
自分でゴミ箱に捨てる。

そんな中でスルスルと出てくる瞬間が
ほんとうにごく稀にあって
それは十中八九、本当の言葉だ。

本当の言葉ってなんやねん
って言われると説明ができない。
けど、本当の言葉なのだ。

まだ出せた。
バンドの頃も含めると
もう50曲くらいは人前でやっているのだけど、
まだ出せた。
まだ出せたので、まだやれる。
これが嬉しい。きっとこれが一番嬉しい。
もちろんそれらが評価されることも嬉しいのだけど、
本当の言葉で書けた喜びを
他のことが超えることはない。
全人類に「全く理解できない」と言われたとしても
自分が納得のいく本当の言葉が一番良い。

芸術と商業が相反するものだという意味がよくわかってきた。
人が求めるものを作るのが商業で
自分が求めるものを生み出すのが芸術なのだな。そのふたつの間のバランスをうまく取ることが
長く続けていく秘訣なんだと思う。
ただそれを続けていくと
本心がどこにあるのかがわからなくなってくることも確かにある。

言葉というのは恐ろしいもので
思ってもないことでも
口にし続けると
さもそれが本当に思っているかのように錯覚してしまう。
だから、商業的なことにベクトルを向けるのは
心の破壊に繋がりかねない。

だから
スルスルと出てきたことが嬉しい。
アートなんて言うとそれっぽく聞こえて
程の良い言葉に聞こえてうそっぽくて好きじゃない。
ただのエゴ。それで良い。
ただのエゴがまだ出てくる。
不純であることさえピュアである。

まだまだ音楽やれそうだ。嬉しいなぁ。
ついでに売れたらいいなぁ。

「そんなら生半可な気持ちで売れると思うなよ」って幾度となく言われてるけど、
売れるための行動をして売れるなら
もうみんな売れてるのでは?
といつも心の中で思ってた。

自分の中にあるエゴを
「もう無理だ」と思っても尚
探求して、もう何も出来ないって思えるところまでやって初めて売れるんじゃないかと思う。
それぐらい真摯に向き合って初めて手にできるものだと思う。

また次に訪れる本当の言葉と出会う瞬間のために
ペンを握るし、キーボードを打つし、ギターを弾く。
結果はどうあれ、だ。

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