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炙りちゃんの実録哀しきヲタク回顧2 「メイド写真集。」

好きな女の子の写真集っていいですよね。
こう、顔とかそれ以外の細部まで見れるというか。舐め回せるというか。なんなら舐め回しすぎてデロデロですよね。ちょっと舐めすぎて紙の白い繊維がチラチラ見え始めちゃってるよ、みたいな。

そんな舐め回し便利アイテム 写真集なんですけども、実は以前私もメイドという職業を卒業する(自己紹介参照)時に、まあそのお店の卒業の際の慣習みたいなものだったのですが、写真集を出させていただくことになりまして。
有難いことに、ゴミみたいな顔面でも好きだよ、と。自信持って、と。まあ記念になるしな、とその写真集を買ってくれた人達がいたわけです。

あの節に買ってくれた人たち、本当にありがとう。そろそろキャンプファイヤーの時期ですね。薪におススメです。

まあ、僕は心の中で買いましたなんて人もいるとは思いますけどね。本当にありがとうね。そろそろキャンプファイヤーの時期ですね。薪におススメです。

今回はそんな私の写真集についての話。

実は私、写真集を2つ出しています。まあ出版社から出したとかではなくて自主制作のちんけな、もうそれこそウンコみたいな写真集ですよ。そんなウンコも受け取り手によっては大切にしてくださっている方もいるんだから本当に有難い話です。
で、その2冊の写真集というのは、さっき言った自分のメイド卒業式に出したものと、その1年前(2018年)の自分の生誕祭の時に、これもまあ生誕祭の時の慣習みたいな感じで、出したものでした。

(メイド喫茶のシステムを知らん人へ
知ってる人は飛ばしてケロ。
・メイド卒業式について→普通の仕事やバイトと違って、メイドを辞める時は退職=卒業とし、卒業式を開きます。お店にもよりますが、学校の卒業式みたいに卒業するメイドを送り出します。
・メイド生誕祭について→アイドルの生誕とほぼ変わりません。私がお給仕していたところでは、メイドさん1人につき年1で生誕イベントがあって、そのイベントの日は一日中開店から閉店までお誕生日のメイドさんのために(と言っても過言ではないくらい盛大に)営業します。

要するにどっちも特別な日です。)

生きているうちに写真集2つも出すなんて、慣習とはいえよっぽど自分に自信があるんだなと思ったそこのイキリクソヲタク。
それはまったくの間違いです。
私は自分の顔が本当に嫌いだから。

じゃあなんでメイドやってたんだよ、みたいな話は今度別でしますね。それまで興味持ってろよ。

話を戻しますが、そりゃあ、自分の顔好きだわ今日、みたいな日もないことはないんだけれども、写真という媒体に残るとなると話は別なわけです。媒体に残すなら理想の自分でいたいと思うタイプの人だったんですね私は。自撮りも他撮りもフィルムもデジタルも。だから初めて写真集を作るとなった時、上がってきた写真をしこたま加工をしました。写真をとってくれたはるかさんすいません。写真はいいのに顔が良くないんです。

これでもかと顎を削り、目の幅を器用に調節し、口の大きさ・唇の薄さまで操り、本当にしこたま加工しました。もうね、それは私ではありません。

私から生まれた悲しきミュータントなわけです。

「早く人間になりたい」とかほざいているんです。可哀想でしょう。外見だけヤムチャからベジータに変身させたみたいな話なんで、もう本当に脆いんですよ。気円斬出すフリはするけど、出てんのただの微風みたいなね。強がっちゃってるわけです。

そんなわけで、人生で最初の写真集はミュータント編という感じなんだけれども。その写真集、写真以外にもミュータントポイントがありまして。

写真集タイトルが「カワイくない」なのですが、自分の可愛くない部分について手書きでノートに書いた後、そのノートを撮ってそのまま写真集の写真の一枚として貼っつけるという変な尖り方をしているのです。

別に己の字が綺麗なわけじゃない。しかし詩的な、その時の悲観的な気持ちをクリエイティブなものとして昇華したい。

技術もねえのにそんなことをやっちゃったもんなんでまあ酷い。大火傷です。別に写真集のページそれぞれにに文字が打ち込めないというわけではありませんでした。普通に文字を打ちたいと思えばちゃんと打てました。なのにあえて手書きで書いてそれを写真にして貼っつけました。

「世界が優しいだけなんです。
ただ
それだけなんです。」
「"憧れ"にならない私を
どうしようもなく
殺したくなります。」

この上の文、手書きでした。
なんか辛かったのかな、その時。
なんかしんどかったのかな、その時。

まあ当時はそれがカッコいいとおもってたんでしょう。鼻息巻いてましたもの。入稿した時。

その時買ってくれた人(本当に買ってくれてありがとう。私の大事な成長過程を見たと思って許してほしい。)がどう思ってるか知りませんが、あとでもらった完成本見て大火傷喰らいましたよ。自信満々にフリーザが「ドドリアさんッ行きますよ」と言っているのにドドリアそこで嘔吐して痙攣ましたもの。吐いても吐いても止まらねえ。中二病が止まらねえんです。

このように中二病性を帯びた私の第1作目の写真集。私は、変な話それを踏み台にして、2作目を作ろうと決心しました。もう火傷はしないぞ、と。火の元には近づかないぞ、と。

そして迎えた2作目制作。
まず、写真。

私はまず、アキバ界のジョブズと呼んでいるクリエイティブの神 はるかさん(私が働いていたメイド喫茶の店長)にお願いして、私を撮って頂くことにしました。もう本当に綺麗な写真ばかりでですね、これは顔面加工してはいかんな、己のポテンシャルで挑もう、と写真の色温度とかそんなまあちょっと細かい部分だけいじって終わったんですね。もとの写真が良すぎて(あ、顔がよかったとかじゃなくてね)悲しきミュータントにならずに済んだのです。ありがとう神。ありがとう世界。

写真は終わった。では次は…
そう文 。
とはいえ火傷を負わない為にも書かない方が賢明だ。やめよう。

本当にそう思えればよかった。

しかし、なぜか私は写真集用に文章を書き上げちゃったのです。それこそ再び鼻息巻いて書き上げましたよ。
メイド最後の写真集だからって言って、思いっきり書き上げましたよ。エッセイなんかじゃなく、普通の物語を。私の生きたこの物語を。
前回と違い、今度はちゃんと文字を打った。
少し長いけれど一生懸命書いたんだ。気持ちが大事なんだ。
そう思い、
そして入稿、完了ー。

まあ文、結局書いちゃったけど〜〜前回より成長してるっしょ〜〜最近卒論で文いっぱい書いてたし〜〜大丈夫っしょ〜〜みたいな感じでフリーザも一安心なわけです。これでフリーザ軍も安泰ね、と。ザーボンさんも元気そう。ドドリアさんも復活しましたね。オホホホ
まあ本物のドラゴンボールだとこんな微笑ましいシーン1mmもないんですけど。

その時でした。

お゛ぇ゛え゛ッッッ
ドドリアが嘔吐しているわけです。
「ドドリアァアアああッどうしたんだ…!!」
「グフッ……」
「おい、大丈夫かぁああっ!!」
「ハ、はめられ、た……」
ドドリアは昨日食べた油そばをブクブクさせながら、今にも消えそうな声でこう言ったのです

「あれ…やっぱダサい、よね…?」

お゛ろ゛ろ゛ろ゛ろ゛ろ゛ろ゛ッ

これはフリーザが悪いわけでも、ザーボンが悪いわけでも、ましてやゲロを吐いたドドリアが悪いわけでもない。
悪いのはキャンプファイヤーだったのです。

そう2作目入稿前キャンプファイヤーの火が私を惑わせ、嵌めたのです…。

「前回の文、カッコよかったよ」とね…。


(完)
炙りトロサーモン。