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【金曜日のしかけ#18】7年続く組織文化委員会

すみません!「日刊7秒しかけ」なのですが

毎週金曜日は「7秒しかけ」ではなく、フツーの会社の「すごいしかけ」を紹介します。

フツーの会社の「すごいしかけ」とは、GoogleやAmazon等の一流企業が実践しているしかけではなく、隣の優良な中小ベンチャー企業にしかけ研究家白潟がインタビューさせてもらい発見したしかけです。

この記事ではネームバリューや業界特性ではなくすごいしかけ社長の工夫をニュートラルに読んでもらいたいので会社名は最後に紹介します。

ただ、気になるかと思いますので、社長の名前だけは先に公開したいと思います。

第18弾の「すごいしかけ」は原岡社長の「7年続く組織文化委員会」です。

一般的に”組織文化委員会”のような組織活性化、MVV浸透などをミッションにした委員会は数年で形骸化し、残念ながら機能し続けることが難しいです。

今日はそんな委員会を7年も継続している貴重な成功事例をみなさんに紹介したいと思います。

1 7年続く組織文化委員会の内容

7年続く組織文化委員会は、毎年入れ替わる4人~5人のメンバーによって構成されます。

メンバーの選出は、前年のメンバーが翌年のメンバーを推薦する形で行われます。(比較的社歴の浅い若手メンバーになることが多い)

このメンバーたちで社内コミュニケーションを促進し、”会社をもっとよくする”をゴールに様々な制度・仕組み・イベントを立案し実行していきます。

委員会の具体的な活動内容を次に示します。

① 委員で議論し会社を良くする企画を毎月考える
BBQ・映画鑑賞会・ボーリング大会や、季節毎に実施するバレンタインホワイトデー、お花見、七夕、クリスマス会、正月等のイベント企画を考えます。

ちなみに、夜のイベント参加率は7~8割だそうです。原岡社長、幹部も毎回参加されています。

加えて、働きやすさを改善するためにワーケーション制度シエスタ制度(昼寝)等の制度の設計をしたり、会社を良くするため目安箱設置の企画を考えたりしています。

オフィス移転時にはオフィスレイアウトの設計も考えます。

② ①の企画を原岡社長に提案し、実現可能性と効果で企画の可否を原岡社長が決定する

③ 委員が②を現場に導入する

組織文化委員会という名前ですが、活動の実態は人事部・総務部の企画活動と変わりありません。

若いメンバーに全社的なイベント・制度を考えさせ、社長に提案する機会を与えることで、メンバーには部分最適でなく全社目線が醸成されます

組織文化委員会が原岡社長に提案し、採用された制度・仕組みの一部を紹介します。

・ 部活動制度
3人以上のメンバーを集めて部活をつくることができます。サウナ部・ボードゲーム部・音楽部などの部活が存在しています。

・ ビヨンド図鑑
社内のみで公開されている、社員プロフィールです。
新しくメンバーが入社した時に、顔と名前を覚える際に活用したり、既存メンバーへ新規メンバーの紹介で活用しています。

・ 昼礼当番のスピーチテーマ管理
毎日お昼頃に全員で昼礼を実施しています。昼礼当番の人は、昼礼の進行とその日のテーマに沿ったスピーチおこなっていますが、そのスピーチテーマを組織文化委員会が決めています。

・ 毎週決まった曜日にコーヒーブレイクの時間を設ける
リモートワークが増えたので、社員同士のコミュニケーション不足を解消するため。

・ シエスタ制度
通常の休憩とは別に、1日1回15分寝たり、音楽を聴いたり、お茶を飲んでゆっくりしたりしてもよい制度です。エンジニアとかは、休憩室で横になって寝ています。

・ ワーケーション制度
観光地やリゾート地など普段とは違う場所でテレワークを活用し、働きながら休暇をとる過ごし方です。

・ 目安箱設置
社内環境の改善のため社内メンバーの声を聞ける目安箱を設置しました。

2 このしかけのすごいところ

7年続いている理由① メンバーが毎年入れ替わる
すでにご紹介した通り1年ごとにメンバーを入れ替えています。

メンバーによって持っている視点も違いますし、企画の強みも違うため委員会がマンネリ化することを防いでいます

7年続いている理由② 組織文化以外のテーマも取り扱う
実はこの組織文化委員会では「組織文化委員会」というネーミングですが、働く環境やオフィス移転などのテーマも取り扱っています。

「会社をもっとよくする」というミッションであれば管轄などを気にしすぎることなく自由に提案できる環境が7年継続に繋がってきます。

7年続いている理由③ コアバリュー連動型だから
組織の活性化や社内の課題解決は部署や役職の垣根を超えた大きな提言力を必要とします。

それをただ委員会を形成しただけで、結果を出すというのは酷な話です。

原岡社長が組織文化委員会を成功させているのは、これがコアバリュー「コミュニケーション」を体現する活動だと定義づけて実践させていることと、MVV経営を実践され日々MVVを全社員に浸透させているからなんです。

<コアバリュー>
・ コミュニケーション
【褒める・認める・感謝する】
前向きに考える ありがとうを伝える 笑顔になる 強みを活かす

・ スピード
【頼る・任せる・すぐにやる】
自分から動く スピードを意識する

・ ホスピタリティ
【おもてなし・思いやり】
相手の求める価値を考える 誠実な仕事をする 熱量を持って取り組む 責任を持つ

3 自社に導入する際の工夫・注意点

①  組織活性化やエンゲージメント向上をねらいにする活動にはMVVに紐づける
2章でご説明した通り、制度を作るだけでなくMVVに紐づけるなどの工夫をしなければ形骸化してしまうでしょう。

②  活動内容や成果をタイトに制限しない
ただでさえマンネリ化してしまいやすいテーマなので、自社で実践される際には最低限の制限以外は設けず、なるべく自由に活動してもらうといいでしょう

③  会社のアンチをメンバーにしない
大きな影響力を持つ組織ですので、メンバーの構成を工夫するといいでしょう。

モチベーションや会社に対するロイヤリティが著しく低いメンバーがいると委員会が失敗するだけでなく会社全体の組織に悪影響を及ぼしかねません

原岡社長のケースは日頃からMVV経営を実践している環境下なのでメンバーにはアンチが存在していません。

なので、選定がある程度自由でも問題がないという背景があります。

4 すごいしかけの会社はコチラ!

すごいしかけ「7年続く組織文化委員会」を実践されている会社は、本社が大阪市浪速区にある『共に創り支え続ける』を企業理念に掲げている株式会社ビヨンドです!

飄々とした天才児、原岡社長が経営されておられる会社です。

現在、下記の事業を展開されています。

<クラウド/サーバー事業>
クラウド/サーバー設計や構築・移行、24時間365日の運用保守・監視まで、クラウドに特化したサービスを展開し、日本・カナダのエンジニアで、24時間365日有人対応のローテーション・時差を活用した技術サポート体制を確立しています。

<システム開発事業>
ゲーム・アプリ・デジタルコンテンツなどのWebシステム開発、サーバーサイドのAPI開発をおこなっています。OSS(オープンソースソフトウェア)での開発技術や、クラウド技術を活用した、確かな品質のシステムをご提供いたします。

<Webサービス事業>
自社サービスである「予約システム EDISONE」「Webサイト監視サービス Appmill」「WordPress クラウドサーバー ウェブスピード」など、様々なクラウドサービスの企画・開発・運営をおこなっています。

今日も、「日刊7秒しかけ」を読んでくれてありがとうございます。

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それでは、また来週!


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