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コーヒーを受け付けないカラダ(某コーヒーチェーン店のものに限る)

コーヒーが大好きだった。
会社の近くに出来た某コーヒーチェーン店で、上から二番目の大きなサイズのコーヒーを一日に三杯くらい飲んでいたこともある。
どうやったら美味しく上手に入れられるのか、セミナーに行っていたこともある。

それなのに。
ある日突然。

コーヒーを大量に飲むと貧血のような状態になるようになってしまった。
まずお腹が痛くなってくる。
だんだんと血の気が引いてくる。
しまいには目が回って気持ち悪くなる。
立てなくなって寝込んでしまう。
汚い話で恐縮だが、
そうなってしまったら水を飲んでも吐いてしまう。
最初にこの症状が現れた時、
仕事帰りのお腹が空いているところにコーヒーを飲んだからだと思っていた。すきっ腹に刺激物のコーヒーを飲んじゃったからなア、なんて。
いや、実は兆候はその前からあった。
ある日、東京から帰る時、テイクアウトで買ったコーヒーを飲みながら高速バスに揺られていた。
私は車に酔わない。
そりゃ、本を読んだりスマホでゲームをやっちゃったら酔うかもしれないけど。
乱視の私にはそのどちらも辛いからやったことがないのでわからない。
長距離バスでは音楽を聴いているか、寝ているかなので酔ったことがないのだ。
なのだけれど、その日は、何だか途中から軽く気持ちが悪かった。
ただ、その日は運転が荒い運転手に当たってしまったため、そのせいだとばかり思っていた。
でも、後から思えばコーヒーを飲んでいたせいかもしれない。
その後も具合が悪くなる事が多くなり、
そんな時、決まってコーヒーが手元にあった。
最初から酷かったわけではなくて、だんだんと酷くなったようなのだ。

これが「コーヒーアレルギー」というやつかもしれない。

そう思うのは必然だ。
どうも、コーヒーに含まれる物質のひとつである「シュウ酸」に反応しているらしい。
バリスタを目指しながらコーヒーアレルギーになり、挫折する人もいるらしい。
もしくは吐きながら練習する人もいるらしい。
その後も、仕事帰りに受講したコーヒーセミナーで浴びるようにコーヒーを飲んだ夜は酷かった…
朝方までトイレとベッドの往復で、眠れなかったぐらいだ。
それ以来、カフェイン依存症の様にコーヒーを飲んでいたのに怖くて飲めなくなった。
おそらく、私の中にある、いちどきにカフェインを受け入れる器が一杯になってしまったんだ。
でも、ある日、気付いた。

他の店のコーヒーは平気かもしれない。

症状が出始めた頃、出かけた先でコーヒーを飲むのが恐ろしくて、
ディカフェという、カフェインを除いたコーヒーを飲んだこともある。
砂糖を入れたコーヒーが飲めないので、ミルクを多めに入れてみたりもした。
紅茶を飲んでみたり、ミネラルウォーターを飲んでしのいだりもしてみたが、もともと好きなものはやっぱり止められない。
宿泊を伴う遠出をした際、最悪、ホテルで休めばいいや、と
我慢できずにコーヒーを飲んだ。
某コーヒーチェーン店とは別の店のもので。

症状は出なかった。

どうも、某コーヒーチェーン店のコーヒーを飲んだ時だけ、症状が出る様なのだ。
その日だけではなく、いろいろなお店でコーヒーを頼みまくって実感した。
やはり、他のお店のコーヒーでは症状が出にくい。
バケツみたいなカップで大量に飲んだら、症状が出るかもしれないけれど、怖くてそれは実証できていないが・・・
高級なコーヒーマシンを使っているというその某コーヒーチェーン店。
余すことなくコーヒーの成分を抽出するからなのか、
他の店より格段にコーヒーが濃いからなのか。
ドリップコーヒーをオーダーしたが最後、
ブラックだろうが、ミルクを入れようが、てきめん、症状が出る。
それに気付いてからは、店員さんと顔見知りになるくらい通い詰めたお店にも通わなくなってしまった。
でも、通わなくなって気付いたことがある。
どうも、ブランドでお店に行っていたのではなかったか。
本当にそのお店のコーヒーが美味しいと思っていたのか。
大きなサイズでコーヒーが買えるお店が職場の近くにあるのはありがたいことだけれど、行けなくなったことでいろいろ考えることがある。
第一、節約にもなるし。

ただ、このお店のコーヒーが飲めなくなっただけで、他の飲み物を飲む分には支障がないし、会社帰りに気分転換に寄ったり、本を読みに行ったりしている。
昼休みに散歩がてら、午後の仕事に活を入れるために飲み物を買いに行くこともある。

今でもコーヒーは大好きである。
一杯も飲まない日は本当に体調が悪い日だけではあるが、
コーヒーアレルギー、結構ひどい。
もう二度と自分の身に起こって欲しくない。








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