こう見えて繊細(すぎるん)です

取っ散らかった机から偉そうに言うことではないけれど。
私、こう見えて「繊細さん」なんです!
いわゆる、診断的なものは受けていない。
というのは、事実として決定してしまうと、自他ともに認めざるを得なくなって、それはそれで恐ろしいからだ。
とはいえ、関連の記事やこだわりが強い項目、気になってどうしようもない事項など、調べれば調べるほど当てはまるところが多過ぎる。
人を見た目で判断してはいけない。

さらに言うと、一定の音に対しての過敏度が特に強い。
例えば、一番許せないのが咳払い。
職場で、私の左隣の席はいわゆる「お局サマ」なのだが、
(本当はこういう言い方って好きではない。でも、こうとしか言いようがないと言えば、お分かりになるだろうか。)
毎朝、出勤してきた当初から、轟くような咳払いをなさる。
ひっきりなしに。
それが一日中続く。
その度にこちらとしては、席を蹴って走り出したり、「うるさい!」と一喝したい衝動に駆られるので、何食わぬ顔をしながら抑えるのに必死である。
どうしても我慢が出来ない時には、
行きたくもないお手洗いや、洗いたくもない手を洗いに給湯室に行ったりもする。
時にはそっと彼女側の耳をふさいだり、出来うる限りの距離を取ったり・・・
本当は耳栓をしたいところだが、
彼女側の私の耳は「利き耳」で、電話応対に必要なので泣く泣く我慢しているのである。
ちなみに、目の前に座る上司も、飲酒が過ぎた次の日や、ストレスが高い日は喉から血が出るんじゃないかというくらいの咳払いと、
耳がおかしくなるんじゃないかと思わず心配して見つめてしまうような鼻すすりをする。
こちらにしてみると、そういう朝は、
どんなに天気が良くても、気分は氷雨の降る冷たい朝である。
それから、飲み物をCMのように音を出して飲む音もダメである。
実は、元家族がこの人種で、
お茶だろうが、ペットボトルの飲料だろうが、何かを飲むたびに
「ごっくん!ごっくん!」
と音がする。
あまりにも辛いので、
すまないが、音を出さずに飲んでほしい、と訴えてみたが、
「そんなことできるわけないじゃないか!」
と逆ギレされるか、
すごくイヤな目つきでじろりと睨まれて終わり。
今だったら、「ミソフォニア」だとか、「音過敏症」だとか、
特定の音に対しての嫌悪を感じてしまう人の存在がわかってきて、
私のような人間に対する情報が得られるようになったけれど、
その当時はただ単なるワガママでイヤな奴扱いでつらかったなア。
他にも爪同士をこすり合わせる音、机等に爪を打ち付ける音など、
他の人からすればどうってことのない音でも、
こちらにしてみれば生理的に許せないものがあるので、地味につらい。
「嫌い」なんじゃない。
「生理的に許せない」のだ。
この違いは大きい。

総務に所属している身として、
備品の在庫管理も日々の業務としてになっているが、
こちらにも「繊細さん」の特性を遺憾なく発揮している。
在庫がなくなる事の恐怖、である。
同じものが同じところに、一定数きちんとしまわれていないと落ち着かず、
しかも、角が揃えられていないと嫌なのだ。
モノの在庫や場所を聞かれて答えられないと非常に落ち込む。
最後のひとつを出庫して無申告な奴がいると、怒りに燃える。
無くなってから購入すると入荷するまでの時間に対しての不安感も強いので、常に在庫が気になって仕方がない。
こちらの特性は利益の方が多いから、まあ、いいか。

服装にそんなにうるさくない職場なのをいいことに、
耳にはピアスだらけ、もともと色が薄い髪をロングに伸ばし、
親譲りの強気で派手な顔立ち、
(造りは似ていないくせにそういう所だけばっちり似ている)
お局のかつての意地悪にもめげず、大股の速足で社内を移動している私であるが、実は人知れず悩んでいるのである。
いっそのこと、職場に診断書を提出しようかと本気で悩んだこともあるが、
田舎なので、このような症状の診断書を作成してくれるような医者がいないせいもあって、そこの手前で踏みとどまってはいるが。
そんな私も他の繊細さんにとっては
殺意を覚えるくらいガサツなところもあるかもしれない。
繊細さんにとって、それぞれの気になるポイントは多種多様である。
ゼッケンみたいに貼り付けて歩いたら楽になるかな、などと、
その日の健康状態によって、気になり方のヴォリュームが変わる私は
くだらないことを真剣に考えていたりもする。
少し、周りに気配りが出来る人が増えて、
生きづらさを感じている人が少しは減ったらいいのにな。






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