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映画感想『デジモンアドベンチャー 02 THE BEGINNING』

※映画公開当時に書いたものの再投稿です。
※取り留めなく書いているのでキッチリした感想ではありません。話があちこちに飛ぶ可能性アリ。結構否定的な感想を書いています。悪しからず。

 どうもこんにちは。

 というわけで、見てきました『デジモンアドベンチャー 02 THE BEGINNING』。映画の時間含めて往復6時間はかけて見に行きました。

 シアター前でウッキウキでこんな写真撮るくらいには興奮してました。というか「三年ぶりにデジモンの新作映画を劇場で見られるんだ!!」という喜びが大前提としてあったので、見る前はホントに楽しみにしてたんですよね……(不穏な書き方)。

 特に今回の映画、主人公の大輔たちの年齢(20歳前後)に自分の年齢が追い付いたことが本当に嬉しかったんですよね。前作、ラスエボの時は大学生の太一たちをまだ「少し年上のお兄さんお姉さん」として見ていたので、今回の大輔たちには肩を並べられた感じがして、感動もひとしおでした。

 はてさて、パンフレットも映画観賞前にしっかり買って、ジュースもついでに買ってトイレにもちゃんと行って、万全の状態で映画に臨みました。

<以下、ネタバレ注意>














 見終わった結果、ゲッソリしてシアターから出てくることになりました。

 今回の映画、総評としては「つまらないわけではない。が、しかしあれだけの重たいドラマを描くなら、せめてメチャクチャ面白くないと帳尻が合わないのでは?」と思いました。

 映画を見た人ならあらすじはわかると思うので、ここでは詳細なあらすじは書きません(万一自分の解釈が間違ってて変なこと書いたらアレだし)、自分の所感のみを述べていきます。

 まず、今回のドラマパートはルイとウッコモンに起こったあれこれを、回想を挟みつつ解説していく、という構成になっていました。まぁこの過去が重たいわ重たいわ、という感じで「ルイが母親から虐待を受けている」という描写がされた時点でまず自分としては「うっ」と来ました。

 そもそも「デジモンアドベンチャーシリーズにおける数年ぶりの続編映画で、ゲストキャラが虐待を受けている描写なんて誰が見たいねん!!」とここで思うわけですが、もしかしたらそういう描写が見たい人がいるかもしれませんし、自分もドラマパートは面白ければOKな人間なのでそこは「エグイな……!」とヒヤヒヤしつつも経過を見ていました。

 結果として、ドラマパートの出来は非常に良かったように思います。過去の回想を挟みつつ、ルイが大輔たちとひたすら話していくだけで絵面としてはかなり単調でしたが、それでもルイの心境変化は結構泣けるものでしたし、大輔は小学生の頃から全く変わらず大輔としてのキャラを見せてくれて、そこで自分はかなりウルッと来ました。

 しかし、ウッコモンとの対話を望まないルイに対して大輔たちは「話し合うことが大切なんだぞ」と諭す(レスバを仕掛ける)方法でルイの心境を変化させていったわけですが、自分としては「親(やもしかしたら友達も)をあんな目に遭わせてるナチュラルサイコなウッコモンに対して、対話を求めるもクソもないだろ!!」と思ってました。まぁ親が倒れる前、4~7歳の頃のルイはもっとウッコモンと話すべきだった、ということでしょうが、「4~7歳の子供にちゃんとした会話を求める方が酷では?」と思ってしまって、自分は大輔たち側が少し無神経に感じました。

 でも、ルイにはその言葉が響いたみたいで「もう一度、ウッコモンと話し合ってみる」という結論に落ち着きます。「これルイに思うところが無かったら普通にレスバ負けてたよね……?」とは思いましたけど、まぁハッピーエンドに向かうためにはどちらにしろ対話が不可欠なのでしょうがないですね。

 で、肝心のクライマックス(バトル)パートですよ。対話を済ませたルイはウッコモンを倒すことを決意するわけですが(対話しなくても普通に倒せそうだったのはいいんですかね……?)、なんとこの対ビッグウッコモン戦、驚くほど盛り上がりがない。カッコいい進化バンクやめちゃくちゃ動く神作画であたかも名シーン感を出してはいますけど、結果的に「一度もピンチにならず、最後は普通にインぺファイターでトドメを刺して終わり」という全く歯ごたえがないバトルになってました。

 100歩譲って、100歩譲ってそれはいいとしましょう。ビッグウッコモンを倒せたね、よかったね、ルイの心も晴れやかになったね……この後せめて1段階か2段階はさらに盛り上がるシーンがあるべきでは??? 個人的には、今回の映画はとても「テレビスペシャル」のような印象を受けました。60分くらいでテレビで放送される分には(話が重たいのはあるけど)まぁ1エピソードとして中々いい出来だとは思います。これ映画ですよ……?

 今回の映画の流れをザックリと書くと、

 大輔たちがルイと出会う
 ↓
 ルイの回想を挟みつつ、デジタマ(ウッコモン)とルイの関係性を解明
 ↓
 大輔たちの言葉により、ルイの心境が変化。ウッコモンとの対話を決意する
 ↓
 ウッコモンとルイの対話
 ↓
 対話が終わったので、大輔たちはビッグウッコモンを総攻撃。ビッグウッコモンを倒す
 ↓
 ハッピーエンド

 なんですけど、一本の映画としてこの筋書きはあまりにも薄くないか……? というのが自分の率直な感想です。でも今回の映画は80分なので、仮に「80分という枠の中で02の映画を作ってほしい」と監督側に依頼があった場合は、正直しょうがないとは思います。「このストーリーを作りたい!」で結果的に80分になった場合は残念ながら擁護出来ないですが……。

 まぁここまで書いておいてなんですけど、自分が認める認めないなんて毛ほどもどうでもいいんで、売れるなら売れるでそれでいいんですよ。デジモンが再び人気になるのは良いことですしね。まぁなんか席の埋まりは悪かったですけど……。

 でも、やはり今回の映画は自分は面白いと思うことはできませんでした。映画でも小説でもマンガでもそうですが、自分は「『面白い』ということは全てにおいて優先されるべきこと」だと思っています。ラスエボみたいに過去作との設定の矛盾があっても、多少なら面白さのために矛盾してもいいとすら思ってます。だから自分は、ラスエボに対して今では「モヤモヤは残るけどまあまあ面白かったよ」というスタンスです。

 でも、今回の映画に対しては「この展開、このキャラ付けをやったことで最終的に本当に面白くなるのか?」という考えに疑問が残ったままとなりました。ルイの悲惨な過去も、カッコいい進化バンクも、ヌルヌル動く戦闘シーンも、最後のD-3が消えてしまう展開なんかも、全ては「この作品を面白くしたいがためにこの映画に付与したもの」じゃないんですか? とスタッフの人に聞きたいです。厄介オタクな自覚はありますけど、今回の映画はそれだけ「ショッキングなキャラ付けや展開をした割には『つまらなくはない』止まりな話になっている」と個人的に思いました。

 話を変えます。随分後回しになりましたけど、「ラスエボが残した謎やその後の進展」については、自分は考えないことにしています。というか前評判でそこら辺が解決しないことは何となく察しましたし、「そこら辺が解決しなくても面白けりゃそれでいいよ、ははは!」という気持ちで見に行ったからなんですよね。まぁ面白くなかったんですが。

 最初の総評に戻ります。自分は「つまらないわけではない。が、しかしあれだけの重たいドラマを描くなら、せめてメチャクチャ面白くないと帳尻が合わないのでは?」と言ってます。とどのつまり、話の展開からして上がっていった期待のハードルを今回の映画は全く超えてくれなかったから自分は渋い顔をしているわけです。なまじtri.やラスエボよりも期待値は大きかったので、それだけ残念に思った落差も激しいというか。

 Twitterを見てみると「ルイの背景ストーリーのような重たいものをデジモンで見たくなかった」という意見が散見されているように思います。自分もおおむね賛成なんですが、どちらかというと「あれだけ重たいものを無理してデジモンアニメでやったのに、それが結果的にほとんど面白さに昇華されていない」というところに怒ってます。いや、怒ってるというより悲しかったです。

 まあそんなこんなでこの感想も〆に入りたいんですが、とにかく「期待値を全く超えなかった」その一点において、今回の映画は個人的にとても悲しいものになりました。最近の映画で合わなかったものと言えば「EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション」「大怪獣のあとしまつ」「シン・仮面ライダー」とかがあるんですが、ザビギニングもこの中に入りそうだな……と思ってます。でも円盤は買うかもしれません。チョロいオタクですどうも。

 なんか続編が作られそうな終わり方をしてたので、今回の興収次第では続編が作られるんでしょうけど、そろそろデジモンアドベンチャーの続編を作り続けるのをやめて欲しいですし、もし作るならちゃんと面白いものを作って欲しいと思っています。

 以上で今回の映画感想を終わります。この感想を書いたことで大分スッキリしたので、もしかしたら今後も見た映画の感想をnoteに書いていくかもしれません。その時はまたよろしくお願いします。それでは!

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