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春苦く

春が苦手だとひそやかに笑う君がいた

なんだか色んな香りがうるさくて 

そう言って咲いたばかりの小さな野ばらに触れた

アイスブルー

アイスブルー?

君が春を怖がるのはみんなが君を置いていったから

1人 また1人

あの茶の間から 姿を消していった

そういう僕も

そう 僕も君を置いて電車に乗った

みんなと同じ すぐ帰ってくるから と嘘を吐き

君はわかっていたんだろう あの時は泣きもしなかった

本当は君は泣き虫なんかじゃなくてみんなのために泣いていただけ

小さい君が一番の大人だった

僕らは泣き方も知らない子たちに過ぎなかった

甘やかな記憶はあの君がいた茶の間の黄昏時








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