戦い方
音楽家として死亡し
新しいペルソナを生き始めた
最初の一週間は
家族全員の胃腸炎との戦いで終わった
拍子抜け
思えば
音楽家としての人生も
拍子抜けの日々だったかもしれない
中央で勝負する度胸がなかった
それだけで
『地方から勝つ』という
無謀な風呂敷を広げたフリをして
戦う『面目』だけを保とうとした
つまり
スタートの時点で『不戦敗』は決まったのだ
やっていたことは
いわゆる
エキシビジョンマッチ
それに人生の大半を費やしてしまった
これを拍子抜けといわずなんという
その拍子抜けが、新しいペルソナ人生の
最初の一週間に起こったことは
我ながら滑稽だった
この画をご存知だろうか
1514
メッツセース
金貸とその妻
どんなに滑稽でも
勝敗に意味のない
エキシビジョンマッチだとしても
戦う名目だけは
守らなければならない
名目
それしか
命をかけられるものは
残されていないからだ
私は
戦うことをやめたわけじゃない
戦う相手を変えただけだ
知人にSNS(発信)を覗かれることが
死ぬほど煩わしく
SNSを全削除した
唯一知人のいないだろうこの場所で
この文章を知人が見ることは
ないと期待している
金貸が何を見ているのか
その妻の指と目が表すものは?
そういう会話ができる人間を
僕が負けた世界に
1人でも産み、増殖させる
それが
資本への
自分なりの最期の戦い方
文化や感受性という
バイキンとして
資本を中から侵食する
それこそが
俺の
新しい作品になるはずだ
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