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グローバルな開発チームで働くってどんな感じ?プロダクトデザイナー編

こんにちは、Shippioのプロダクトデザイナーのしんぎょうちです。Shippioはエンジニアメンバーがほとんど他の国から来ていて、共用言語が英語となっています。
この記事では、エンジニアとコミュニケーションをとる機会の多いプロダクトデザイナーが普段どんな感じでやっているのか、実際どのぐらい英語を使うのかを書きたいと思います。

ちなみに私の入社時点での英語力はTOEIC L&R 865でした。 また、少し前に受けたIELTS AcademicではOverall 6.5だったので、良くはないがすごく悪くもないという中途半端な感じです。


どれぐらい英語使ってる?

仕事全体の割合でいうと、そんなに多くはないです。

プロダクトデザイナーはPdMやSalesチーム、オペレーションチームの日本人メンバーと話すことも多いので、実際エンジニアと話したり英語を読み書きするのは一部になっています。
英語を使うのは以下のような時です。

  • エンジニアとのミーティングでの会話

    • 進行中の開発の定例ミーティング、仕様共有やディスカッション、開発チームとプロダクトチームの合同ミーティングなど

  • エンジニアがメインのSlackチャンネルでの読み書き

    • 全社的な共有用チャンネルなどでは、自動翻訳ツールを入れている場合もありますが、エンジニアとの会話がメインのチャンネルには入っていないので、自分で英語を書く必要があります。

  • エンジニアが読者/著者になるドキュメントの読み書き

    • 仕様書や開発用ドキュメントなど。

  • 全社ミーティング

    • それぞれのスピーカーが得意な言語で喋るので、開発チームからの共有は基本的に英語です。また、日本語で喋る人はスライドに英語を併記したり、英語ページを作ったりしています。

  • クラウドサービスの英語版のボタンラベルやメッセージ決め

    • 英語を使うとはちょっと違うかもしれませんが、UIのラベルやメッセージはプロダクトデザイナー側で決めるので、合わせて英語も決めてしまうケースも多いです。適宜ネイティブスピーカーに確認したりします。

自分は今週はこんな感じです。

今週の自分の使用言語と作業の割合を示した円グラフ、英語を使うミーティング2時間、英語ドキュメントの読み書き4時間、日本語のミーティング12時間、日本語のドキュメント読み書きその他作業
今週の自分の使用言語と作業の割合

英語を使うミーティングは、まちまちですが、だいたい週2〜4程度入っています。方針として、エンジニアの作業時間確保のためにミーティングを最低限にしようとしているので、そんなにはありません。
今週は以下の3つの予定があります。

  • 進行中の開発の定例ミーティング(30分)

  • 仕様と開発スコープの確認(30分)

  • 開始したばかりの大きめのプロジェクトについて、全体感や方向性の共有とディスカッション(1時間)

エンジニアと議論した時のホワイトボードの画像
エンジニアと議論した時のホワイトボード

プロジェクトメンバーによっては会話は日本語

その時のメンバー構成によっては、日本人エンジニアや日本語が達者な外国籍エンジニアだけになる場合もあります。

そういう時はミーティングは日本語でやっていますが、他のエンジニアへの共有のためにSlackやドキュメントなどの書き言葉は英語でやっています。
(が、Slackのスレ内やNotionのコメントなど、議論が進むと途中から日本語になってしまったりします。よくないあるあるです。)

Notionのコメントが途中から日本語になっている様子のスクリーンショット
Notionのコメントが途中から日本語になっている様子

あと日本語が達者で勉強意欲もあるこのQAエンジニアは、言語ミックスで話すことをすごくポジティブにとらえていてくれたりします。

英語のミーティングの大変さ

やっぱりコミュニケーションコストがかかります。

翻訳や事前準備がめんどくさい

プロダクトデザイナーは、ビジネス側と開発側の間に立つ役割なので、それぞれの話を聞いて解決策を考えたり、適切な落とし所を見つけるといったことが求められます。

プロジェクトのよくある進行として、日本人メンバーと議論した後にエンジニアにも共有するというケースがとても多く、一度日本語で作ったドキュメントやディスカッションのログを英訳する必要があります。

共有相手が日本語が達者な人であっても、日本語はひらがな、カタカナ、漢字が混ざっていてリーディングの難易度が高いらしいので、相手が日本語ネイティブでない場合は必須です。

同じ内容を、相手に合わせて違う言語でやり取りするデザイナーの様子

逆にエンジニアと議論したものを日本人メンバーに共有することもありますが、そういう時はわざわざ日本語訳まではしません。

また、エンジニアに対する背景情報の共有として、ユーザーがどういう仕事をしていて、どういう課題を抱えているかを説明する時もあります。
複雑でプレイヤーが多かったり、レガシー産業ゆえの理解しにくい商習慣があるなど、わかりにくいことも多く、説明用に以下のような図を作ったりしていました。

エンジニアにユーザーの様子を説明するために作成したMiroのボードの画像
説明用に作成したMiro

人や状況よってリスニングの難易度が違う

すごく当たり前の話ではあるのですが、母国語の影響、語彙や話し方の違いで、人によって全然リスニングの難易度が違います。
出身国も様々なので、英語ネイティブの人もいれば、外国語として習得した人もいて、みんないろいろな英語を話します。アールが巻き舌になるなど母国語のアクセントが強い人、話し方が早かったりスラングみたいな語彙をたくさん使う人など。

でもみんないい人なので、聞き返せば言い直してくれたりします。
(逆にたぶん相手からも「この人の英語はわかりやすい、この人は文法もあやしくて理解が大変」とか思われてると思います)

出身国もいろいろなので、英語ネイティブの人もいれば、外国語として習得した人もいる、いろいろな英語を話す人々の画像

あとこれも当たり前ですが、トピックによっても全然わからなかったりします。技術的な話なんかはそもそも語彙を知らなかったりもして、ぜんぜんわからなくなってしまいます。

また自分程度の英語力だと、集中力が途切れたり、通知等によって意識が持っていかれると、すぐに何を話しているのかわからなくなってしまう時もあります。

認識齟齬がこわい

普通に日本語でもやると思いますが、英語の方がこちらが聞き逃して理解が違ってた…ことが多そうなので、Notionの議事録やSlackのスレッドに決定事項やTodoを書き出して、理解を確認しています。

Huddleミーティング中のスレッドの様子のスクリーンショット
Huddleミーティング中のスレッドの様子

英語の読み書きの大変さ

文字で読み書きできる方が楽…かと思いきや、そうでもないです。

過去の資料を読むのが大変

仕様を調べたり、過去に検討した内容を調べたりする時は、たくさんの英語のドキュメントを探して読まないといけないのでちょっと大変です。
そこまで難しいことは書いていないので、普通に読めばいいのですが、日本語よりもずっと時間がかかるし、自分は結構誤読していたりします。

わかりやすいテクニカルライティングが超大事、でも難しい

自分はApple Human Interface Guidelinesなんかはスルスル読めたりするのですが、社内ドキュメントは読みづらいと思う時もあり、本当にライティングは難しいなと思います。

ストック情報として文脈を知らない人でもわかるように書きたいのですが、時間が経ってから読み返すと、自分で書いた文章でもわかりにくいと思うことが多いです。
会話であれば双方向にやりとりできるので、こちらが拙くても相手が質問してくれたりしますが、ドキュメントだとそういうことができないので、よりきちんとした英語力が求められるなと思います。

ドキュメントを読むのに苦労している人の画像

ドキュメントを書く時は、生成AI、翻訳ツール、文法チェックツールなどあらゆるツールを使っています。
また、学習のため、自分で一度書いた後、AIに投げてわかりやすくリライトしてもらったり、翻訳ツールで日本語訳を確認したりしています。(趣味の領域に入っている感もあり、そういうことをしていると無限に時間がかかる)

あとSlack等のカジュアルなライティングでは、そこまで手間をかけて書かないので、いろいろ直しているうちに文法がおかしなことになっているのに気づかないということがよくあり、読みづらい文章を書いて本当に申し訳ないなと思っています。
動詞の三単現のsの消し忘れ、つけ忘れとかすごいよくある。

結局、日本語で気をつけることとあんまり変わらない

色々書いてきましたが、1年半ぐらいやってきた中では、英語でも日本語とあんまり変わらないなと感じています。

自分が英語が苦手なせいで少し手間がかかったり、周りに迷惑をかけたり、サポートしてもらったりはあるのですが、よくよく考えると日本語でも似たようなことは起きています。私は日本語でも誤読や誤解が多いです。

もちろんドキュメントの翻訳など、言語が複数あるゆえの手間もあるのですが、それ以外のことは日本語でも同じように気をつけることです。日本語でも参加者に応じたミーティングの準備や、わかりやすい文章を書くことは大切ですよね。

入社当時はミーティング前にちょっと緊張したりしていましたが、慣れるとこんなもんかという感じです。

どのぐらいの英語力があるといい?

一応Shippioとしては、ビジネスレベルの英語力がなくても「英語でのコミュニケーションに前向き」であれば十分にキャッチアップ可能であるとしています。

実際、単体機能のデザイン&仕様書作成であれば、背景説明もPdM(みんな英語がすごく上手)がしてくれたりするので、デザイナーからは仕様の説明と細かい確認ぐらいで済んだりするのでそんなに大変ではありません。

ただし、入社して実感したことですが、デザインするスコープが広がるほど、あいまいな状態からエンジニアとディスカッションしないといけない状況が増えます。ソリューション策定段階からエンジニアに技術的な懸念を聞いたり、アイデアを議論するといったようなことです。

そういう状況でもある程度なんとかするためには、1人で海外旅行しても概ね困らないぐらいの会話力・表現力があるとスムーズな気がします。

ラフな議論をする人のイラスト

また、ライティング面では、日本語からの機械翻訳をそのまま使って用語が統一されていない…といったケースも見るので、機械翻訳を見直して自分で修正できることが必要です。

ちなみに語学学習サポートもあります

会社として、語学学習のサポート制度があります。語学学校やオンライン英会話など、スピーキングやリスニング力の向上を目的とした学習費用を一部会社に負担してもらえるというものです。
(補助期間や所定のテストスコア習得必須とするなど、諸条件があります。)

ただし、サポートを受けられる英語レベルの上限が決まっている(TOEIC800点未満相当)ので、英語が現時点では苦手だがこれから身につけたいという方おすすめです!!!


もしこういうのが面白そう、もう少し詳しく話が聞きたいと思ってもらえたら、カジュアル面談でいくらでもお話するのでご連絡お待ちしています。


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