見出し画像

【開催報告】正月太り解消大作戦!

お餅におせち、ごちそうを食べる機会が多かった正月明け。
体重計に乗りたくない時期です。

実は、世の中の6割くらいの人が正月太りを経験していて、平均1~2㎏は増加しているという調査結果があるそうです。
体に異常を感じていない人であっても、体重が増えると何となくがっかりしてしまうもの。

失敗ラボラトリーでは1/15に「正月太り解消大作戦!」と題してイベントを開催しました。
その中で、正月太りの解消法について、コミュニティナースで保健師の西田悠一郎さんに、そもそも太るとは?というところから解きほぐしてお話しいただきました。

○西田悠一郎さん
コミュニティナースで保健師。
今年から愛知県豊田市のゲストハウス&コミュニティレンタルスペースkabo.で「まちの保健室@kabo.」を開催するほか、健康おせっかいを進めていらっしゃいます。

コミュニティナースって?
地域の人の暮らしの身近な存在として「毎日の嬉しいや楽しい」を一緒につくり、「心と身体の健康と安心」を実現することを目指す人たちのこと。

**********

どうして太るの?

太るのは炭水化物のせい!です。
白ごはんや麺が脂肪に変わることで太ります。

お肉や油で太るような気がしてしまうのですが、実は脂質やたんぱく質は炭水化物に比べて吸収されにくく、過剰に摂っても便として排出されてしまいます。
ポテトチップスなら揚げ油ではなく、じゃがいもが肥満を後押ししているのです。

炭水化物は体の大事なエネルギー源です。
唾液によってでんぷんがブドウ糖に分解されて、小腸で吸収されます。大部分のブドウ糖は脂肪酸となって肝臓に蓄えられます。さらに血液に溶けた血糖となって、体中の細胞へ送られます。
細胞は油の膜で包まれているので、血液中の成分(=水)を簡単には入れてくれません。そこで活躍するのがインスリンです。
血液中の血糖の量が増えると、インスリンが分泌されます。インスリンが細胞に働きかけて、血糖が細胞に入り込むためのチャンネル開いてくれます。

太る原因は、肝臓に取り込まれたブドウ糖が脂肪酸としてたまってしまうからです。
さらに、体にとって必要以上にインスリンが作用して、細胞に血糖が取り込まれすぎると、細胞に脂肪酸がたまる→細胞が太る→体が太るというわけです。

どうして太っちゃいけないの?

体重が増えようが、おなか回りが厚くなろうが、今の健康に影響がなければ問題ない?
いえいえ、未来の体に害があるから健康診断でチェックされるのです。

太ると肝臓に脂肪酸がたまります。たまった脂肪酸は酸化して、巷でよく聞くコレステロールに変わります。
コレステロールは油分なので血液に溶けません。油の小さな粒として血管を流れます。
この油の粒が血液中に多いほど血流が悪くなります。血液の流れが滞れば、高血圧や動脈硬化が起きます。油の粒がくっつきあってできたかたまりが、何かの拍子に脳まで飛べば、脳の細い血管を詰まらせて脳梗塞を引き起こします。

さらに、運動不足によって細胞が蓄えたエネルギーを代謝しきれずにいると、血液中の血糖が増えて高血糖と呼ばれる状態になります。
この状態が続くと、血管や神経が酸化してボロボロになり、末梢神経が機能しなくて痛みを感じなくなったり、目が見えにくくなったり、末は手足の切断、失明することに。
腎臓にも悪影響を与えて、人工透析をしなければ生きられない体になってしまう可能性もあります。

明日からどうすればいいの?

体重を増やさないために、西田さんからの提案は3つ。
○いただきます野菜から
○白ごはん、麺、粉類はほどほどに
○朝晩、通勤含めて20分散歩

食卓について手を合わせたら「いただきます、野菜から。」と言いましょう。声に出して言いましょう。そして、その通りに野菜から食べ始めましょう。これは血糖値の上昇幅を抑えるためです。

血糖値の上昇を抑える
→インスリンの分泌を抑える
→細胞に血糖が取り込まれる量を抑える
→細胞蓄えられる脂肪酸の量を抑えられる、というわけです。

野菜を先に入れることで、ブドウ糖となった炭水化物が吸収される前のクッションになって吸収量を抑え、血糖値の上昇を緩やかにすることができるのです。
このとき、どのくらいの野菜を食べればいいのかが気になるところですが、量よりも物理的に先に入れることがポイントです。


白ごはん、麺、粉ものは口当たりがよくおいしいですよね。これらは炭水化物のかたまりです。
炭水化物は筋肉や脳のエネルギー源ですので、抜くことはNG。体が危機を感じて、次に食べたときに吸収量が増えてしまいます。
ちゃんと食べる。ただし、食べる量を気にしましょう

ごはんの量をお茶碗半分にしてみる、お茶碗を小さくしてみる。焼肉で太るのも、ついついごはんがすすむから。気にするべきは、やはり「量」です。

吸収されにくく血糖値が上がりにくい、低GI食品を取り入れることもおすすめです。おやつならナッツ、とりわけ無塩のピスタチオをおすすめします。
実はうどんは、ごはんよりも低GIなので、ごはんよりも太りにくいです。

選び方に気を付ければコンビニスイーツだって大丈夫。
スポンジに小麦粉(=炭水化物)が使われているショートケーキではなく、代わりにレアチーズケーキやプリンを選びましょう。レアチーズケーキにはタルト生地が付いていないことをチェックしてくださいね。

日中の血糖値の上がり下がりを緩やかにするためには、ちょこちょこ食べも効果があります。1日3食を、1日で食べる量は増やさずに、例えば1日5食に分けて食べるイメージです。


食べた後に運動することも血糖値の上昇を抑えてくれます。
運動によって細胞の中に取り込まれたエネルギーを消費することで、体に対してインスリンの分泌にストップをかける効果があります。

運動習慣をつけるためには、犬を飼うことがおすすめです。犬の散歩で必ず歩くことになりますね。とはいえ、家庭の事情で犬を飼えないという人は、通勤の時間を活用しましょう。

歩くときには太ももやおしりの大きな筋肉を使うことを意識するといいでしょう。筋肉量が増えて基礎代謝が上がるとそもそも太りにくくなります。走るよりも歩く方が、血糖値の上昇を抑えるためには効果的です。

**********


この後、失敗ラボラトリーではイベント参加者がそれぞれ1週間チャレンジすることを宣言し合いました。1週間後の実施報告会が楽しみです。

わたしたちの体は食べたもので作られます。
あなたも、体の声にちょこっと耳を傾けてみませんか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?