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AI×Marketing 活用の現状:前編

AI Marketing BB東京カンファレンスが2024年4月25日-26日に開催されました。今回はAI×マーケティングの現状とビジネスがどのように変革し、企業やビジネスマンはどのようにするべきかを軸に様々な角度からディスカッションされましたが、生成AIの現状・AIをどのようにマーケティングに活用できるかを理解する上でとても良いカンファレンスでしたので、そのサマリをまとめましたので、ご参考にしてください。

生成AIの現状

生成AIとはを検索すればいろいろでてきますが、まず生成人工知能 (生成 AIまたはGenerative AI) は、会話、ストーリー、画像、動画、音楽などの新しいコンテンツやアイデアを作成できる AI の一種(AWS引用)であり、以下の図に記載されている概要と4層構造になっていることをまず理解しておくとよいです。

Generative AI Japan馬淵氏が整理したAIの概要と構造

そのうえで、日本は人口減少・人手不足の環境的問題や何かに助けてもうドラえもん思考を受け入れやすい国民性があることから、AIとかなり相性が良い国であり、世界で2番目に活用できる国ではないかとも言われている。
国においても、AI戦略会議が2023年に7回も開催され、社会にどう組み込んでいく語られており、国主導でAI生成を支援していく環境ができつつある(医療AI生成モデルに100億投資・支援etc)。その中で、Generative AI Japanの馬渕さんによると、 生成AIは4層構造になっており 、その中クラウドレイヤーとインフラレイヤーのプラットフォームサービスモデルがリリースされてきており、GTPモデルはその代表例であると語った。

生成AIで一番注目されていること

その中でかなり話題になったOpenAI社が発表したSORAの映像は世界中に大きな影響を与えました。

プロンプト(コマンドを入力すること)を入力することで、それに即した映像をハイクオリティに自動生成してくれます。ご覧になっていただくとそのクオリティレベルのすごさに驚愕することでしょう。
更に、オープニングセッションでAIサービス世界アクセストップ10 サービスの CivitaiのプロデューサMatty ShimuraはCivitaiのサービスを使うことによって、現在の映像(映画・広告)製作プロセスを革命的に変えてしまうサービスについて紹介しました。

このサービスは、AIを使い誰でも簡単に映像制作(制作・加工・編集全て)できてしまうプラットフォームであるそうだ。

モデルを自由に映像加工できるcivitai

例えば 年老いた ハリソンフォードをの映像を 30年前のハリソンフォードに再現することができるので、永遠に映画 スターして作品を提供することもできたたり、短時間で高品質な映像制作ができるようになるため、映画などの制作ワークフローが大きく変革できることを語った。

また、アメリカではコカコーラ・ハインツ・エスティーローダなどの企業は生成AIを活用して高品質なクリエイティブを提供し始めているそうだ。

その中で、広告代理店であるWPPグループは今最も AIを活用する広告代理店として活動しており、NVIDIA(この領域でCPUより処理能力が高いGPUを提供している会社で時価総額がここ数年でMS,Appleにつぐ世界第三位の会社)と組んで新たなビジネスモデル開発に力を入れている。

Mattyは最後に今後AI活用が広がっていく中で、著作権問題・AI活用よる雇用喪失・クリエイティビティの欠如などの課題があり、そこにどう向き合っていくべきか、たった半年で飛躍的に成長している市場の中で、利用者側のマインドセットやスキルセットをどうマネジメントしていくべきかの重要性を語った。

AIと筋肉情報


Generative AIにおける産業実装における現在と未来では、玉城氏(H2L, Inc. CEO / 東京大学 大学院 工学系研究科 教授 / 琉球大学 工学部 教授)は、言語情報・視覚・聴覚情報だけでなく「筋肉情報」により、人の動きそのものもAIで再現化する取組を行っている。
筋変異センサを使って、筋肉情報をAIでDB化することで、その動きを遠隔でロボットに再現させることやスポーツ選手の筋肉の動きをデータベース化することで、プロのゴルフスイングと自分スイングの力の入れ方の違いを可視比較し、どこを改善すれば上達するかということも実現できるらしい。つまりプロのコーチングサポートをAIがすることで、誰もがプロに近い状態を目指すことができるようになるのである。

良いスイングと悪いスイング力加減を可視化


更にこの研究はふくらはぎの筋肉の情報から、活力度、元気度などのその人のその日の状態を把握することができるそうだ(貧乏ゆすりが多いといらいらしているみたなこと)。それをソーシャル連携(アバター連携)することで、会社であれば上長がその状態を見て、部下とコミュニケーション・アドバイス・サポートまでを支援することが可能になるそうだ。いわゆる「今日元気?とか最近どう?」というコミュニケーションからその人の状態に応じた的確なコミュニケーションが可能になるのである。

AIと人材活用モデル図

企業におけるAI活用と活用風土醸成

パナソニック コネクト(以下パナ)山口 有希子氏と三井海上火災保険(以下三井)木田浩理氏のCMO登壇セッションでは、企業における生成AI活用とその中におけるCMOの役割について語られた。

3CMOの対談風景


その中で三井の生成AIは、保険業界における質問応答システムの開発やオペレーションの効率化をAIで実行しており、顧客からの問い合わせに対する迅速な対応応・業務プロセス改善が既に実現されている。パナでは、コネクトAIという使いやすいUIを持つAIシステムが導入され、営業やエンジニアリングなどの様々な部門で活用され、ナレッジマネジメントの実現による業務効率化・ビジネスモデル開発などの実績が出ていることが語られた。
そこで友澤氏は、AI活用による情報漏洩リスクや外部コンサルに頼って中途半端な状態になってしまい活用でできない状態が多い日本の企業の中で、なぜそこまで積極的に活用ができているのかという質問を投げかけた。
その成功要因の1つとして特徴的だったのは両社ともCMO自ら社内に対して新しいことに積極的にチャレンジする風土改革を行ったきたたことが、AI活用が推進されているのではないかと分析した。特に、パナではAIをこれからの時代必ず必要になってくるものであり、 新しいものを使ってみようという社長の意識改革とトップダウン実行・承認が連動することで、社員全員が活用する土台ができ、社員全員が積極的にチャレンジしたことでAIトランスフォーメーションが実現できいるのではないかと語った。最後に
山口氏は企業成長を推進していく上で。AI活用は経営戦略そのものであり、その重要性や取組環境を構築することこそCMOの役割であると語った。

生成AIとコンテンツ

AIとメディアの未来のセッションでは、生成AIによって記事やコンテンツが勝手に生成される現状の課題とその対応策について語られた。

AI記事生成によるコンテンツと広告の課題


メディア側は制作者(クリエイター)が作ったコンテンツの著作権管理できないため、勝手に2次利用されてる現状があり、 生成AIが更に自動生成している環境が起きていると語った。広告を投資する企業もそうしたコンテンツページに広告掲載されてしまうリスクの高さを認識しており、現状ではアドベリ対応をしているが、完全なブランドセフティーコントロールが難しく、ブランド棄損リスクもある中で、マーケット全体で取組むべき課題であることを語った。その中で改善できる新しい可能性として、Web3・ブロックチェーンの組み合わせによって、著作権管理問題解消・二次利用に対するクリエイターへの還元が実現できるのではないかと語られた。ブロックチェーンの仕組みを使えば著作権が誰にあり、それがどこに移っていったかが全て記録されるため、その仕組みをコンテンツ流通にも転換利用が可能と考えたようだ。確かにこれは一理あると思われる。今後、ブロックチェーン技術により、ブランドセフティー・クリエイター著作権マネジメントが実現すれば、クリエイターは良質なコンテンツアウトプットに時間を割くことができるエコシステムの構築の実現を願った。

AI×ブロックチェーン

企業における生成AI活用:味の素

初日のクロージングセッションでは味の素の岡本執行役常務からマーケティング領域における生成AI活用の現状について語られた。 味の素マーケティングデザインセンターは、マーケティング改革の一環として、従来型ビジネスモデル(強い商品ブランド)から新しいビジネス開発の仕組みを構築し、新しい味の元ブランド構築にチャレンジしていく過程の中で、生成AIを活用して生活者インサイト分析にによるアイディア開発を行っている現状を語った。

AIトライアルの現状

具体的には生活者欲求として顕在化していないものをAIで発見することであり、インサイト分析プロセスにおいて具体→抽象→具体のプロセスにAIを介在させ、新しい嗜好性の発見を行った。結果としては、自分たちが思いもよらない嗜好性(スモールマス)に気づくことができ、その気づきに基づいた提供すべき顧客体験×商品開発を行ったとのことでした。

AIによるインサイト理解のポイント


思考プロセスとAI活用ポイント

AIを活用したマーケティング活動について組織構想から具体的な取り組みが紹介され、AIを活用することで起こせる業務効率化や新たな顧客体験価値の提供が実現されていることが説明されました(詳細は写真をご覧ください)。

組織構想
インサイト分析例
AIに期待される効果
AI活用による有用性領域
本日のまとめ

初日の最後に

今回、企業の商品開発プロセスにおいてAIが活用され、新たな提供価値創出に貢献できていることはとても興味深い。ただその半面、人間の思考やアイディア開発力などをAIが本当に超えることができるのかという問題提起になったように思える初日であった。

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