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ウニを飼いたくて 〜ウニお迎え編〜

はじめに

前回の投稿からほぼ1年経ってしまいました。更新が滞っており大変申し訳ありません。
読まれた方は「で、結局ウニは飼えたの?」と思われたことでしょう。
実は、前回の投稿の翌日にウニをお迎えしていました

最初はトゲ込みで1.5cmほどだった小さいウニが、こんなに大きくなりました。

ガラスウニと同じぐらいの大きさだったが、1年で大きく成長した

どのようにウニをお迎えし、どのように暮らしてきたかを紹介します。

ウニお迎え

通販サイトでウニを注文

水槽を立ち上げたあと、いろいろなアクアショップの通販サイトを定期的にウォッチしては、どのウニをお迎えしようか考えていました。
ウニといえば黒いトゲトゲのイメージだったので、ムラサキウニやガンガゼを狙っていましたが、そう都合よく希望通りのウニは入荷しません。
そんなある日、新しく入荷したウニがいました。

ナガウニ Sサイズ

写真は販売個体とは違うようでしたが、黒っぽいトゲを持った「THE・ウニ」ともいえる姿に惹かれて、思い切って購入しました。

980円。ウニの命はこんなにも安いのかと驚いた

こちらのナガウニ、お値段は980円でした。アクアリウムに慣れた今となっては、特に希少な生き物でもない限りこんなものだと思いますが、当時は命の安さに思うところがありました。水槽設備にかかった費用がおよそ3〜4万円でしたから、相対的にずいぶん安く感じたものです。

ウニお迎え当日

2023年7月2日、発泡スチロールの箱が届きました。
ドキドキしながら箱を開けると、厳重に封をされた袋に水がたっぷり入っていました。
添えられていたのは「開封前に生体の状態をご確認ください」という注意書き。死着した場合は交換してくれるとのことです。
しかし、生きているのか死んでいるのか、袋の外からはまったく分かりませんでした。

ウニらしきものがかすかに見える

袋を開けて、中身を確認しました。う、ウニだ……!!
Sサイズの名の通り、全長1.5cm程度の指先サイズのウニです。
移動のストレスで弱っているようですが、かすかにトゲが動いていました。ウニに衝撃を与えないようにそっとスプーンですくって、水とともにバケツに出しました。

バケツに出されたウニ。上下が分かっていなくて、裏返しに置いてしまっていた

1〜2時間かけて水合わせをしてから、水槽に投入しました。水合わせについては特に特別なことはしていないので、詳しい方法は割愛します。
水槽投入直後のウニは、心配になるぐらいぺっちょりしていました。

投入直後のウニ。驚くほどぺっちょりしている

しばらくすると歩きはじめて、水槽の隅の岩に身を寄せていました。

岩に身を寄せるウニ

翌日の夜には水槽を這い回る様子を観測できました。日中全く動かないので心配でしたが、このウニは夜行性なんだと分かって安心しました。

赤色ライトの下、縦横無尽に這い回るウニ

ウニと暮らす

ここからは、我が家のナガウニの生活とその試行錯誤について紹介します。

名前

いかにもペットらしい名前を付けてしまうと神秘性が薄れるような気がしたので名前はありません。そのかわり親しみを込めて「うにちゃん」と呼んでいます。
「うにくん」ではないんですか?性別メスなんですか?とよく訊かれますが、性別は分かりません。どちらであってもいいようにちゃん付けとしています。

住環境

ナガウニは本来、岩に穴を掘ってその中で暮らす習性があります。
しかし、私が用意した岩プレートが硬すぎるのか、うにちゃんが小さすぎるのか、岩を掘る様子は見られませんでした。

明るくて開けた場所は落ち着かないだろうと思い、岩を組んで暗がりを作ってみたところ、気に入ってもらえました。日中はこの暗がりでじっとしていることが多いです。
我が家ではこの岩組のことを「ウニハウス」と呼んでいます。

明るい時間帯はウニハウスでじっとしている

後にライブロックも導入しましたが、あまりお気に召さなかったようでほとんど近寄りません。

餌やり

餌やりにはかなり苦戦しました。というのも、どんなエサであっても手渡しでは一切食べてくれないのです。エサが悪いのか渡し方が悪いのか全然分からず、とにかくあらゆるパターンを試しました。

最も食いつきが良かったのが、「ウニハウスにウミブドウを設置する」方法でした。ウニハウスの天井となる岩に輪ゴムを巻き付けてウミブドウを固定し、ウニハウスの中にウミブドウが垂れるようにします。景観はあまり良くないですが、かわいい我が子がごはんを食べてくれるならオールオッケーなのです。

ジャングルのようになっているウニハウス

なお、設置すれば何でも食べるのかというとそうではなく、ウミブドウを始めとした「生きている海藻」でないと食べませんでした。
乾燥ワカメや昆布も食べると聞いたことがありますが、少なくとも我が家のうにちゃんは人間用の海藻には口をつけません。
同様に、キャベツやキュウリなど野菜類もダメでした。もともとキャベツウニに憧れてウニを飼い始めたのですが、そううまくいかないものですね……。
ナガウニは他のウニと食性が違うのか、うにちゃんという個体がグルメなのかは分かりません。

水質管理

前回の記事で白濁りに触れましたが、フィルターをエーハイムのアクアコンパクト2005に切り替えるとすぐに直りました。強いフィルターはすごいです。ブクブクの時にあった、海水が巻き散らかされる問題や騒音問題も解消しました。

アクアコンパクトを設置した翌日にはもう水がピカピカに

飼っている生体が小さなウニ1匹なので、水質はあまり悪化しません。とはいえ日に日に蒸発して比重が高くなってしまうので、1〜2週間おきに水換え・水足しをしています。

ウニがフンをしたら、都度このようなスポイトで回収しています。

水温調整

水温は常時25℃程度にキープしています。また、1日のうちに大きな温度変化がないよう気を付けています。温度差がつらいのは、人もウニも同じはずですからね……。

夏場は24時間エアコンを付けっぱなしです。さすがに電気代が嵩むのでファンで冷やすタイプの水槽クーラーを試してみましたが、京都の夏の暑さには敵いませんでした。
一方、冬はエアコンを付けなくても、水槽用のヒーターを使っていれば水温を保てました。水が蒸発しやすくなって海水比重が上がりやすくなる点には注意が必要です。

茶ゴケ対策

水槽の運営を続けていくうち、ライトの光が当たっている砂や岩がどんどん茶色くなっていきました。調べると、茶ゴケだと分かりました。

茶ゴケの生えた砂。汚いのでほとんど写真を撮っておらず、分かりやすい写真がなかった

ライトの光量を減らしても、生えるペースはさほど変わりませんでした。良くないと分かりつつ、バクテリアを死滅させる覚悟で砂をガシガシ洗っていましたが、洗っても翌週にはまた生えてくるのであまり意味がなかったです。
マガキガイなどクリーナー生体の導入も検討しましたが、コケを食べ尽くしたあとも養っていくことを考えると、掃除のためだけに生体をお迎えするのはあまり気乗りしませんでした。
なお、一般的にはウニもクリーナー生体ではあるはずなのですが、うにちゃんは茶ゴケには興味なさそうでした。

茶ゴケの原因は、光と水質です。光を減らしてダメなら、水質にテコ入れしようと考えました。やったことは以下の4つです。

これらの対策をして、茶ゴケがほぼ全く生えなくなりました!一気にいろいろやったので、何が効いたのかは分かりません。
景観が良くなっただけでなく、ガラス面にも茶ゴケが生えなくなったので掃除も楽です。

白い砂を維持できている

ウニギャラリー

真面目は話はここまでにして、かわいいうにちゃんを見ていってください(親バカ)

明るいところで見たうにちゃんは赤紫色。きれいな色をしている
ウニハウスのくぼみにピッタリはまるうにちゃん
埋もれているうにちゃん
測られるうにちゃん。トゲ含み5cmほどに成長
クリルをかじってみたけど、口に合わなかったうにちゃん
体が大きくなってウニハウスに入らなくなったうにちゃん。ウニハウス増築しようかね

余談

ウニ飼いへの質問あるある

  • 「食べるの?」

    • 生きてるところを食べはしないけど、死んだらちょっと味見するかも

    • ナガウニはあんまり美味しくないらしい

  • 「懐くの?」

    • 脳がないので、たぶん懐きません

  • 「触れる?」

    • ガンガゼは毒があるけど、ナガウニは毒ないので触れる

    • とはいえ普通に鋭いので痛い

    • 怪我させたりストレスかけるのが怖いので、自分は基本的に触らない

お友達(?)ができました

ビスケットスターをお迎えしました。何の工夫もなくクリルを食べてくれているので、特に記事化することはないと思います。

ビスケットスター、通称ヒトデ

たまにうにちゃんにちょっかいを出していてハラハラするのでやめていただきたい。

うにちゃんに覆いかぶさるヒトデ
ウニハウスに遊びに来たヒトデ

なお、これ以上生体を増やす予定はないです。アクアリウムをこれ以上やり込む時間がないので、やることや悩み事が増えないようにこの2匹が限界かなと思います。
ただ、エビとかカニとか……かわいいなとは……思いますね……

今後の心配事

将来引っ越す時どうするのか心配です。

まとめ

アクアリウム初心者ですが、周りの有識者やネットの情報でなんとかやってこれました。こうして振り返ってみると徐々にいろいろな問題を解決してこれて良かったなと思います。
この水槽での暮らしを気に入ってくれてたらいいなあ。
ウニは長いと30年ぐらい生きるらしいので、ぜひ長生きしてほしいものです。

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